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泥泥泥日記 9日目

10月3日

 朝から降りしきる雨の中、みんなは皆口農園という苺農家のハウスに行った。僕はひとり、カーライフなかのにパンク修理に向かう。スペアタイアで走ること15分。なかのは4月にきた時に、避難所へ野菜や卵を持っていく時に寄ったことがある場所だ。それに初日農作業した田んぼが目と鼻の先だった。タイヤのストックはなかったので七尾から取り寄せとのこと。明日になる。元々明日は、輪島の復耕ラボに行って屋根に登る予定を組んでいたのだが雨のため中止。帰る時間に影響はなさそうだったのでそのまま取り寄せでお願いした。

その手筈が済んでから1時間遅れで、皆口農園に向かう。チームあみだ湯がいるハウスを教えてもらい、みんなの動きを少し見た後、やるべきことを理解して中に入っていった。地震で使えなくなってしまったハウスの中身を、プランターとパイプを外して畳んでいく。そのうち、パイプが折れ曲っていて外しにくいところが出てきたので、車からグラインダーと金属切断用の歯を持ってくる。2019年の千葉県を襲った台風19号の時も、三芳村に入った。その時は、台風でひん曲がったハウスの解体をしていた。その時の経験から、グラインダーを積んできたのが正解だった。どんどんパイプを切っていく。

農家さんも大変な損害を受けている。でもここの人たちも明るく前を向いていた。大勢のボランティアが入ってるから明るく振る舞っているのか、本当にそうなのか。2年後には苺できてるから食べにきてね〜って冗談みたいな本気の話。
午前で手前半分、午後で奥半分。全て解体し終えて、15時30分くらいには着替えて帰る。雨で体が冷えてしまった。一度あみだ湯に戻り、みな各々のまったり時間。あみだ湯定休日につき、しばらくしてから鉢ヶ崎のビーチホテルの風呂に向かう。15分ほどかけていったのに、住民向けの入浴支援だったみたいでボランティアは入れないと断られてしまった。仕方なく反対方向のラブロ恋路の方へ。こちらはやっていて入れた。熱い風呂とサウナ、いつもとは違う湯になんだか、体がほぐれて回復した。

みんなでご飯

あみだ湯に帰ると、広島に住んでいたことがあるかつおさんが広島焼きを作って待っててくれた。豚汁と広島焼き、みんなで囲む飯は美味い。この団欒が、何よりもみんなで救いあっているのかな、という気がしてきた。暖かい湯と暖かいご飯、そうした仲間がいればやっていける。そんなゆるい共同体のある一つの姿を見た。しんけんさんは相変わらず、10月から受け入れ始める初めましてのボランティアとオンラインで打ち合わせしている。ひとりボラセンは大変そうだ、なんとかその業務変われないかなとも思うけど、それはしんけんさんの仕事だし、ずっとここに居れるわけではないし。うーん何を返していこうか。相互性だよね、としんけんさんが言った。
くる前に読んでいた思いがけず利他の中でも、返せないほどもらうと上下関係が出てきてもらう人が苦しくなるので、相互性は大切だみたいなことかいてあったな。

何かのおりに、いやーこんなになると思わんくて、と一郎さんが些細なことで言ったので、正直1月からずっと思いがけないことばかりですね、って会話して笑ったのを思い出した。思いがけない未来と思いがけない出会いと。
側から見たら自分の時間を削って、ボランティアばかりしているクレイジー野郎かもしれんが、これは自己犠牲ではない。むしろ自己救済だ。人のために動き続けることによって、自分が何か元気にいられる、これが僕の原動力だ。

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