見出し画像

Pelikan Souverän White Tortoise M400

窓と申します。
無限に柿ピーが湧いてくる皿が欲しい。

久しぶりに単体の筆記具紹介をしようと思いました。

noteは記事を読んでくださるみなさんに色んなことを紹介できる他に、自分にとっても気持ちや考えの保存になるので大切なものについての情報や気持ちを残す良い機会になってくれます。

と、いうわけで今回は僕が購入したペリカンの万年筆、スーべレーンのホワイトトータスのM400について紹介していこうと思います。

長い記事になるかもしれませんが、最後まで読んでいただけたらそれだけで光栄です。



-製品情報-

◯ペリカン

ドイツの筆記具メーカー、ペリカン。
ホームページのリンクを載せておきます。

そして、こちらはペリカンのスーベレーンの製造工程の動画です。
次々とスーベレーンが生産されていく工程をのぞくことができます。


◯スーべレーン

Souverän:卓越した、超然とした
優れもの、という意味もあります。
ペリカンの代表作品、スーベレーン。


・特徴

この万年筆の主な特徴は2つ。
一つはピストン吸入機構。もう一つは胴軸のストライプ模様です。

ピストン吸入機構とは、言ってしまえば万年筆そのものがコンバーターの役割を備えているということ。
軸を分解する手間なくインクを吸入でき、コンバーター式の万年筆に比べ、手も汚れにくく、一度に多くのインクを補充することが可能です。

ちなみに400などの数字は万年筆のサイズを表しています。
(末尾が0のM200はゴールドトリム、5のM205はシルバートリムとなっています。)

胴軸のストライプ模様は二種類の異なる樹脂を貼り合わせ、薄くスライスした後に軸の形に加工し、最後はダイヤモンドで磨くことで作られているそうです。
光に当てたときの光り方や、縞の感覚には個体差があり、一つとして同じものはないというのもロマンがありますね。
同モデルの緑縞や青縞などと比べてホワイトトータスは特にランダム性が激しく、まさに一つ一つが世界で1本の存在です。


・サイズ

ペリカンのM400、の「M」は「Fullhalter(万年筆)mit(備えた)Mechanik(機械)」から来ています。

「筆記具のペンハウス」から引用
「楽天市場」から引用

上図のように数字が大きければ大きいほどサイズも重量も大きくなります。
特に、M600以下とM800以上ではニブに使用される金の割合が異なり、前者は14金ですが後者は18金と含有率に差が出てきます。
(含有率は14金が58.5%、18金が75%)

このうちの14金のサイズの真ん中に位置するのが今回紹介するM400です。
比較画像を載せるとこのくらいの大きさです。

手に収まるくらいの大きさで、手が小さめの僕にはちょうど良いサイズでした。


ホワイトトータス M400

そして今回紹介するのがこちらのホワイトトータス、M400です。
白と金の調和が美しい。

・外観
・機能の魅力
・僕なりの評価
・欠点

の順で紹介していこうと思います。

-外観-

全容はすでに見たので、細かいところにフォーカスしていきましょう。


・キャップ

ゴールドで装飾されています。
天冠にはペリカンのトレードマークが。
クリップは社名にもなっているペリカンが模されています。
上部の点は目なのか鼻なのか。
リングには「PERIKAN SOUVERAN GERMANY」と掘られています。


・胴軸

美しい。
ここは後でさんざ語るので簡単に。


・ペン先

ロジウム装飾の14金製。
金と銀のバイカラーになっています。
かっこよすぎるだろ。


-機能の魅力-

この万年筆はデザインだけでなく、機能面でも大きな魅力を持っています。


・吸入式の機構

万年筆本体がインクタンクになる仕組みにより、容量の大きさに加え分解する手間が省かれる長所を持ちます。
この万年筆、デザインでは飽き足らず、機能面にも抜けはありません。

吸入の際に少々手順があり
①尻軸を反時計回りに回転させる
②ボトルからインクを吸入
③再び反時計回りに尻軸を回し、2,3滴インクをボトルに戻す
④ペン先を上に向けて尻軸を時計回りに回す

以上の手順を踏めばインクを無駄なく補充することができます。


・洗浄が容易

ペリカンのニブは、摘んで反時計回りに軽く回せば容易に分解が可能です。
洗浄の際には水の吸入と排出を繰り返したのち、ニブを取り外して水にぶち込んで放置していれば洗浄完了になります。

胴軸内部を乾燥させられるのも魅力ですね。


-僕なりの評価-

・美しいデザイン

高級樹脂とセルロースが織りなすストライプ模様が美しいの一言では表せない。足りるはずもない。

陽に当てるとさらに輝きを増し、光に透かせばゆらめくインクに心を奪われる。

僕の写真でこの輝きが伝わってくれたら、もう感無量でございます。

縞一本一本に個性があり、上品かつ優雅なこのストライプに惚れて僕は購入を決意しました。

好きなデザイン達


・書き味

眺めているだけでも心を満たしてくれるペンですが、書き味にもペリカンの精密さが現れています。

僕が購入したのはEF(極細)です。
スラスラとなめらかな印象で、丁寧で繊細な文字を書くことができます。
軽くて柔らかい書き心地で、紙の上を筆が滑るようです。

個人的に思った点は筆記音が大きいことですね。
ペンポイントと紙の微小な凹凸が触れ合い擦れる低い音が、文字を書いていることを強く感じさせてくれます。

スーべレーンは「書き味」という点で素晴らしい品質を発揮してくれました。


・ニブの太さ

おまけで、僕の持っているパイロットの万年筆のFとMのニブとm400のEFのニブの太さを比較してみました。

ガタガタですみません

上からM400、キャップレス、カスタム74です。
見た感じペリカンのEFとキャップレスのFの太さにはあまり差がないように見えますね。


-欠点-

調べてみるといくつか出てきました。

・軸の膨張

スーべレーン特有の注意点で、胴軸の樹脂は水分を含むと膨張する性質があり、洗浄の際に軸ごと漬け置きをすることはできないので注意が必要です。

・首軸のリングの腐食

吸入の際に首軸を強い酸性のインクに浸すことで、首軸のリングが腐食したり、メッキが剥がれる原因になってしまいます。

ニブを浸せば吸入は可能なので、首軸まで浸さないようにすること、インクが着いてしまった際はすぐに拭き取ること、これらの注意が必要です。

スーベレーン特有の注意点がいくつかあるので、よく覚えて大切に使っていこうと思います。


まとめ

以上、ペリカンのスーベレーン、ホワイトトータスのM400の紹介でした。

長い記事になってしまいましたが、魅力あふれるこのペンの良さが少しでも伝わったことを願うばかりです。

それではここいらで切り上げましょうか。
またね。

いいなと思ったら応援しよう!