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「2021-2022」シーズン振り返り・転校、怪我、そして世界選手権。

おはようございます☀️

最近はNHLのプレーオフがめちゃくちゃ面白い。僕個人的にはコロラドとタンパベイの決勝戦が見たいですがみなさんはいかがでしょうか?

僕はちょうど世界選手権が終わってから一ヶ月が経ちました。色々と整理がついたので今週は昨年度の振り返りをしようかなと。

タイトルにも書いてあるとおり夏の転校から春の世界選手権まで本当に多くの「初めて」がある年でした。ホッケー始めて18年ほど経ちますがまだまだこれからも多くの経験ができるのかなと改めて実感した一年。それでは早速「転校」から↓

Long Island Univ.→Carleton Univ.

[Photo: Marc Lafleur]


当時NCAAのLong Island Univ. (LIU)でシーズンを終えた2021年の三月に予期せぬ知らせを受けました。少し長く複雑な話ですがようはチームからカットされ、転校せざるをえない状況に。

転校先も最初はNCAAを探していましたが上手くいかず、多くの人と話した結果カナダのUSPORTSを目指すことに。オタワに戻れて尚且つ本命の一つであったCarleton大学にオファーをいただき無事転校先が決まったのが5月ごろ。ビザの関係で2014年以来初めて夏を日本で過ごすことに。

首都圏の暑さには本当に参りました。。。

日本で過ごす夏には少し不安もありましたが多くの人と会うことができ、貴重な家族との時間も過ごせた素晴らしい三ヶ月間でした。実は8月に参加した日本代表合宿は自分にとって初めての代表イベント。ほとんど初対面の選手たちばかりでしたがみなさん親切でこれもまた素晴らしい経験でしたね。そこでは福藤選手と17年ぶりの再会。流石に彼は覚えていませんでした笑

福藤選手渡米前の見送り会にて。当時5歳と22歳。
そしていよいよ再会。僕はこの時21歳。
[Photo: Reiji Nagayama]


そしていよいよカナダへ上陸。

シーズンスタート


チームと合流し、秋合宿が早速スタート。チームの雰囲気も素晴らしくてレベルも高く、とにかく毎日リンクへ行くのが楽しかったです。そんな中迎えたプレシーズンマッチ初戦の前夜コーチから電話が:

「転校の関係でまだ試合に出れないことが判明した。最悪今年は試合に出れないかも」

嘘だろ笑

ルール上NCAAからUSPORTSへ転校する場合は一年試合に出れないことは把握していたが、コロナでシーズンがほとんどなかったことなどもありそのルールは掻い潜れていたつもりでしたがまさかこんなことに。

結局リーグに例外扱いしてもらえないか申し出ることに決め、シーズン開幕戦の前日にリーグの代表者ら8人ほどと電話で対談することに。自分がなぜ転校せざるをえないことになり、なぜカナダに戻ってきたか。そしてどうにかプレーさせてくれないかと与えられた十五分ほどの時間でプレゼン。

さすがにかなり緊張しました笑

そして同日夕方五時ごろ。

「明日から試合に出れることになった。明日のベンチに入るかはまだ未定だが準備しとけ」

こんなに安心したこともここ数年であまりなかったような。。。

そして迎えた翌朝、試合に出るかわからずリンクへ行くとメンバー表に僕の背番号「14」が。こんな経緯でその晩USPORTSデビューを果たすことができました。その時の記事がこちらにあるので英語ですが興味ある方は是非読んで見てください🙌↓

https://goravens.ca/news/2021/11/mhky-suzuki-makes-history-in-ravens-debut/

毎日が充実していて楽しくて仕方ありませんでした。そんな中わずか5試合目に僕のシーズンを大きく変える出来事が。

怪我


ホームで迎えたライバルオタワ大学との一戦。試合開始五分ほどでの出来事でした。

パックを敵陣に押し込もうとした時あいにく審判にパックが当たり、急に止まった時に相手に倒され、立ちあがろうとしたらズキンとふくらはぎに激しい痛みが。相手のスティックで叩かれたのかと勘違いし、またもう一歩出そうとすると同じ痛み。その時自分が怪我したのだと確信し、なんとか自分のベンチへ。何かがおかしいことには分かっていたので即チームドクターへ申告。そしてスケートを脱ぐと血が出ていることに気づく。靴下には綺麗に切れ目が入っていて、その先にはアキレス腱が。不安や怒りなど色々なことが頭の中をよぎった瞬間でした。

怪我後のスケート内部の写真。みなさんスケートにはくれぐれも気をつけてください。

ドクターにすぐ病院に行けと言われ、そのまま防具を脱いで近くの病院へ。この時は切り傷が浅そうだからアキレス腱が切れていなければ一ヶ月ほどで戻れると言われ、念の為MRIを撮ることに。一週間後にMRIを撮り、そのさらに一週間後に結果を見に再度病院へ。この時点で怪我から二週間ほど経っていたので自分の頭の中ではあと二週間ほどかなと思っていた頃でした。医者もかなり経験のある方だったので、いいニュースを期待していたところ

「八割ほどアキレス腱が切れていて手術が必要だから明日来れたらきてほしい」

嘘だろパート2。そしてスケートはやはり恐ろしい。

残り二週間ほどと思っていたところまさかの翌日手術。この時はさすがに絶望的でした。そして冬の朝一人で病院へ。これも初めての経験でしたが無事手術を終え、その後一ヶ月間は松葉杖。そしてそこから一ヶ月間は歩行用ギプスで徐々に慣らし、ギプスが外れてから復帰までさらに数週間ほど。カナダの冬の間の松葉杖生活は長かったです笑

幸い大学側のサポートも手厚く、リハビリも順調に。そして驚いたのは案外すぐに滑れたこと。歩くことよりもかなり楽で、ホッケー選手でなければいまだにリハビリ中ですが晴れて2月の中旬に本線復帰。テープでガチガチに固定して、100%ではなかったものの何より氷上に戻れてホッケーができたことは本当に嬉しかったです。

あいにくプレーオフの初戦で負けてしまい、シーズンは三月中旬で終わってしまいましたがなんと世界選手権に呼んでいただけることに。怪我やコロナ、そして戦争で諦めかけていた世界選手権でしたが思いがけず僕のシーズンは延長することに。何せ一年を通して練習量も少なく、呼んでいただいた時は何か報われたような気持ちでした。そして迎えた世界選手権↓

世界選手権

[Photo: Planet of Hockey]


8月以来の再会となった日本代表。何事も初めてで分からないことも多かったですがとてもタメになった経験でした。世界のホッケーのレベルの高さ、日本の選手の熱心さ、そして自分の物足りなさなど多くのことを実感した一ヶ月間。最終戦のポーランド戦を終えた時は日本のホッケーを盛り上げたい、そして将来の子供たちの目標になれるような選手になりたい。そんな気持ちで大会を後にし、今このように発信することの原点ともなりました。

個人的には満足いかないことも多かったですが、パフォーマンスやコーチによる起用など思うようにいかないことがあるのもアスリートとしての一部。怪我もそう。チームスポーツは個々の力を合わせてのものなので選手個人にはコントロールできない要素が満載。レベルが上がれば上がるほどなおさらです。そこでどう与えられた責任を果たし、自分なりの貢献ができるのかを考えることが大切だと信じています。レベルアップするには何が必要で、今の自分には何ができるのか。点を取ることが求められている選手ならそこにこだわる。僕のようにプレー時間が限られていた選手はミスを減らし、しっかり次につなげることに専念する。

アスリートにおいてこのような状況に不満が出ることは自然と思います。常にCompetitorであるアスリートですから、どの状況においてもプレーできないということに満足いくことはありません。逆に満足していたらダメだと思います。だたしチームスポーツにおいて「個」はあくまでもチームの一部であり、チームの全てであることはありえません。ここで話したいのが今回の大会で1試合も出場することのなかった福藤選手。

日本のホッケー界のレジェンドであり、今まで何年も日本に「勝つチャンス」を与えてくれていた絶対的エース。そんな福藤選手はベンチやロッカーの中で常に選手と交流し、どのように自分が貢献できるのかを考慮していたのがとても印象的でした。ベンチで座って見ているのではなく、ドアの開け閉めを担当し、いいプレーをした選手には褒めの言葉を。ミスをした選手には励ましの言葉を。先発していた成澤さんが気持ちよく試合に挑めるようにサポートするなど。このような究極的なプロのメンタリティーを目の当たりにできたのも収穫の一つでした。

チームとしても個人としても悔しい結果となった初めての世界選手権。夏のトレーニングの最高のモチベーションとなった一ヶ月でした。

Carleton大学に世界選手権の記事を書いてもらったのでそれも同じく英語ですがリンクをつけておきます↓

https://goravens.ca/news/2022/05/ravens-suzuki-relentless-in-drive-for-success/


おわりに。


本当に多くのことがあった2021−2022シーズン。周りの方々のサポートなしではとても乗り切れなかったので感謝の気持ちでいっぱいです。

毎年毎年いいことも悪いこともあり、成長の糧となる要素がたくさんあります。アスリートにせよそうでないにせよ、何事も自分のためになることだと信じて自分に起きる出来事をポジティブに捉えることは成長するにあたりとても大切なことだと思っています。

怪我に関しては本当にいいことがないように見え、メンタルに大きな負担をかける原因にもなります。治療やリハビリにおいて当然絶望的なこともありますが、アスリートにはつきものの怪我。2020−2021シーズンでは足首を折り、去年はアキレス腱を断裂。できれば一度も経験したくない怪我ですが、それを乗り越えるにはどのように対応すればいいのか。来週のノートでは僕なりの怪我との向き合い方を話そうと思っています。

色々とネガティブな内容となってしまいましたがいかがでしたか?こんな状況の中でもたくさん成長できた一年。来年がまたさらに楽しみになります!

みなさんも大変なこと、上手くいかないこと多くあるかと思いますが1日1日頑張って乗り切っていきましょう💪

今週も読んでいただきありがとうございました。それではまた良い一週間を〜👋

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