北米アイスホッケー・シーズン始動編
みなさんこんにちは😌
カナダではバイトも終わり、いよいよ来週から公式練習が始まります!チームメイトらも全員オタワに合流し、新たなシーズンの始まりがようやく見えてきた感じです。
今回の記事はタイトル通り、北米アイスホッケーのトレーニングキャンプから開幕戦までの流れを説明していこうかと。
日本と被る点も多いかもしれませんが、北米ならではの特徴ももちろん満載。
記事の終わりの方にはトレーニングキャンプ開始前のメンタルの整理や練習へ取り組む姿勢のことなども書いていくのでアスリートの方々や親御さんはそこもぜひチェックしてみてください!
それでは早速「トレーニングキャンプ」から↓
トレーニングキャンプ
そもそもトレーニングキャンプとは要するにシーズン初めの合宿フェーズのこと。ジュニアホッケー、大学、プロと全てのレベルで存在するトレーニングキャンプ。
まず初めに北米で特徴的なのが「インシーズン」と「オフシーズン」がはっきりしていること。シーズンが終わると多くの選手は地元に帰省し、家族や友達との時間をとても大切にします。選手によっては数週間から1ヶ月ほど完全にオフを取ることも。
オフシーズンは単純にインシーズンに向けての準備期間。自分が何をすれば最高の状態でトレーニングキャンプに入れるかしっかり見つめることが大切。僕の場合この夏はリハビリを進めつつ周りの筋肉を強化し、氷上で苦手とする分野を集中的にレベルアップすることでした。オフシーズンの過ごし方は選手により、毎日のようにトレーニング/氷上練習をする選手もいれば、8月まで氷に乗らないでウェイトや陸トレのみに集中する選手も。
要はいかにトレーニングキャンプでいいパフォーマンスができるようになるかをしっかり考える時間。夏いくら頑張っても怪我をしてしまったり疲れ切ってしまっても意味がなく、逆に準備不足で練習についていけなくても当然❌。選手のみなさんはオフシーズンに限らず、今の自分は何を必要としているのかをじっくり考えてみてください!
そしてこのトレーニングキャンプですが、内容は割とシンプル。インシーズンよりハードな練習が多く、陸上でのテスティングも豊富。基本的には毎日トレーニングと練習。当然授業も入ってきます。大学のトレーニングキャンプはおよそ1ヶ月ほどで、この1ヶ月の間にプレシーズンマッチなども含まれます。練習も初めはバトル系が多く、試合が近づくにつれてシステム系の練習が増えてきたり。
システムはビデオを通してコンセプトの説明を受け、練習で形を作っていきます。これをプレシーズンマッチで試し、修正を重ねて開幕戦に向けて完成させていくのが通常の流れ。選手のコンディションも上げていき、セットの組み合わせも段々と出来上がっていきます。
この1ヶ月がチーム全体として開幕戦に向けての準備となるので、毎日がハードですがその分楽しみとシーズンに向けての期待もあるので最高の雰囲気です。個人的にはこの期間は夏の間からめちゃくちゃ楽しみにしています!
トレーニングキャンプが最後の準備期間ということは説明できたかと思います。ただしキャンプの目的はこれだけではなく、選手やコーチ個人に求められることも豊富にあるので次は:↓
トレーニングキャンプ・コーチの役目
コーチ陣にとっては初めてベテラン選手とルーキー選手を一緒に見る機会。各選手にどの役割を与え、どのようなシステムを使い、どのようにチームを完成させるかが役目となります。
現在僕がプレーしているカールトン大学の特徴の一つがこのコーチングスタッフ。監督のショーンさん (https://www.eliteprospects.com/player/42653/shaun-van-allen) はNHLで800試合ほど出ていて、Mike ModanoやMark Messierなど今となっては伝説的な選手とも共にプレーしていた方。オタワセネターズ史上最高のゴールとも言われているプレーオフオーバータイムでの決勝ゴールをMartin Brodeurから決めていたり。オフアイスでは選手と冗談を交わしたり氷上でもまるで選手の一人のように雑談を混ぜるなどとても元NHL選手とは思えませんが、実はめちゃくちゃすごい人。未だにオタワのレジェンドDaniel Alfredssonとテキストしていたり僕的には考えられない世界です笑
このショーンさんですが、特徴的なのが「今のホッケー」への勉強する姿勢。彼がプレーしていた頃とはアイスホッケーのプレースタイルは当然大きく変化しています。昔ながらのスタイルを好む監督も多い中、彼は新しいスタイルを研究し、僕たちのチームに合うシステムを提案してきます。実はこれ、なかなか珍しいんです。
ビデオセッション中も選手の意見を多く取り入れ、「俺のホッケー」ではなく、「チームのホッケー」に的を置いてくれるのは選手としてとてもありがたいこと。
このように選手の評価をしながらシステムを完成させ、チームを最高の状態に持ってきて開幕戦に挑むことがコーチ陣の役目。選手としては考えなくてもいい点も多いですが、知っていて損する事はない情報かと。
同時に知っておきたいのが選手個人に求められること。チームスポーツ独特のチーム要素と個人要素が混ぜ合っている環境の中、キャンプ期間中選手らに求められていることは↓
トレーニングキャンプ・選手の役目
ベストな状態でキャンプインすることが大切なのは当然ですが、その先にも求められることは多いです。
キャンプに向けての準備はシーズン終了直後から始まります。シーズンが終わると"Exit meeting"という振り返り的なミーティングを各選手とコーチ陣が行います。このミーティングではシーズン中何が良くて、オフの間何を強化しないといけないのかを選手とコーチが話し合い、オフシーズンの取り組み方などもここから始まります。トレーニングキャンプが始まった際、選手各個人に求められているのはこのミーティングで話し合ったこと。フィジカルを強化しないといけないと話し合ったにも関わらず、ウェイトをサボって身体テストのスコアや氷上でのパフォーマンスが落ちているようでは当然コーチの評価も上がりません。
選手としてはチーム内での役割や自分なりの貢献の仕方を探り、開幕戦のロスターポジションを獲得することがキャンプ内での役目となります。点を取ることが求められているのであれば練習からしっかりそこに集中し、フィジカルなプレーが求められているのならばそこに集中する。キルプレーや守りを得意とする選手は練習からシュートブロックをしたり、試合での価値があることを証明する場。みんながみんなパワープレーに出ることもなく、アイスタイムも平等とはなりません。ただし選手一人一人が役割をしっかりと把握し、その役目に専念することでチームは完成します。
この事情を把握するだけでも取り組む姿勢は変わるのではないかと。もちろんトレーニングキャンプに限らずシーズン中の練習も同じことです。ただしキャンプの特徴は選手の評価がある程度平等な状態でスタートすること。当然ベテラン選手はルーキーと違う立ち位置ですが、一年を通して一番スタートラインが平等に近いことは間違いありません。このチャンスを物にするかしないかは選手次第。
毎日が楽しい中、緊迫した環境でもあります。プレッシャーも多く、考えすぎると逆にパフォーマンスが落ちてしまうことも。そんなトレーニングキャンプにはどのような心境で挑めばいいのか。
僕なりの考え方ではありますが、アスリートや親御さんに少しでも目を通してみてもらいたいのが↓
キャンプインする際のメンタリティー
キャンプインに限らず、緊迫の場において僕の心の整理の仕方を少しシェアします。
大切なものを得るというのは簡単ではありませんよね。その分プレッシャーも多く、自信をなくして自分を見失うことも。僕もホッケーキャリアの中でこんなことは多々ありました。
ただし自分がコントロールできるのは自分のみ。プレーもメンタルも。
キャンプイン前は多くのことを考えがちですが、僕はとにかく
「自分が今ここにいるのにはワケがある」
「オフの間やれることをやったからインシーズンの結果と向き合える」
この二つを頭に入れておきます。
一つ目はなぜ自分がこの場にいるのかをもう一度見直すこと。アスリートの場合は過去のプレーを評価され、リクルートされた上でロスターの位置を得ます。ルーレットを回してたまたまカールトン大学に至ったわけではないということです。選手個人が何を求められているかは別にせよ、何らかの理由でチームの一員であることは間違いありません。数多くの候補選手がいる中自分を選んでくれたというのは自信を持っていいことです!まぐれでキャンプまで辿り着いたわけではないので、自信を持って自分なりのプレーに専念することを第一に考えるのは大切かなと。
二つ目はオフシーズンの取り組み方にもつながります。怪我やコロナなどどうしようもないことは仕方ありません。ただし自分が自分に振り込んだ努力の量が嘘をつく事はない。僕的には後悔をすることが一番避けたいことで、このようなメンタリティーを持つと必ず後悔しないようにオフシーズンの間自分と向き合えるように思えます。キャンプが始まる際、やり残した事はないからやれることをやって結果と向き合おう。このように考えるとプレッシャーやコーチからの求めにも対応できるのかなと思っています。
おわりに
今日も読んでいただきありがとうございました。
北米アイスホッケートレーニングキャンプ編いかがでしたか?今投稿してから数日後には練習が始まっているので楽しみで仕方ありません!
みなさんもどのようにパフォーマンスに向けて準備するのか僕にシェアしてみてください🫡
それでは僕は授業とシーズンが始まる前最後の週末を楽しんできます🤠
みなさんも良い週末を〜👋
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