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飛車角おにごっこの教え方 その2

前回からの続き。

飛角おにごっこに慣れて、龍で待ち伏せすることと、端に追い詰めていく方法がわかり、王を必ず捕まえられるようになったら次のステップへ。
本当は短手数で捕まえる(20手未満で詰ますくらい)の目標を立ててクリアするのかせ良いけれど、同じことを繰り返すと疲れたり飽きちゃう可能性も高い。テンポよくいきたい。

レベル2のおにごっこでは、歩の説明をして(「歩」は一歩ずあるく、と教えればいいからカンタン)王側の仲間にいれる。なるべくたくさん対局させたいので、と金の動き方の説明はここでは省略していい。

この時に上手側(王側)から指すことを教える。この形で飛車角側から指して22飛成ってされたら歩の意味がなくなっちゃうので。

52玉または62玉として、その次に63玉と逃げ出す。
歩を盾にして逃げる王に対して、要領が良い人はきちんと上部脱出を防ぎつつ王でなく歩を狙って先に外してくる。

王手をかけたり、詰まそうとするのではなく、先に邪魔なものを除けようと考えるのは寄せにおいてとても大事。何事も狙いと、準備が必要。

これもクリアしたら次はこちら。ちょっとレベルアップ。

実は歩1枚バージョンと、この歩3枚バージョンで攻略に必要なことはほとんど変わらない。待ち伏せして、歩を外して、そのあとは龍と馬での協力。
見た目にレベルアップした感があるのが重要。

強いていうなら上手の選択肢が多くなるだけ…。と、書いていて、また気がつく。それも大事なことかもしれない。
相手の動きについて、最初は王の行き先だけ考える。次に王と歩の動きを読む必要がある。歩3枚になると、どの歩を動かしてくるのか考えるので相手の手を読むことを少しずつ学べる気がする。
駒を取る楽しさも味わえるし。いままで軽視してたけど、これも教え方次第で意味がつけられるかも。
ある程度知識がある場合「歩を打っても良いですか?」となるけれど、打つ必要がないので、使わないことにする。取った駒は駒台にきれいに置く。

さらに次はこちら。
※ちなみに歩5枚のバージョンは玉の逃げ道をつくる余裕がなく、22飛成で即死である。

上手の歩が全部そろった。いわゆる10枚落ちの上手の形。
ここではじめて上手は42玉として角成を防ぎにいく。
まずひとつ目のハードルはここで33角成としたら取られることに気がつくかどうか。
2手目23飛成に3手目54歩。
4手目、今度は33角成とできることに気がつくかどうか。ここが急所。
後はここまでクリアしてきていれば大丈夫なはず。

さて、いよいよ鬼ごっこ最終編。こちら。

下手にも歩が入る。
たいていは、歩が飛角の道を塞いでいることに気がつく。
すると指導者が教えなくても、理屈を理解(もしくは体感)して、
76歩もしくは26歩と指す。

これが目的といっても過言ではない。詰め込みではない、体験型の理解。

せっかく76歩と指したのに、そのあと66歩と指してしまったり、26歩のあとに27飛としてしまったり、いろいろある。大人相手にはそれが回り道であることを言葉で説明してもよい。こども相手なら手数を短くするチャレンジをする。(リアルの盤駒でやるとカウントが若干面倒なのが課題)
初回に50手かかったら、次は4手以上短くするなど。ゆるめにやるなら40手台、きびしめにやるなら30手台で勝てるようになったら卒業。

幸いにして「ぴよ将棋」でこの対局ができる。
指導者がずっと相手をしなくても、自主練が可能だし、指し手にアドバイスルしてあげることが可能になった。

教えるために本当は、指導者が自ら相対するよりも横から応援してあげるほう良いのだ。

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