【セルフインタビューVol.05】娘さんの高校生活はいかがですか?
娘の高校留学をきっかけに、2023年2月からnoteをはじめました。50歳からの初海外移住(メルボルン)のあれこれを毎週金曜日に更新しています。
2023年より毎週月曜日は、自分自身を俯瞰で見るために“セルフインタビュー”としてスピンオフ記事をお届けします。
ーー 今回は娘さんのお話を伺います。半年が経ち、高校生活はいかがですか?
夏目 今は春休み真っ最中で、ほぼ毎日、友だちと遊んでいます。今日はビーチに行くといってでかけました。
―― オーストラリアは日本と季節が真逆ですからね。
夏目 もうすぐ桜が咲くみたいですよ。来週、娘と一緒に花見にでも行こうと思っています。
―― 娘さんとは仲がいいんですね。
夏目 そうですね、二人で暮らしていてもケンカするようなことはほとんどないかも。
―― ほとんどないということは、何回かはあったということですか?
夏目 えっと、2回ありましたね。ケンカというより、きつく注意しました。
―― もし差し支えなければ、教えていただけますか?
夏目 1度目は移住して1カ月も経たない頃だったんですが、ごめんなさい、注意した内容を忘れてしまいました。というのも、移住して2カ月ぐらいはホントに私に余裕がなさ過ぎて、思い出そうとしてもいろいろ記憶が断片的になっています。正直なところ、娘のことよりも、生活を安定させることに必死でしたから。注意した内容も些細なことだったように思います。
↑今思えば、この時のメンタルも様子がおかしいかも……。
―― 初めての海外移住ですからね。夏目さんは引っ越しのやりとりで相当苦戦されたと聞きました。
夏目 あー、もう思い出したくもない。不安すぎて眠れないし、日本にいる夢を見た時は、“追い詰められてるな、あたし”って、しみじみ。もしかしたら、八つ当たりしてしまっただけかも知れません……。
【放課後、毎日遊んで帰ってきてブチ切れる】
―― 2回目の内容は覚えていますか?
夏目 それははっきり覚えていますよ。学校が始まって3カ月ぐらい経ったころでしょうか、友だちがたくさんできたことで、放課後に遊びにいくようになったんですよね。高校生ですから、それはいいんですよ。でも、毎日遊んで帰ってきて、夕ご飯も食べなくなりました。
―― 何時ごろ帰ってくるんですか?
夏目 20時前後でしょうか。学校は16時30分に終わるので、それから学校近くのファストフードに行ったり、トラムに乗ってシティに出かけたりしているようでした。7月だったので、17時には日が暮れるので、20時なんて真っ暗。日本なら制服のまま歩いていても違和感ありませんが、私が住んでいるエリアでは、そんな時間になかなか見ない光景です。
―― なるほど。しかも、16歳の女のコですからね、心配される気持ちはわかります。
夏目 昼間は問題ないんですけど、夜になると人の気配がありません。大人の私でさえも、夜ひとりで歩くのは危ないなって思ってしまいますから。それで、まず放課後に毎日遊んで帰ることを注意しました。それと、そもそもの勉強に身が入っていないのが明らかでしたから、そこも言いました。
―― 娘さんはどんな反応をされましたか?
夏目 “門限を決めよう”と提案されました。その時はとくに決めていなかったので、夫にもオンラインで参加してもらって3人で話し合い、平日は19時、休日は20時ということになり、基本的に平日の夕食は自宅で食べることを約束しました。
【もしかして本業を見失っている⁈ またまたブチ切れる】
ーー勉強に身が入っていないとはどういうことでしょうか?
夏目 自宅で予習・復習をまったくしないんすよ、まったく。本人は“学校で宿題を終わらせているから問題ない”と言っていますが、私は疑問だらけ。3学期からメインストリーム(本授業)に入っていまして、他の生徒と同じようにすべて英語で授業を受けています。4月まで日本にいた娘がローカルと同じ英語環境の中で授業についていけるとは到底思えません。なのに、自宅に戻ると友だちとチャットをしたり、長電話をしているだけ。楽しいでしょうが、それが高校留学の目的・目標だったのか、ということです。
―― でも、高校一年生ですから、友だちと遊びたい気持ちもあると思いますが……。
夏目 もちろん、それはわかりますよ。遊ぶな、電話をするなとはひと言もいいません。私は、“自分が何のために留学をしたのか”、“どんな目的・目標があってここにいるのか”ということを自覚してほしいだけです。娘が留学を志したのは、小学4年生です。本人が行きたいと言って、コツコツと努力をした結果、今があります。私は、いちばんそばで彼女のがんばりをみてきましたから、よくわかります。
―― 今はそのがんばりを感じられないということですか?
夏目 目の前にある楽しいことに夢中になっているように思います。それと、高校留学をするという目標を達成したことで、自分を少なからず見失っているかも。でも、それでは次の扉を開くことはできません。詳しいことは言えませんが、娘は将来やりたいことを明確に持っています。そのために今自分がやるべきことをやる。これは、もう私が昔のようにサポートすることではなく、本人が計画を立てて、行動しないと扉は開かない。そのことに本人が気づくしかないですからね。
―― 娘さん、気づくと思いますか?
きっと、もう気づいていますよ、このままじゃまずい、流されてしまうって。だって、自分が行きたいと言って、努力をして掴んだ高校留学ですし、この3年間で自分が何をすべきかをシミュレーションした上でここに来ていますから。
ーー 夏目さんは、娘さんにどんな将来像を持っていますか?
いい大学に入ってほしいとか、いい企業に入ってほしいとか、そんなことは1ミリも思っていません。そういう時代でもないし、そもそも私自身が有名大学を卒業していませんし、大手企業に勤めたことなんて一度もありませんから。ただ、自分の目標に向かって努力できる、行動できる人間になってほしい、それだけです。それを真剣にできれば、次の扉は必ず開きます。私は、娘を心から信頼していますし、幸せになって欲しいと願っています。
↑小学館『美的GRAND』で母娘美容の連載がスタートしました。海外生活での美容話を娘を軸にお伝えしています。