【セルフインタビューVol.24】心の疲れ、とれましたか?
娘の高校留学をきっかけに、2023年2月からnoteをはじめました。50歳からの初海外移住(メルボルン)のあれこれを毎週金曜日に更新しています。2023年8月より不定期として、自分自身を俯瞰で見るために“セルフインタビュー”として、スピンオフ記事をお届けします。
🔷羽田空港で食べた吉野家の牛丼が忘れられない
―― 昨日のnoteを読みました。夏目さん、一時帰国されていたんですね。
夏目 そうなんです。夫の母が他界しまして4月13日にメルボルンを発ち、24日に帰国しました。ほとんど主人の実家がある山口県・萩にいましたから、東京の自宅は数日いただけです。
―― 「疲れがなかなかとれない」と書いてありましたが、体調はいかがですか。
夏目 お気遣い、ありがとうございます。noteを読んでくださっている方からも私の体調を心配してくれるメッセージをいただいて、沁みました……。“あー、ひとりじゃないんだな”って、メルボルンの小さなアパートで二人暮らししていると、どうしようもなく日本が恋しくなることがあるんですよ。突然の一時帰国でしたし、すぐにメルボルンに戻ってきたのもあって、余計、日本に後ろ髪をひかれました。
―― 海外で暮らすと、日本(母国)の良さがわかるっていいます。
夏目 何でしょうね、あの感じ。ものすごくほっとするんですよ。羽田空港に午前中到着して、真っ先に向かったのは吉野家。そこで、私は牛丼の並と豚汁、娘は鮭の朝定食を食べました。ふたりして“おいしいね、おいしいね。やっぱ、吉野家だわー”なんて言いながら、一粒残らず食べましたよ。
―― 夏目さん、吉野家ファンだったんですか?
夏目 いやいや、そうでもないんですよ。なぜか、羽田空港の第三ターミナル奥にある吉野家が好きなだけです。羽田空港以外ではほとんど食べないです。でもね、なぜか、私も娘も自然に吉野家に足が向かってしまうんです。
🔷人生初のたけのこ掘りで、あったかい気持ちになる
―― 萩では少しのんびりできましたか?
夏目 2日間ほどゆっくりできました。主人の実家は、萩の中心地から車で20分ぐらい離れた緑と山に囲まれたとても美しい場所にあります。しかも築200年という古民家なので、タイムスリップしたようです。ちょうど裏山にたけのこがにょきにょき生えていまして、主人と私、娘の3人で100本ぐらい収穫しました。慣れないくわを使って、たけのこを無心に掘り、庭で薪をたいてその場で茹でました。私、何度となく萩に帰省していますが、たいてい盆と正月だったので、はじめての体験でした。娘も張り切って手伝ってくれましたよ。晩ごはんは、たけのこごはん、チンジャオロース、たけのことわかめの酢の物など、たくさん作りましたね。
―― それは、いい思い出になりましたね。
夏目 今月でちょうどメルボルンに住んで1年になり、この節目ですごく日本らしいことを家族でできたことは良かったなって思っています。きっと、亡くなった母からのギフトだったんでしょうね。とてもやさしい方でしたから、天国で私たちを見守ってくれていると思います。
―― きっと、夏目さんの疲れがとれないのは、日本への恋しさがあるのかも知れませんね。
夏目 たぶん、そう思います。ですが、メルボルンの生活も楽しいことがたくさんありますし、新しい経験、出会いもあります。海外で二人暮らしをする時間は私にとっても娘にとっても、とても特別なことだというのはわかっていますから、“今”を大切にしたいです。
🔷セルフインタビューで、心の疲れがとれていく
―― そうですね。メルボルンでの暮らしを満喫しないと!
夏目 今日、2週間ぶりにボランティア活動しているOP SHOP(非営利団体、Sacred Heart Missionが行うセカンドハンドのお店)で仕事したんですが、スタッフのみんながすごくあたたかい言葉をかけてくれて、涙でそうになりました。移住した1年前は、ひとりも知り合いがいなかったのに、“MADOKA、大丈夫だったか”、“MADOKA、ちゃんとお別れはできたのか”、“MADOKA、日本にいる家族に変わりはないか”なんて、私を気遣ってくれて……。ショップマネージャーのピーターは、“MADOKAの大好きなアーモンドラテをオーダーしよう”って、近所のカフェでテイクアウトしてくれました。
―― ステキなスタッフに囲まれていますね。
夏目 ですね。ボランティア活動をはじめてもうすぐ9カ月になります。こんなにあたたかい人たちに囲まれている私は幸せ者ですよ。こうしてセルフインタビューをしていたら、昨日まで感じていた疲れがだいぶとれました。“話を聞いてもらう”ことって、こんなに気持ちを軽くさせるものなんですね。改めてセルフインタビューの良さを実感しています。
―― 表情がいつもの夏目さんに戻って、よかったです。
夏目 ありがとうございます。これからも1日、1日を大切に過ごします。