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なくしモノから得た、50才からの伸びしろ

どこいった?家の鍵

ない、ない、ない、ない、鍵がない!

先週、日本からメルボルンに戻り、今日からひと月半ぶりに英会話のレッスンがはじまります。4時間びっちり授業を受け、久しぶりに英語のシャワーを浴びたせいでしょうか、脳がかなり疲れていました。トラムを使えば15分で家に着きますが、年末年始の日本滞在で運動不足だったこともあり、40分かけて歩いて帰りました。
途中、晩ご飯の材料を買うためにスーパーに立ち寄り、ようやくアパートの前に到着。大きなトートバッグの内ポケットに手を入れると、アパートの鍵がないのです。ただ、家に娘がいたので部屋には入れました、不幸中の幸いです。

年のせい? このところなくしモノが多い

「ねえ、ねえ、家の鍵を見なかった?」
明日から始まる学校の宿題をリビングでしている娘に尋ねると、
「いつものとこにないの? っていうか、持っていったんじゃないの?」
「う、うん。持っていったつもりなんだけど、バッグの中に入ってないのよ。どこかで落としたのかな……」
「うちは鍵がひとつしかないんだから、なくしたら困るよ。にしても、最近、よくモノをなくすよね」
娘の指摘通り、私は昨年末からいろいろなくしています。
・買ったばかりのパソコンのタッチペン
・パソコンのマウス
・変換プラグ
いずれも先月の一時帰国でなくしました。

スペアキーもない、明日からどうする?

じつは、家の鍵、ひとつしかないんです。二人暮らしなら二つあると思うかもしれませんが、アパートは1LDKなので、契約するときに家の鍵、アパートのゲートを開ける際に使うカードキー、それとポストの鍵を各ひとつずつでした。娘の分ももらうことも可能でしたが、スペアのカードキーを作るのに300ドル(約3万円)かかるというので辞めました。それに、娘が学校から帰ってくる頃には私はほとんど家にいますから。不便を感じることはなくもないのですが、何とかなっていました。

記憶を辿って、捜索開始!

モノをなくしたとき、みなさんはどうされますか? 私は、とことん記憶をたどります。今回、いちばんの焦点は朝、出かける際に鍵を持っていったかどうか、です。鍵は玄関ドアのすぐ横にある洗濯機にある小さな小物入れに置いてあり、私はそこから取り出して家を出た記憶が鮮明にありました。

さらに記憶を整理すると、鍵をなくした可能性がある場所はふたつに絞られました。朝、途中で立ち寄ったカフェ、もしくは英会話の教室のいずれかです。理由は、バッグを開いた場所はそこ以外にないのです。私はすぐに、英会話クラスの受付に電話をしました。
「もしもし、MADOKAです。今日、英会話の授業を受けたんですが、教室に鍵の忘れ物がありませんでしたか?」
「ちょっと待ってて、すぐに探してくるから」
待っている間、”どうか、ありますように”と心の中で何度も何度も念じていましたが、「探したけど、何もなかったわ」と残念な返事でした。
ひとつしかない鍵。私は明日から外出ができません。
鍵の行方を考えながらも、直近で3つもなくしモノをした自分に腹がたってきました。ひとつならまだしも、3つ。しかも、なくしては最もいけない家の鍵が、ない。

急げ、なじみのカフェを捜索だ!

今朝立ち寄ったカフェ、じつは週に2回は通っているのでやや顔なじみでマスターの名前も知っている間柄です。
電話しようかと思いましたが、心を落ち着かせるためにも歩いて店に行くことにしました。しかし、すでにこのとき14時30分を過ぎていて、閉店している可能性がかなり高い……。メルボルンは朝早くに営業して、ほとんどの店は15時には閉まります。私は急ぎ足で向かいました。
店の入り口にあるプレートは“CLOSED”になっていて、店内をのぞくと椅子がテーブルの上にあがっています。でも、奥にあるキッチンの灯りがついていたので、私はドアを数回ノックしました。すると、店の奥からオーナーのANDYがやってきました。
「あの、家の鍵をなくしたみたいなんですけど、ありませんでしたか?」
すると、彼はレジのほうに向かって歩いていきました。
「もしかして、コレのことかい?」
「わっ、それそれそれ! 私の鍵です」
「MADOKAが座っていたカウンターにあったよ。鍵についていたスイミングクラブのカードに電話をして事情を話して、ID番号からMADOKAの電話番号を教えてもらったんだ。僕からのテキストメッセージ、見なかったかい?」
急いでメッセージを開くと、ANDYからでした。
「Hi, it’s Andy from ・・・- I think you left gym fob and keys behind.」
テキストの最後には、泣きべそをかいている可愛いアイコンがついていました。
「Thank you so much. I really appreciate for your help. See you next week!」私は嬉しすぎてハグしようと一瞬思いましたが、何となく恥ずかしくなり、にっこり笑って店をでました。

まさしく、『雨降って、地固まる』

今日はとんでもないドタバタな1日でしたが、今こうしてnoteを書いていて気づいたことがあります。
「もしかして、私、少し英語が伸びているんじゃないか?」

メルボルンに移住して1年10か月が経ち、あんなに英語で電話するのが苦手だったのに、何とか意思疎通できるようになりました。そして、しっかり自分の気持ちを心から伝えて、お礼を言えるようにもなりました。
もう鍵をなくさないように気を付けますが、英語が少しできるようなった自分を誇らしく思えました。
もう4回目がありませんように…。

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