見出し画像

【メルボルンの悲劇④】bad luck で終わる、オーストラリアの配達事情

娘の高校留学を機に2023年4月、メルボルンに移住しました。高校卒業までの期間限定の海外暮らし、残り402日のあれこれをnoteに綴ります。


どうも様子がおかしいオーストラリアの配達事情

先月のことです。

オーストラリアのある化粧品をブランドの公式サイトからネット注文しました。クレジットカードで料金を支払うとすぐにメールで自動メッセージが届きました。
「このたびは、お買い上げありがとうございます。すぐに発送準備をしますから、1週間以内にご自宅に到着します」

その化粧品は8月にシドニーで開催された国内最大級のビューティ展示会『Australia Beauty Expo』で見つけたボディ用のスクラブです。スモールビジネスで展開しているので店舗での販売はなく、ネットでしか買えません。

展示会でひとつ購入したところ、私のかかとやひざがつるんつるんになり、気にしていた娘の背中ニキビもほぼ解消するという、まさにミラクルなアイテム。職業柄いろいろスクラブを使っていますが、こんなに嬉しい結果がでるのはなかなかありません。しばらくリピートしたかったので、2つ購入しました。

どした?10日経っても届かない

オーストラリアの宅配事情は、日本のそれと比べてはいけません。日本から2週間で届く荷物が3週間かかることもままありますし、韓国から届く化粧品も予定日よりだいぶ遅れたこともありました。

荷物はアパートのエントランスを入った左手にある郵便ポスト付近にどさどさ置かれる(投げられる)ので、気にしていましたが10日ほど経っても一向に届きません。しかしここはオーストラリア、メルボルンのお隣のNSW州からやってくるのですから、焦らず待つことにしました。

それから5日ほど経っても届かないので、さすがにおかしいと思いメーカーに問い合わせようと思ってメールをチェックしていると、私がオーダーした5日後に配送完了メールが届いていました。

「お客様の荷物は、発送が完了しています。ありがとうございました」

どこいった? 私の荷物

ウソだろ、届いてないし……。
値段は言いませんが、決して安いものではありません。しかも、2個もオーダーしています、私。

すぐにメーカーのinfo@~からはじまるお問い合わせセンターにメールをしました。

「先日、ボディスクラブをオーダーしたMADOKAです。商品の発送完了メールが届いていますが、受け取っていません。どこに荷物を置きましたか?」

私のアパートは、入口のドアがオートロックで施錠されるのでカギを持っている住人、もしくは部屋からゲートを開けなければ入れません。郵便ポストはゲートの中にあり、配達員の方は何らかの方法でゲートを入ったことになります(おそらく住人と一緒に入ったのでしょう)。

翌日、メーカーからメールで連絡がありました。

「では、配送会社から直接連絡をするように伝えます。3~5日ほどお待ちください」

配達員は完璧な仕事をしていた……

配送会社は「sendle」。メールで荷物の追跡確認ができ、確かに荷物の配送は化粧品会社が言っていた同じ日に完了していました。

うーむ、どこで私の荷物は見失ってしまったのだろうか……。

もしかしたら荷物は郵便ポスト付近ではなく、ゲートの外に置かれたのかも知れません。となると、誰かに持っていかれた可能性があります。私のアパートはビーチが近いご機嫌なエリアにありますが、決して治安がいい場所ではありません。

このままうやむやにするワケにもいかないので、sendleにチャットで問い合わせました。

「配達は完了しているとありますが、荷物はどこに置きましたか? ゲートの中にある郵便ポスト付近でしょうか?」

1分もしないうちに、1枚の写真が送られてきました。
配達員の方が片手で製品を持ち、化粧品会社のラベルがはっきりわかるように撮影しています。しかも、その背景は郵便ポスト。間違いなく私のそれは、ポスト付近に置いていました。
「もしかしたら他の住人が誤って荷物を持っていってしまった可能性があります。アパートの管理人に問い合わせてみてください」

管理会社から送りつけらた決定的ないビデオと証拠写真

私のアパートはメルボルンでは比較的大きく、60世帯ぐらい住んでいます。いつも2、3個の荷物はポストの下に転がっていますが、部屋番号も名前も違う荷物をわざわざ持っていくものでしょうか?

配送会社のアドバイス通り、アパートの管理人にメッセージを送りました。

「先月末にオーダーした化粧品の荷物が届きません。配送業者に確認したところ、郵便ポストに確かに置いていました」

テキストと一緒に証拠写真も送ると「郵便ポストには監視カメラがついているからすぐに確認できます。何時に配達を完了していますか?」とすぐに返信がありました。

配送記録をすぐに確認し、正確な時間をメッセージしました。
10分も経たないうちに1通のビデオと3枚の写真が送られ、そこに衝撃的な事実が判明……。

私の荷物はひとりの女性によって、盗まれていたのです。

その女性は何らかの方法でゲートに入り、郵便ポスト付近に侵入、二つ転がっている荷物のうち、私の荷物だけを小脇に抱えて急ぐことなく、そのまま持ち帰っていました。モニターの右上にある時間を確認してみると、配達員の方が荷物を届けてくれた時間から10分も経っていませんでした。もはや負け戦なのはわかっていましたが、管理人にこうメッセージを送ってみました。

「Oh no......, What should I do?」
「どうしよう…、最悪だよ。私はどうすればいいわけ?」

「Seriously, nothing. It is just bad luck」
「しょうがない、それはただの不運なだけだよ」

そんな、そんな、”bad luck“で済まさないでくれよ……。

「I put notices in the lift when this happened warning residents」
「今回のことは、エレベーターの前にある掲示板に貼っておくから」

「OK……, This is bad luck for me」

“bad  luck“。この英語、しばらく頭から離れません。

荷物が届かないのもショックですが、あのボディスクラブもどうやって入手すればいいのか途方に暮れています。

日本のクロネコ、佐川急便のありがたさをこれほど感じたことはありません。

最後に言わせてください。

「悔しいーっ、化粧品を返してくれー!」


↓「楽しく書く」、「読み手に伝わる文章を組み立てる」ことを目的にした文章講座を開いています。ぜひご一緒にいかがですか?

いいなと思ったら応援しよう!