【メルボルンの悲劇④】クレーム事件で気づく、私の英語力が知らぬ間に伸びていた事実
メルボルンに移住して5カ月と4週が過ぎました。4月に購入したヘアアイロンが壊れてしまい、メーカーに交換を依頼しましたが、コレがかなりとんでもない事態に……。日本では考えられないほどやっかいな作業でした。
購入から3ヶ月でまさかの高額ヘアアイロンが壊れる
4月。娘が使うストレートアイロンを購入しました。高機能だったため、なかなかの金額でしたが”髪がツヤツヤになる”と娘は喜んで毎日使っていました。しかし、7月に突然パネルが熱くならない事態に……。水に濡らしてもいないし、落としてもいないのに、どした?
1年間の保証がありましたから、さっそく購入したお店に相談に行きました。
「4月に買ったばかりなのに、パネルが熱くならないんです。修理をお願いできますか」
レジにいた男性に本品とレシートを見せると、
「店に持ってきても修理できませんよ。カスタマーセンターに電話して手続きしてください。ここのメーカーはしっかりしてますから、新しい製品にすぐ交換してくれますよ」
なるほど、なるほど。店頭に行っても対応しないんですね、ここでひとつ勉強になりました。店員さんは、カスタマーセンターの電話番号を書いたメモを渡してくれました。
一向に繋がらない、カスタマーサービスにうんざり
ここからがよくない状況のはじまりです。自宅に戻り、カスタマーセンターに電話をかけましたが、なかなかつながりません。10回はかけたと思いますが、“ただいま、他のお客様の電話対応中です…”のアナウンスが続き、“またおかけ直しください”と言って一方的に切られてしまいます。はぁ、こういうの、私はホントに苦手なタイプ。
次の日。今度は午前中にかけてみました。3回ぐらいかけ直したら、ようやく担当者につながりました。
「もしもし。4月にヘアアイロンを購入したんですけど、パネルが熱くならないです。修理をお願いしたいんですけど、どうすればいいですか?」
「承知しました。では、お名前とメールアドレスを教えてください。手続きはすべてメールになります」
担当者に詳細を伝えると、すぐに電話を切られてしまいました。
日本とはまったく異なる返品システムにまたうんざり
数日経ってもメールは一向に届きません。もしかして、私の発音のせい?! と疑りましたが、先方もアドレスを復唱してくれたので間違っていないはず。またカスタマーセンターに電話するのは面倒なので、今度はお問合せメールに連絡することにしました。
“先日電話したんですけど、連絡がきません。ヘアアイロンが壊れたので修理をお願いします”という内容のメッセージを送りました。
それから数日が経ち、ようやく1通のメールが到着しました。
“お問い合わせありがとうございます。お客様の購入したヘアアイロンの製品番号、購入先、レシートを添付してご返信ください”
私はすぐに返信しました。
それから1週間ほど経過した頃、メールが届きました。
“確認できました。では、以下の手順に沿って製品を返却ください。新しい製品をお送りします”
この段階ですでに私はちょっとイライラモード。というのも、やはり日本と比べると対応がとても遅い。しかも、返却方法がかなり面倒でした。
【返却方法】
①返却理由・送付先などの詳細をメールで記入。
②壊れたヘアアイロンを梱包する。
③郵便局で手続きをして、メーカーに送る。
①のメールで記入するのもいちいち細かくて面倒でしたが、郵便局での作業にてこずりました。①の手続きをするとメーカーから専用のQRコードがメールで送られてきまして、これを郵便局に提示すると返送できるのですが、局員さんとのやりとりになぜか時間がかかったのです。ヘアアイロンひとつ返送するだけなのに、こんなに煩雑な手続きをしなくてはなりません。はぁ、やっぱりしんどい。この段階でアイロンが壊れてから3週間ぐらいは経っていたと思います。
返品して1ヶ月が経ってもまったく届かない状況にうんざり
状況から見ておそらく製品到着に時間かかるだろうと覚悟してましたが、1カ月経ってもまったく届く気配がしません。もはや返送品が届いているのかさえも心配になり、また、お問い合わせメールに連絡しました。
“1カ月前に故障した製品を返送していますが、新しい製品が届きません。いつ届きますか? ご連絡ください”
予想通りメーカーからの連絡はありません。同じ文面を2、3回ほど送信したら、ようやく1通の返信がきました。
“お待たせして申し訳ございません。返品した製品番号をお知らせください。至急確認いたします”
何か、ものすごく嫌な予感がしました。“何も作業が進んでいない……?” 何度かやりとりしているのに、メーカーはまったく状況をわかっていないのです。もう、イライラを通り越して、半ばあきらめモードになっていましたが、決して安いものではありませんし、壊れたとは言え、仕上がりにはとても満足していましたから。
いよいよ最終手段。電話して白黒はっきりさせてやる
さらに1週間が過ぎても音沙汰なし。気づけばアイロンが壊れてもう2カ月以上が経過してしまいました。春休み中の娘も再来週にはヘアアイロンを使いたいと言っているので、もう次なる一手に出るしかありません。
“よし、電話しよう”
繋がらないカスタマーセンターに電話をすると、 “現在、繋がりにくい状況です。折り返しお電話が必要な場合は○○を押してください”と自動メッセージがあり、私はリクエストをしました。1時間ぐらい経ったころでしょうか、見慣れない番号から着信が!
「こちらは、○○○です。お電話いただきましたが、いかがしましたか?」
「はい。1カ月以上前に故障した製品をお送りしています。新しい製品がまったく届きませんが、いつ届きますか?」
「お調べしますから、お名前とメールアドレスを教えてください」
電話が苦手な私ですが、もうそんなことは言っていられません。とにかく、このよくない状況を一刻も早く終結するには、私が動かないと!
すると、担当者はものすごい早さで話してきました。
「ちょっちょっ、ちょっと待ってください。あなたの英語が早すぎて私、ぜんぜん聞き取れませんから。もっとゆっくり話してくれませんか?」
「失礼いたしました。お客様とのやりとりを調べますので、当社とメールでやりとりした際にお伝えしている番号を教えてください」
それでも担当者は早口でしたが、何となく言っていることがわかったので、その番号を伝えました。
「状況が確認できました、お待たせして申し訳ありません。今からすぐに対応しますので、3~5営業日の間にお送りします」
“えっ⁈ 今からってどういうこと? もしかして1ヶ月寝かしてた?“ 私、心の中で日本語でつぶやきました……。
↓度重なるトラブルに見舞われた移住当初の記事です。
移住して気づいたのですが、オーストラリアはこの“3~5営業日”という期間がどうやら好きみたいです。引っ越しの際にもいろいろトラブルに見舞われたんですが、どこの会社もこの期間を言ってました。私は、もう不信感しかなかったので、担当者に念押しの気持ちを込めて、
「つまり、9月25日~28日の間に自宅に届くということであっていますよね? それと、今お話ししたことをメールでいただけますか。確認しますから」
「はい、承知いたしました。のちほどメールをお送りいたします」
電話を切り、30分もしないうちにメールが届きました。
英語でクレームを言えた自分をまずは褒めたい
4月の引っ越し以来のトラブルでしたが、私、ひとつ気づいたことがあります。
“あれっ、もしかして私の英語力、伸びてる⁈”
そうなんです、気づいちゃったんです。あんなに苦手としていた英語での電話もクリアしましたし、クレームもできるようになりました。スムーズなやりとりとは言えないですし、うまく聞き取れなくて想像で話すとこもありましたが、何とか着地できました。何よりも、英語で話すというハードルが低くなったことは間違いありません。半年前は、“文法を間違えないようにしよう”とビビっていたのですが、今は、“とりあえず何でもいいから、話してみよう”、“聞き取れなかったら、もう一度言ってもらおう”、“伝わらなかったら、別の表現で言ってみよう”というかなりラフな気持ちで英語と向き合うようになりました。だって今の私は、相手に伝わればそれでよし、ですから。
これは、私にとって大きな成長です。もうクレームの電話はかけたくありませんが、思わぬところで発見がありました。前向きに考えれば、頭くることだってプラスにできちゃう。よし、このまま英語力をどんどんつけていきますよ。