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クリーン活動をしながら英語を学び、心の琴線に触れる
メルボルンのサステナブルや環境活動についての記事を書くため、ネットでいろいろ検索していたら、あるコミュニティグループのサイトをみつけました。
『来週の日曜日の朝、ヤラ川(ビクトリア州南部を流れる河川)の清掃活動をします。参加しませんか? 活動後にみんなでおいしいパンとコーヒーを飲みましょう』
おーっ、楽しそう! コレは参加するしかありません。
雨の中、ヤラ川周辺のゴミ拾い
しかしながら、当日はあいにくの雨。しかもけっこう降っているので開催されるかどうか不安でしたが、とりあえず行ってみることにしました。集合場所は、家からバスで30分、到着するとすでに12人ほどいました。
「おはようございます、MADOKAです。よろしくお願いいたします」
笑顔で挨拶すると、みなさんニッコリ返してくれました。当然ながら全員ローカルの方でしたが、娘の学校の一件でだいぶ免疫ついているのでもう大丈夫です。
「さあ、はじめましょうか、MADOKA、手袋持ってきた?」
「あっ、すみません。持ってないです……」。しまった、清掃活動するのに素手はまずい。ロゴの入った可愛いグローブをいただき、さっそくスタートです。3、4グループに分かれまして、ヤラ川周辺のごみ拾いをします。
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ゴミを拾いながら、すかさず英語のアウトプット
大きなゴミ袋をひとりひとつずつ持ち、河川沿いの道を歩きます。推定30代の代表ジェシー、60代のリサ、70代のキャサリン(すべて女性・仮名)と私、4人がひとつのチームとなりました。またもや英語が早すぎてあまり聞き取れないのですが、とりあえず話の輪に入るべく必死にヒヤリング。するとキャサリンが私に話をふってきました。
「日本はキレイな国だから、ゴミも少ないでしょう?」
「場所によると思いますよ、確かにゴミを道に捨てる人は少ないと思いますけどね」
すると、リサが話に入ってきました。
「私、3月に日本に行ってきたばかりなの。NAGANOでスキーしてきたわ。すごくいいところよね、また行きたい!」
そうなんです、私の感覚として日本好きな方が多いと思います。東京、長野、京都、広島、大阪、このエリアを旅している方が多いですね。
代表のリサも話に加わりました。
「MADOKAは、どうしてこの活動に参加したの?」
「メルボルンは環境活動に関心がある人が多いと聞いたし、実際にどんなことをしているのか興味があったの」
「それは嬉しいわ。定期的に開催してるから、ぜひ参加してね!」
何とやさしい言葉。見ず知らずの日本人をこんなに温かく迎えてくれるなんて……。
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それほど多くない印象でしたが、河川そばの木にゴミがからまっていたり、ペットボトルやコーヒーカップなどがちらほらありました。私たち4人はもくもくとゴミを拾い続け、気づけばゴミ袋いっぱいに。小ぶりになりましたがずっと雨は降っていました。
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1時間30分ほどゴミ拾いしたでしょうか、「そろそろ終わりにしましょう。向こうのカフェで好きなパンとコーヒーを飲んでね」とリサが声をかけてくれました。カフェに着くと、最初に会ったメンバーも集まっていて、それぞれオーダーしていました。私もその中に混じりまして、おいしそうなキッシュとコーヒーを注文。
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オーストラリア人は四国好きが多い⁈
みなさんに簡単に自己紹介したら、にっこり笑顔を返してくれてひとりずつ名前を言ってくれたんですが、人数が多すぎて覚えることができませんでした。私、記憶力はいいほうなんですが、英語名はなかなか厳しい……。
私の隣に座った推定60代の男性、マックス(仮名)が日本語で挨拶してくれました。
「はじめまして、わたしはマックスです」
「おーっ、日本語できるんですね、“はじめまして、MADOKAです”」
(ここからは英語)「昔、日本人の高校生のホストファミリーをしてたんだよ。あと何だっけな、“いただきます”、“ありがとう”、“ごちそうさま”だよな」
「です、です。すばらしい!」
「日本はいい国だよ。オレはいつか四国に行ってみたいんだ」
「えっ⁈ 四国?」
「ほら、四国を180度回転させると、オーストラリアと同じ形だろ。オーストラリア人はみんな四国が大好きなんだよー」
すると、さきほど一緒に清掃活動をしたキャサリンからこんなことも……。
「四国って、あの、ほら、Buddhaがあるじゃない?」
「えっ、 Buddha?お釈迦様? あー、お遍路さんのこと?」
私がスマホでお遍路さんの画像を見せると、「そー、そー、それそれ。私、そのOHENROをやってみたいのよー。お寺を八十八カ所回るんでしょ」
「そうそう、宿坊っていうところに泊まりながら歩くみたい。私はやったことがないけど、いいと思いますよー」と軽く言っておきました。
すると私の向かいに座っていた60代前半のジョン(仮名)が「日本語は英語よりはるかに難しいよ。漢字、ひらがな、カタカナ、3種類もあるからなー」
「そうですね、確かに難しいですよね。でも、英語を話すのもなかなか難しいですよー」
「MADOKAの英語、わかるよ。大丈夫、大丈夫」
嬉しいこと言うじゃないですか、ジョン。ありがとう。
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1時間ぐらいお茶をしまして、お開きとなりました。地元の雰囲気満載で、かなりほっこりとした活動でした。そういえば子どもの頃、月に2回ぐらいほうきを持って家の近所を掃除する活動をしてました。私、高校生まで団地に住んでいたので、そういう活動がやたらとあったんですね。“めんどくさいなー”って思いながらイヤイヤ参加してたのを思い出して、なおさらほっこりしました。
あれから30年以上が経って、まさか異国の地で自ら清掃活動に参加するなんて……。人生って何が起こるか、わかりませんね。今はこうして“楽しかったなー”って思える自分が、何だかとても好きになりました。
次回は娘も誘ってみようと思います。当時の私のように、“めんどくさいなー”って思うかしら? それはそれで、よしです。