メルボルンで作った自分の居場所
娘の高校留学を機に2023年4月、メルボルンに移住しました。高校卒業までの期間限定の海外暮らし、残り439日のあれこれをnoteに綴ります。
まさか自分がボランティアをするとは…
日本でしなかったことをメルボルンでチャレンジしています。
それは、Op Shop(Opportunity Shop)という、セカンドハンドショップでのボランティアです。日本で言うとリサイクルショップのような感じで、古着から玩具、食器、寝具、文房具、本などありとあらゆるものが並んでいます。
メルボルンにはたくさんのOp Shopがあり、私が所属しているのはSacred Heart Missionという団体で、Op Shopの売上の一部をホームレスや社会的弱者の方の避難所、食料、ケアなどの支援をしています。また、お店で販売しているすべてが寄付で賄われています。
1年が経ち、すっかりスタッフの一員に
昨年の9月からボランティアをはじめたので、もう1年が経ちました。スタッフは”MADOKA、MADOKA”と気軽に声をかけてくれますし、ローカル色が強いお店なので常連の方も多く、とてもフレンドリーです。
私は商品を並べたり、レジのサポートなどいつも店内をウロウロしています。3時間半ほど細々と作業していると時間があっという間に過ぎています。
大好きなボランティア活動、まさかの1時間遅刻……
先週の日曜日のことです。
私はOp Shopに出かけようと身支度をしていました。時間が少しあったのでのんびりお茶をしていたら、娘が起きてきました。
「おはよう。今日はOp Shopでボランティア?」
「うん。あと少ししたら出かけるところ」
「今日から1時間が進んでるけど、大丈夫?」
そうでした! 10月第一週の日曜日からオーストラリアはサマータイムとなり、1時間ずれるのです。9時30分に間に合うように支度していたのに、スマホの時計を見たらすでに10時20分、完全に遅刻です……。
急いでアパートを出て、お店に到着したのは10時30分すぎ。焦って来た私を見るなり、レジに立つジェイド(28歳ぐらいの男性)が、「おいおい、MADOKAどうした?」みたいな口調であいさつしました。
「いやいやいや、今日からsummer timeだったんだね、うっかりしてたよ」と言うと、彼は怪訝な顔をしています。
「えっ、どういうこと? MADOKAの言ってる意味がわかんないんだけど……」
「だから、今日からsummer timeじゃん! 1時間進んでるの気づかなかったんだよー」
「MADOKA、それはDaylight savingsって言うんだよ」
「はっ⁈ 日本ではサマータイムって言うんだけどな……」
“Daylight savings”。言われてみれば、とてもわかりやすい単語です。ちなみに夜7時でもまだ明るいので、ビーチでのんびりしている人が多いんですよ。
名前は知らないけど、顔馴染みが増える
Op Shopでボランティアしたことで新しい世界が広がりました。私のような日本人がOp Shopのエプロンをして店内をウロウロしていると、お客さんも親し気に話してくれます。地元色が強いので、たまに近所のスーパーで買い物をしていると、“おう、MADOKAじゃん!”と声をかけてる方もいますから。私もその都度、“あっ、どうも、どうも”っていう感じで挨拶しています。
帰国するまで、ずっと続けたい
オーストラリアはアメリカよりもヨーロッパの慣習を色濃く受けていますから、正直、ハロウィンはさほど盛り上がっておらず、早くもクリスマスのムードがじわじわと漂っています。レストランやバーの軒先では、クリスマスの予約を受け付けているところもあるぐらいです。
Op Shopでも毎年店舗ごとにクリスマスイベントがあり、今年は12月第一週に近所のパブでスタッフが集まります。昨年も参加したんですが、すごく楽しい時間でした。今年ももちろん参加しようと休憩室にあった出席票にマルをつけておきました。
ボランティアをはじめた頃からいろいろ教えてくれるジュリーが、“MADOKA、クリスマスパーティは来られるの? ほら、12月は日本に一時帰国するって言ってたでしょ”と少しだけ不安そうな顔をしていました。
「大丈夫、大丈夫。パーティの翌週に帰るから、さっき、マルをつけたよ」
ジュリーはにっこり微笑んで、私にウインクをしてくれました。その顔を見たとき、“はぁ、アタシはOp Shopのメンバーのひとりなんだなぁ”としみじみ。何だかとても嬉しくて、1年の間にすっかりここでの居場所ができていました。
英語が多少散らかっていても、想いは伝わります。ボランティア活動を通じて、国籍を超えた人と人とのつながり=コミュニケーションを学びました。
あと1年3ヶ月でOp Shopを離れる日が来るかと思うとツラいので、今は考えないようにしています。
もっともっと楽しい時間が過ごせるように、ボランティア活動に励みます!