語学力ほぼゼロから、北欧留学のためにしたこと:2
フィリピン・セブ島への留学後
北欧のデンマークへ留学するため、ひとまずはお試しとして短期のセブ島留学を果たした私。フィリピンから帰国後、勤務先への通知、語学留学先の手続き、フォルケホイスコーレ選び、住んでいる部屋の引越し手続き、そして英語の勉強、デンマーク語の勉強などとにかく膨大にやるべきことがあった。
英語圏への留学は、利用者も多く日本からのルートが出来上がっているので、留学エージェントなどを通せば自身での手続きの手間はだいぶ省くことができる。なので、こちらは国さえ決めればエージェントにお任せで比較的楽だった。ただし、ここで学校の手続きと一緒にホームステイ先も任せておけばよかったのだが、自力で手配しようと考えてしまったことで大事件になってしまった。(こちらはまた追って記事を書く予定。)
英語を学ぶ国選び
そもそも英語を学びたいだけならば日本でもできない事はない。今は日本にいながらだって、Youtube・meet up・Langage exchange・オンライン英会話・英会話教室など無料から多額のお金がかかるところまで、いくらでも学べる選択肢はあるのだ。友人に某英会話教室に勤める人がいたこともあり、割引を使ってマンツーマンレッスンに通ってみたこともある。ただ、仕事と並行して学んでいたため相当きつい上に、上達してる実感も得られず、途中で解約することとなってしまった。自分は仕事と並行して勉強に本腰が入れられるほど器用ではないとわかったため、思い切って仕事を退職し、英語の環境に飛び込むことにしたのである。
格安・短期で英語を学びたいならば、フィリピン・フィジーあたりを選ぶのも良いと思う。しかしセブ島短期留学をして、私はフィリピンに長期で住むのは合わないと感じていた。セブ島は日本人に人気の島であり、物価は安く、いざとなれば日本に帰りやすい距離にある。デメリットとしては治安の問題、年中夏という熱帯気候のため、虫嫌いにはかなり辛いものがある。(正直これがいちばんの問題。)お金はかかるが、目的地である北欧に少しでも近いヨーロッパに住み、その国を楽しみつつ英語を学ぶ方向で国を決めた。
英語が母国語の国といえば、イギリス、そしてアイルランド。当初は物価が多少安いアイルランドに行こうと考えていた。その矢先に、勤め先の社長から
「アイルランドはなまりがきつい。イギリスにしてはどうか」
と本気で心配された。
鵜呑みにするわけでもないが、イギリスの方が確かに本家であるし、ロンドン在住の友人がいたこともあり、何かあったときに相談できる先があった方がいいということでイギリスの学校探しに変更。無料の短期滞在学生ビザ(7ヶ月未満)を取得して学ぶことにした。退職日〜イギリスの学校が始まるまで3週間ほどの余裕があったため、どうせならもう日本に居るのではなくヨーロッパに飛んでしまおうと思い、同じくイギリス英語を学ぶことができるマルタ共和国の学校にも1ヶ月弱通うことにし、地中海に浮かぶ島・マルタが私のヨーロッパ生活のスタート地点になった。
友人たちに「なんでその国にしたの?留学プランがあったの?」と突っ込まれた、国をまたぐパッチワークのようなスケジュールには、このような都合があったからだった。
イギリスにある、スウェーデンのフォルケホイスコーレ
私がイギリスで通う先として留学エージェントに行って決めた語学学校。決めた大きな理由としては、そこも「フォルケホイスコーレ」だったからだ。イギリスなのに、北欧独自の教育機関であるフォルケホイスコーレが存在する。
文章にしてみるとなんだかよくわからないが、確かにそこはフォルケホイスコーレだった。
私が選んだ「Loxdail English centre」は、イギリス南部の街ブライトンにある英語の語学学校。スウェーデンにあるフォルケホイスコーレ、「Braheskolan Visingsö folkhögskola」でもあり、毎年スウェーデンからスウェーデン人の生徒が英語を学びにイギリスにやってくる。語学学校としては小規模な部類に入り、その昔貴族の屋敷だったという古めかしいレンガ作りの校舎には30人ほどの生徒が通ってきていた。そのうちの22人程がスウェーデンからやってきている留学生たちで、常にその学校の生徒の7割程度はスウェーデン人、という特殊な語学学校だった。
デンマークに留学したい私にとって、こんな適した学校がまさかイギリスにあるなんて!とすぐに申し込みを決めた。スウェーデン人とデンマーク人が話す英語は厳密にいうと違うだろうが、北欧の人が話す英語に慣れておく事は、自分にとっては有意義だと感じたのだ。
生徒の平均年齢は20〜22歳ほどと、ギャップイヤーに該当する年齢の生徒が大半。スウェーデン人生徒の英語スキルは基本的にとても高く、スウェーデンは英語が母国語ではない国として英語能力世界2位。スウェーデン人たちにとっては子供の頃から馴染みの深い言語だ。英語能力の国際指標B2レベル以上、ネイティブとほぼ同等のC2レベルの生徒も多数いた。
入学当初は「こんなに流暢に話せるのに、何故わざわざイギリス留学してまで、英語を学ぶのか?」という疑問ももちろん沸いたが、この学校では単なる英語の授業ではなくアート・英国文化・写真・演劇などをイギリスのネイティブ英語で学べる授業があるので、デザイン系のトピックに興味があって英語を学びたい生徒が来ているようだった。
フォルケホイスコーレは基本的に全寮制だが、こちらはスウェーデンのホイスコーレからさらに留学してきている生徒たちのため、学校近辺の家にホームステイをして通ってきていた。
スウェーデンのフォルケホイスコーレはフィンランドのものと同じく、「現地語であるスウェーデン語ができることが前提」で入学するため、留学生にはハードルの高いホイスコーレ。イギリスという土地ではあったが、彼らと過ごすことでスウェーデンの価値観や暮らしぶりなどをうかがい知ることができて、自分らしい英語の語学留学になったのではないかと思う。