お箸の国の皆さん、どのくらいお箸にこだわってますか?【つくり手であること】
使い始めてちょうど1年になる、竹のお箸がお気に入りです。
お気に入りすぎて、家族+αの食事用お箸ぜんぶと、調理用の菜箸も、この竹のお箸に変えました。あと人にも勧めまくったので、直接わたしから聞かされた人もいるかもしれません。
1年前に何があったかというと、このメーカーさんを取材する機会に恵まれました。1年前、2020年の春といえば、日本中の物流や購買層が事実上停止し、メーカーは売り先を失うという国内リテーリング全体が想像にしなかった辛さに直面した時です。でもお話を伺った同社の3代目は、とても冷静に、且つ未来を見ていらした。その事にとても心を打たれました。
もしも私と同じようにこのお箸のファンの人であれば、すでに「竹のお箸」と見ただけで社名がわかっているかもしれません。なぜなら竹のお箸「だけ」を商材とするメーカーは、日本に(そしておそらく世界にも)この、ヤマチクさんだけだから。
すごくないですか?扱う企業が少ない素材ということは、それだけ扱いにくい、ということです。しかしヤマチクにはその苦悩を差し引いてもあまるほどの、竹に対する情熱と自社の仕事に誇りがある。そう思いました。
それと、思いだけではなく品質が伴っていることが大切だということも、三代目の山崎 彰悟さんがおっしゃっていました。環境問題や社会課題を商品の免罪符にしてはいけないのだ、と。
そうおっしゃるだけにとてもヤマチクのお箸はとても使いやすいです。細い箸先に無理な力はいらず、滑りやすい食材もしっかりと掴めて、食事がしやすい。丈夫であることも、自然素材なことも、サイズも色も、全てがしっくりくる。
ヤマチクのお箸を使い始めてわかったことは、食や自然や環境だと、なんらかのこだわりをもって生きてるようで、私は毎日のお箸には全く気を配れていなかった、ということでした。
決して、「環境配慮した自然素材で、でも丈夫で使いやすくて、先が細くて滑らない箸があったらいいのにな」などと思ったことなどなかったんですね。でもそれらを兼ね備えたヤマチクを使い始めたら、自分の思いとあまりにマッチして、あぁ、わたしはこういう箸が欲しかったのか、と初めてわかったのです。
先日、ヤマチク社のオウンドメディアさんからお声がけいただきユーザー紹介の連載に取材いただいたのですが(8月中旬頃公開されるとのこと)自分で話しながら改めて、いかにお気に入りなのかと自覚しました。お箸って、そうやって、ジワジワと使い手の暮らしの一部になるものなんでしょうね。
目立たないけど欠かせないもの。毎日を満たすものだと思います。
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映画監督松井久子が編集長となり、生き方、暮し、アート、映画、表現等について4人のプロが書くコラムと、映画づくり、ライティング、YOGA等の…
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