自己紹介【2020年版】①中学時代、趣味がレポートづくりでした
前回の記事『自己紹介⓪私がnoteを書くときに大事にしていること』で、自分を
芸大の学部で音楽学を、東大の大学院で文化人類学を学び、
今バリ島で「ろう者と音楽」について研究している
博士課程の大学院生
という来歴で紹介しました。今回からは、なぜそのような道をたどったのかを3回に分けて綴ります。
さて、私の原点は何かな・・・と考えると、
中学校時代の趣味までさかのぼります。
それは、「レポートづくり」です。
きっかけは、友達にこう訊かれたこと。
「まどちゃん、チーターとヒョウの違いって、なんだろうね。」
そのときうまく答えられなかった私は、
家に帰ってから本やパソコンで調べ、わかったこと・面白いと思ったことをA5サイズのメモ帳数枚にまとめました。
翌日、それを質問した子に渡します。
すると彼女はびっくり。他の友だちも巻き込んで、「なにこれ面白い!」と盛り上がりました。
その「面白い!」の一言に気をよくした私は、
そのあとも友だちに訊かれては自分なりに調べ、レポートにまとめて返す、ということを繰り返します。
ヒラメとカレイの違い、キリンの首はなぜ長いのか、はたまた不倫と浮気の違いまで・・・
タイトルは『マドカツチーダーの疑問解決!』シリーズ。
もう、恥ずかしいくらいふざけています。実のところ内容もかなり雑です。
しかし、それが本質です。ふざけながらレポートを書いていたわけです。
レポートづくり、これが私の趣味でした。
さて、高2くらいから具体的に大学の進路を考え始めます。
そこで思いうかんだのが、物心ついたときから身近にあった「音楽」の存在でした。
そこでいくつかの大学を比較し、最終的に東京芸術大学の音楽学専攻(楽理科)を目指すことにしました。
芸大の音楽学は、入試科目がとにかく沢山あります。
私が受験した頃は、センター試験(3科目)で足切りされ、英語・国語・小論文、選べる実技、ソルフェージュ(耳コピや初見で歌うなど)、楽典(音楽の基礎知識)、和声(定石に沿った4部合唱づくり)、面接がありました(*1)。しかもそれぞれがそれなりの水準を求められます。
やることいっぱい、パンク寸前・・・と思いきや、
私はその受験生生活を、とてもとてもエンジョイしていました。
なぜなら、好きなことしかやっていないからです。
もとから英語や国語も好きだったし、実技系も面白い。
だって受験生なのに堂々とピアノ弾いたり楽譜書いたりしているのですから。
そして特に楽しかったのが、小論文対策でした。
芸大の小論文の試験は、例えば「音楽における規範と逸脱」などのお題について書き、その後の面接で先生方から質問攻めにあう、というものです。
・・・まさにレポートづくり、「マドカツチーダーの疑問解決!」の出番ではないですか。
そのお題にこたえて、試験官の先生の目のウロコを落としたくなるじゃないですか。
もっとも、思考の論理展開が問われる入試小論文は、調べて情報をまとめることが中心だった中学時代の「趣味のレポート」とは書き方が大きく異なります。
しかし、かつてのその頃だって、調べることそれのみが楽しかったわけではありません。どちらかというと、
自分が「へえ!」と思う瞬間
そして誰かに「へえ!」と言ってもらえる瞬間
すなわち、情報そのものよりも、その情報に対する見方・考え方の変化を共有することこそが、最高に楽しかったわけです。
だとすると、
「音楽にまつわるこのお題に対して君はどんな論理を展開するかい?」
と問うてくる芸大の小論文課題は、
「こんな情報があって、こんな風に考えたら面白いんじゃないですか?」と文章で示し、そして試験官に
「へえ!」
と言わせてやりたい、という、
私にとってまさに「音楽」という趣味に関する「レポートづくり」という趣味の作業でした。
結果、芸大には特に不安要素もなくあっさりと合格。
そんなこんなで中学時代から連なる「趣味のレポート」を書いているうちに、私は芸大の門をくぐることになるのでした。
(Next>>>『自己紹介②芸大に4年、東大に4年』 2020.3.14更新予定)
(*1)2012年の情報です。(閲覧時期により)現在の試験科目と異なる可能性があります。詳しくは芸大の公式HP等にてご確認ください。
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