🌼これまで②🌼

この記事では、
1. 私が実際に大学院でどのような生活を送っているか
2. 参加している留学プログラムについて
お伝えします。

人文学系の研究で大学院に興味のある方、大学院での留学に関心のある方に少しでも役だったら嬉しいです🌼

①大学院での生活について

私は2022年度と2023年度の春学期を東京外国語大学で博士前期課程の学生として過ごしています。
人文学系ということもあり、基本的にテストはなく、授業内での発表や学期末のレポートによって成績がつけられます。
そして、すべての授業は「修士論文」執筆のために役立てられるべきであり、自分の研究分野と全く関わりのない授業をとることは稀であると感じました。

実際、多くの授業は教授と学生数人（平均で3, 4人）で行われており、教授が一方的に講義をするような授業形態ではなく、学生によるプレゼンテーションをもとにディスカッションをするという、非常にインタラクティブなものでした。
自分の研究分野について教授や他の学生からコメントをもらったり、文献に関する情報を教えてもらうことができるので、授業に参加することで修士論文を書くための道筋を作っていくことができます。

また、修士での研究は「指導教員との関係」の中で行われるものであり、
学期中に必ず指導教員と定期的に会う時間を確保する、
ことも授業が有益な理由の一つです。
修士で一年あたりに履修しなければならない授業は通常学部の半分ほどで、ほとんどの院生はM1の間に必要な単位をすべて取得し、M2では指導教員の授業だけを履修して、残りの時間は自分に研究活動に費やします。
（博士課程に進学しない学生は就職活動も並行しているので、かなり忙しそうです）

ところで、「自分の研究活動って何するの？」と思う方も多いのではないかと思います。私も長らくその一人でした^^;

人文学系の研究はほとんどが文献を読むこと・要約することであり、まれにアーカイブ調査やフィールドワークも行います。そして、そこで得た知見をもとに論文を執筆します。

「当たり前だ」と思う方も多いとは思いますが、人文学系の院生は皆
「文献を読むこと」に大半の院生生活を費やさなければならないのです。
私はこのことを頭では理解していても、十分に自分の実践に移すことができずに、これまで指導教員から「もっと本を読みなさい」と言われ続けてきました。2年目になり、修論提出まで一年を切った今になってやっと
「たくさん読むこと」の重要性を理解し、実践に移すことができるようになってきました（本当に情けないことですTT）

ここに書いた院生生活はあくまでも私自身の体験に基づいたもので、一般的なものではないと思います。
それでも、人文学系（美術史・文化史）の大学院に興味のある方のお役に少しでも立ったら嬉しいです。

②参加している留学プログラムについて

私が参加しているプロブラムは、東京外国語大学とCEU（中央ヨーロッパ大学）とのダブルディグリープログラムです。このプログラムは、Erasmus Mundusと文部科学省の提携プログラムであり、上記２大学に加えて、NOVA（新リスボン大学）・UNIFI （フィレンツェ大学）・INALCO （フランス国立東洋言語文化学院）で授業を受けて研究活動を行うことができます。

修士論文は英語で書かれる必要があり、9月にプログラムが開始してから、２年間で東京外国語大学とCEU、２つの修士号を取得することができます。
私は昨年(2022年)9月から今年2月までCEU（ウィーン・オーストリア）で過ごして、2月から8月までは東京で過ごして、9月からフィレンツェ大学に通うことになっています。

プログラムの内容としては、History in the public sphere （公共圏の歴史）であり、これについてとっってもざっくり説明すると、
「エリートや特権階級の人々に焦点を当てたり、彼らの視点から観察する歴史ではなく、一般大衆（public people)に着目した歴史」です。
この概念は新たな歴史へのアプローチとして、近年関心が高まっており、このプログラムが発足したようです。

実際に学生が持っている研究テーマは、
ポストコロニアリズム研究であったり、近現代の戦争に関する研究、ダイアスポラ（人の移動）など様々です。
それらのテーマを掲げた上で、博物館であったり、アート作品、教科書などをケーススタディとして扱う学生が多いです。

この留学プログラムに興味のある方は、Webサイト( https://hipsma.com/ ) からさらに詳しい情報を得ることができます！

この記事は総じて、
1. 私が実際に大学院でどのような生活を送っているか
2. 参加している留学プログラムについて
についての概説であり、詳細について綴ることはできなかったので
これからの記事で
・研究内容について
・英語で研究する困難
・イタリア語学習について
・留学生活について　　

など、様々なことに関して書いていこうと思っています！

最後まで読んでくださりありがとうございます🌼