和洋折衷の舞台裏〜痺れるライブとはこういう事〜
4月27日㈯
『和洋折衷』津軽三味線×ピアノライブにお越しくださった皆様。
暑い中本当にありがとうございました!
今日はその舞台裏を書きたいと思います。
11時入りした私はピアノと対話を始めました。
対話するために選んだ曲は何故かパッヘルベルのカノン。
とりあえず弾くことに…………。
しかし音に緊張が伝わり、なぜか私も緊張していたからか恐怖心が出てきてしまいました。
そのまま楽譜を残して去った私。
控室で頭を抱えてしまいました。
どうしたらいいんだ。これは己との闘いだろう。
そう自分自身と闘っていました。次第に、緊張も大きくなり、手汗も凄くて。
それでも、私の師匠は凄かったです。
『翼さん凄いな……………。私よりも場数経験してるから緊張しないんだろうな』
そう私は思っていたんだけど、実は音が思うように鳴らず、焦りを感じていました。それでも、着実に音響チェックを念入りにする私と翼さん。コラボに問題もなかった私でしたが、心配性が働き、「この部分だけもう一度やらせてください!」と言って何度もやらせていただき、それに対応してくれたのは本当に嬉しかったです。
そして、本番前。
客入れの時間が迫ると同時に緊張と不安で持病の薬を調整した私。
それでも収まらず、翼さんの控室に行って鏡でヘアスタイルをチェックしたりとかして、普段あまりやらない謎行動が始まっていました。
普段聴かないような音楽を耳にスマホを当てて聴いたり、小声で歌い出したり。
スタッフさんにも「歌います?」と勘違いされました。
それに気づいたのか、彼は優しく私にアドバイスしてくれました。
「1回店内回ってごらん。緊張ほぐれるから」
アドバイスの通り、店内というかはトイレに行って、自販機で水を買って。何人か知ってる人とすれ違ったけれど、気持ちに余裕が生まれました。
帰ってきた時は表情が違って見えたのか、彼も私の様子を見て
「ステージに上がっちゃえばいいね」
と。
「本番に強いよねって言われます」
「俺こう見えて弱いんだけど、大丈夫。あれだけ練習頑張ってるなら大丈夫」
そういえば私はそうだったなと思いました。
本番強いよねってよく言われていたけど、自覚がなくて。でも、いざ弾いてしまえば楽しくて仕方なくて。
客入れも始まり、本番5分前。
「行ってきます!」
「大丈夫、できる!」
と言葉を交わしてステージに上がりました。
私の想像を超えるステージの客数はざっと数えて50人ほどだったそう。
GW初日にこんなに入ったのは初めてだと言われました。
緊張でMCは飛んで噛んだけど、それでも時間と自分の心と闘いました。
やる曲も直前で削って変えました。
1月に発生した能登半島地震に思いを馳せ、誰かを思う気持ちを描いた「you」を急遽入れました。
ソロは無事終了。ミスタッチで鳴らない音もあり苦戦したけど、楽しく弾けました。
最初のコラボも終わり、翼さんにバトンタッチしますね、と言って舞台袖の控室に戻った私。
実は肩を落としてました。音響スタッフさんはよかったと言っていたけど、100%の力を出せず涙目でした。
でも、それをカバーしてくれたのも翼さんでした。
一の糸が鳴った瞬間、はっとして我にかえって。
そこには、初めて見る師匠の真剣な眼差しが映ってました。実はファンからも、彼の三味線は凄いって聞いていたけれど力強くて今まで見てきた中でかっこよくて、思わず舞台裏越しにスマホを構える私。そこで感じたのは痺れる感覚でした。
心は掴まれるし痺れる気持ちになって、人の心を掴む演奏ってこういう事かと。
そして、何よりも心をつかむと言えばMC。
私のグダグダっぷりをカバーしてくれました。
舞台袖では、私はスマホを構えて写真を撮っていたけれど、小声で「かっこいい………。凄い」を連発していました。
この時、MCで名前を呼ばれていたのですが、呼び捨てで呼ばれたように聞こえてびっくりして顔が真っ赤でした。いつもは「ちゃん」付けなので……………。
そして、いよいよ始まった津軽じょんから節。
今まで聞いてきた中で1番かっこよくて、1番最強だなって思ったのは撥さばきもそうなんですけど、やっぱり鳴らない音も鳴る音も、全てを愛しいと思う姿勢に心を打たれて、私自身の考え方が180度変わったじょんから節でした。
私だって、ピアノで鳴らない音も届かない音もあるけれど、それをミスと今まで捉えていて。それは違うんだってことを体感しました。
かっこよさの中に優しさもあって、私も全ての音を愛せるようなピアノ弾きになる、と心に決めた時、グッと来るものがあり…………。
でも、翼さんの前で泣くのは私のプライドが傷つくから、ずっとこらえました。
終了後、会場は拍手に包まれました。
そして最後のコラボは、緊張も解けて私も伸びやかに演奏できました。時々目線を合わせられたのは成長できたところだなと。
「本日は誠にありがとうございました!」
という私の言葉で、ライブは無事成功でした。
控室に戻った私は、顔が晴れやかでした。
写真も撮っていただきまして。
私の表情が演奏の時よりも変わっているのに気づいたのは私だけかもしれないけれど、アー写みたいな感じで撮ってもらって、とても嬉しかったなと思いました。
しかも偶然にも2人とも私服にピンクが入っていました。
スタッフさんからも
「また企画してください。また、この二人でやってほしい」
と言われ、凄く嬉しかったです♬
もちろん、またやりたいです。
ユニットとしてもこれからやっていきたいなと思いました。
昼ライブの舞台裏の話はここで終了ですが、お昼ご飯食べてたときの話もしたいので、こちらも見ていただけると嬉しいです。
続きます。
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