お嬢様と侍女のゆるゆる旅行記 2
ひょんなことから意気投合し、2人旅をするお嬢様(miiinaさん)と侍女の私。
果たしてデート感は検証できるのか?前回までのお話はこちら。
お嬢様と侍女のゆるゆる旅行記 1
https://note.mu/madoka_jee/n/naffd543778a0
5月21日
11時を過ぎてようやく活動開始。
目指すは有名なリゾートホテルである。
ドラマのロケにも使われたことがあるというクラシックな旧館は改装中のため入れないが、新館にも素敵そうなラウンジがあるし、お茶でもしながら優雅なひとときを過ごそうというわけだ。
宿のご主人に船で送っていただき、駅で目指すホテルの大体の場所を確認し、降り注ぐ太陽の光を浴びて、てくてくと歩く。
その途中に『志摩マリンランド』を発見。
「これ水族館ですよね?」
「水族館ですね。…デート感を検証できますよね?」
「できますね、実際に確認できますね」
「……お茶飲んだら来ましょうか、確認が必要ですね」
あくまでデート感にこだわる私達。
それもお魚さんがみたい♡ではなく、デート感の検証がしたいのである。
何かが間違っているような気もするが、きっと間違いじゃない。
目指すホテルの敷地に入っていくと、リゾート感溢れる広々とした雰囲気に期待が高まる。クラシックな旧館を横目に、そのまま新館を目指す。
思っていたよりもさらに高級感溢れる建物が姿を現す。
中に入ると、フロントのお姉さんがさりげなくやってくる。
お茶を飲みたいのですが、と告げると、そのまま一緒にエレベーターに乗って案内してくれる。これは、間違いなく高級なホテルの従業員の動きである。
エレベーターの手すりに輝くキラキラしたものを眺めていると「全て本物の真珠です。3000個使用されています」という驚愕の説明が。
本物の真珠3000個……ラグジュアリーすぎる。
「こちらでございます」とエレベーターを降りて、案内をされると、そこは景色の良いレストランとラウンジのフロア。
何気なくランチのメニューを眺めると“コース 18,000円”の文字。
……見なかったことにする。
ゆったりとしたラウンジの席に案内され、メニューを眺めながら、
「さっきのランチの値段見ましたか?」
「見ましたよ、ランチで18,000円…。強気すぎる…」
「うっかりランチです、なんて言わなくてよかったですよね~」
と話す私達。さすがに18,000円は無理。
それでも、せっかくこんなに素敵なラウンジに来たのだから、思いきり優雅に行こう、まずは地鶏と野菜のイングリッシュマフィンサンドウィッチ、その後にカスタード・プディングも食べようと決める。
イングリッシュマフィンはもっちりふわふわで、カスタード・プディングはバニラビーンズがたっぷりと入っていて、とても濃厚で美味しかった。
景色を眺めたり、お喋りしたりで3時間もラウンジでまったりのんびり過ごした私達。
さあ、いい加減にデート感を検証しに行こう!と、またてくてく歩いて、志摩マリンランドへ向かい、ペンギン達の出迎えを受けて中へ入る。
ドクターフィッシュの水槽に両手を突っ込んでみたり、カラフルなエビを眺めたりしていると、だんだん楽しくなってくる。考えてみたら水族館なんて○○年ぶり(こればっかり)。
あ、どこかの男爵もお仕事中だった。ご苦労様です。
色んな場所でデート感を検証しつつ(これは忘れない)、回遊魚のフロアへ出た途端にテンションが上がる私達。そう、私達は回遊魚好き。
回遊魚はいい。止まることなく、堂々と泳ぎ続けている姿を見ていると、小さなことで右往左往する人間がとてつもなくくだらなく思える。
そんな事をうっすらと考えながら、2人で並んで椅子に座って、ぼんやりと目の前の回遊魚を眺めていたら…
餌付けショーで海女さんが登場!
あっという間にテンションMAXで椅子から立ち上がり、水槽の中から手を振ってくれる海女さんに全力で手を振り返しながら、「めっちゃかっこええ♡」と海女さんを追いかけまわして、回遊魚の如く、フロアをぐるぐる回る私。
海女さんが水槽から去ると、miiinaさんに向かって真面目な顔で「私、海女さんになる!」と高らかに宣言。一瞬で転職を決めた人がいると爆笑される。
でもね、私、息継ぎができないの…。シュノーケルをくわえてないと泳げないの。今年こそ覚えるね、息継ぎ…。
ちっともパンダ感のないパンダウナギや、いまひとつ愛を感じることのできないマンボウをちらっと眺め、屋上から海をぼーっと眺めて、志摩マリンランドは終了。
そこから、夕食のためだけに2駅離れた鵜方へ移動し、宿のご主人の「鵜方に行けば何でもあります」という言葉を信じてさまよい、最終的には駅員さんに教えてもらった居酒屋で軽く飲んで、宿へ戻って、また深夜3時過ぎまで話し込んで終了。
遂に、最終日は観光するらしいよ!
To be continued……
©madokajee
※ちなみに、この旅行記に限っては投げ銭歓迎!よろしく!
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?