なぜ日本は休みを取りづらいのか
まずはじめに私は純日本人であり、海外経験に関しては旅行で行った韓国、マカオ、ハワイの3つしかないことを伝えておく。そんなほぼ日本しか知らない人間が独自の視点で語る日本についてのお話だ。
日本は休みが取りづらい、これは本当によく聞く話である。実際に世の中に出回っている有休消化率のデータなどを確認しても、海外の国々と比べれば低い数値となっている。この原因について、私は日本人の日々の暮らしにおけるマインドが挙げられると感じている。
日本人も外国人も、基本的には自分が1番可愛い。しかしその自分の可愛がり方が少し違っているのではないかと私は考えている。まず日本人は周囲と見比べて自分が不利を受けていないかを考える。一方で外国人はルールと見比べて自分が不利を受けていないかを考える。周りのみんなと比べて損をしないことが大切なのか、現行ルールで最大限損をしないことが大切なのか、ということだ。
日本で生きてきたみんなならば、これまでの人生で数億回は耳にしたのではないだろうか。「あいつだけズルい」という言葉を。これが典型ではないだろうか。日本人は周りとの差異に敏感なのである。たとえそれがルールの範囲内であろうとなかろうと関係ない。自分や周りがやりたくないことをやっていたら、それを他人にもやらせないと気が済まないという節まであるくらいに。不平等が嫌いなのだろう。終電まで残業するのが当たり前の会社で定時にタイムカードを切ったとしたら、ものすごく嫌な顔をされるのは目に見えている。別にルール上は何も間違っていないのに。日本人はすごく和を大切にする生き物だ。周りと見比べて自分が逸脱していないかにものすごく敏感であるし、その目は他人に対しても向けられる。日本人にとっては明確化されたルールよりも他人からの見られ方やモラルが優先して守るべき対象となるのだ。『みんながやっているから』という訳のわからない同調圧力が、ときになによりも強い効力になってしまう。
知人のひろゆき君から聞いた話だが、消費者金融というビジネスが成り立つのは日本だけらしい。なぜなら外国人は踏み倒すから。実際日本でも自己破産の制度が法的に認められているので、ルール上は借金くらい当たり前に踏み倒せるのだが、日本人は「借りたものは返さないといけない」や「自己破産なんてしてしまったら人としておしまい」などといった高過ぎる社会性のおかげ(?)で、大抵の人が借りた金を返す。そのため消費者金融というビジネスが成り立ち、憎きアコムやアイフル、プロミスやレイクが駅前の一等地にデカデカと看板を掲げている。『お前何が愛がいちばんやねん、あの利息のどこに愛があるねんボケ、てかそもそも愛ある奴が利息取るな』という僕の心の叫びはひとまず置いておくとしよう。
何はともあれ日本人は社会性すなわち「人としての当たり前」に重きを置く生き物なので、憎き消費者金融というモデルを成り立たせてしまう。一方で外国人は違う。ルールで認められているならばと当たり前のように踏み倒す。貸した方が悪いと言わんばかりに堂々と自己破産をする。そこに愛はあるんか?と問われてもお構いなし。fuckの一言でアイフルはねじ伏せられる。なぜならそれがルールだから。
こんな具合に、日本は周りから逸脱しないこと、平等であることを大切にする社会であり、海外はルールを守ることを大切にする社会なのである。
となった時にようやく本題。なぜ日本は休みが取りづらいのか、であるがこれは「休みを取る人が少ないから」であると推測できる。
日本人は完全にやられてしまっているのだ。この資本主義の頂点あたりに立つ誰かに。下の人間が働けば働くほどに儲かるシステムを持つ誰かが作った「真面目に働く人はえらいよね〜」という謎の空気に。この空気さえ浸透すればもう楽ちんだ。あとは社会が勝手にその空気に馴染めない奴を弾いてくれるから。弾かれることを怖がってみんながそれに順応してくれるから。次第に取っていいはずの休みも、取らずに働くことが美徳になって、それをしてくれる洗脳され切ってしまった大真面目君のおかげで周りも休みを取りづらい雰囲気になっていくから。休みを取りづらい雰囲気になって休みを取る人が減ると、ほらまた更に休みを取りづらい雰囲気が大きくなる。こうして休みを取る人間が減っていき、休みを取らずに働くことが美徳となってしまった世界では、次第に対象的な動きをする休みを取る人が悪者になってしまった。何も悪くないのに。こうして休みを取らないことが当たり前になってくれたら、人が休まない予定で人員配置が組める。そのギリギリの人員配置を組むことで、休んだら本当に実務に支障をきたし周りに迷惑をかけるようになる。本当に悪いのはその人員配置を組んだ会社なのに、直接的に迷惑をかけるのは自分だからと尚更休めない。はい休めないシステムの完成〜🎵
ルールに従って生きていればこんなことは起こり得ない。20日休んでいい決まりなら20日休むのが普通だ。何も悪いことをしていないのだから。しかしながら、ルール以外の【社会】という目に見えないものに従って生きていると本来悪くないはずのことを悪いことだと錯覚させられてしまうケースがある。それが日本人にとっての休みなのではないだろうか。全員が20日の有給を使い切る会社ならば、逆に有給を取らない方が居心地が悪くなってしまうだろう。周りのみんなからしても、取らない君からしても。なんなら多分その会社にいたら有給を取らないことが悪いことだと錯覚するだろう。
今の日本社会はたくさん休みが取りたい人にとってあまりにも最悪すぎるのだ。周りを見る国民性と休まない周りの組み合わせなのだから。でも多分、20人くらいの会社で突如3人くらいが徒党を組んでやたらと有給を濫用すれば、周りもバカらしくなってきて有給を取り始め、普通に有給を取る文化が出来るような気がするので、気合の入ったあなたがこの日本社会を変えてくれることを祈っている。
あとがき
消費者金融全部倒産しねぇかなぁ〜
次回の執筆は【男性は女性に奢るべきかどうか】についての予定です。書いて欲しいテーマなどあればじゃんじゃんリクエストください!