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エッセイ:やっててよかった習い事

小学校の教師というのは、学級担任を持つと自分の得意・不得意に関わらず、ほぼ全教科教えることになる。
私も苦手な体育や全く専門外の教科を教えるためにかなり苦労した。授業以外でも教師の仕事というのは様々なスキルが必要で全てオールマイティーにできなければならない。

私は要領がよい方ではなかったので、仕事も決して早くなく、何でもこなす同僚や先輩方がうらやましかった。

そんな中、幼少期に習っていた習い事が私の教師人生を助けてくれた。

私は幼少期に水泳、ピアノ、書道を習っていた。
水泳はもともと体が弱かったので、体力向上のために習っていた。
小学校の3,4年生頃までしか習っていなかったので、たいして泳げない。けれども水泳の授業で、泳ぎの見本を見せたり指導するのにとても役に立った。

ピアノは社会人になってもずっと続けているが、音楽の教員免許を取るまでになった。
音楽の授業だけでなく、入学式や卒業式などでの校歌や君が代の伴奏を担当するなど校内の行事の重要な仕事を任されることも多かった。

学級担任を持っている時は、教室にある電子ピアノをちょっと弾くと「先生すごい!もっと弾いて!!」と言われて、音楽を通して子どもたちとコミュニケーションをとることもできた。

そして教師の仕事全体で一番私を助けてくれたのは書道だ。
小学生の頃から習い始め、高校進学のために辞めてしまったが、きれいな字が書けるというのは一生もののスキルだと思う。

毎日の授業での板書はもちろんのこと、保護者に向けての連絡帳へのコメント、子ども達の宿題や作品に対してのコメントなど、教師というのはデジタル化が進んだ現代でも「手書き」の仕事が多い職業である。そして書いた字が他人に見られることも多い。

先輩の先生方に授業を見ていただく機会があると必ず「先生が書く黒板の字がきれいですね。」とほめられた。また、書写の授業では子ども達の名前のお手本を手書きしたり、指導したりすることに役に立った。
図工展などの賞状の名前を書く仕事を頼まれたこともあった。

教師になって幼少期の習い事がこんなに役に立ち、助けてくれるとは思ってもみなかった。習い事をさせてくれた両親には感謝しかない。

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窓際ピアニストなお@起業女子
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