エッセイ:幸せがにげちゃうよ
教師になったばかりの頃。担任こそ持っていなかったが、高学年の算数の授業を担当していたこともあり、毎日授業の準備に追われていた。
慣れない仕事に、苦手な算数…ついつい子ども達の前でため息をついてしまった。
すると、ある女の子が心配そうに「先生、ため息をついていると幸せが逃げちゃうよ。」と言われたのである。
その言葉にハッとし、子ども達の前でそんな姿を見せてしまった自分に反省した。
「その言葉誰に聞いたの?」「ママ。」
まだ若く、人生経験も少なかった私はなるほどと思い、それ以降この言葉を忘れることなく、どんなに嫌なことがあっても、つらくても子ども達の前では精一杯明るく、元気にと心がけるようになった。
そうすると自然とスイッチが入り、子ども達の目で元気に過ごせるようになった。保護者にも「先生、いつも元気ですね!」と言われるようになった。
子どもの一言にはいつも学ぶことがたくさんある。
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