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知られざる劇場の仕事

私は大学時代4年間、劇場のレセプショニストのアルバイトをしていました。

1 レセプショニストとは?

レセプショニストとは英語で「reception(レセプション=受付)をする人」という意味です。

ホテル、レストラン、劇場やホール、美容室や美容サロン、会社、病院などの、「フロント(受付)」やロビーでお客さまの案内を行います。
劇場でのレセプショニストは、劇場の顔(シアターフェイス)とも言われ、劇場に来たお客様を迎える大切なお仕事です。

私の働いていた劇場はミュージカル専用の劇場ではなかったのですが、どこの劇場もレセプショニストはいて、似たようなお仕事をしていると思いますので、ぜひその魅力を知っていただき、観劇の楽しみにしてほしいと思います。

では、レセプショニストのお仕事を紹介します。

2 お仕事紹介

レセプショニストの仕事は主に、チケットもぎり、客席案内、クロークとポジションごとに分かれていました。

チケットもぎりは、劇場入り口に立ち、チケットを確認してもぎります。その時に「左の階段をお進みください。」などと簡単に座席の場所をご案内します。
開演中は遅れて来たお客様をお席にご案内したり、途中で出てくるお客様の対応をします。
終演後はお客様のお見送りをします。

客席案内は、座席の場所がわからなくて困っているお客様にお席をご案内したり、飲食、録音録画禁止のアナウンスをしたりします。
車椅子や体の不自由なお客様をご案内することもあります。
開演中は客席内のドア付近に待機して、途中で出るお客様の対応をします。
終演後はドアを開けて、お客様のお見送りをします。

クロークはお客様のお手荷物やお召し物を預かります。番号札をつけ、並べて保管します。
開演中はクローク前で待機したり、チケットもぎりの人と一緒に途中案内のお客様の対応をしたりします。
終演後はお預かりした物をお返ししながら、お客様をお見送りします。

開演前のミーティングの後、それぞれのポジションごとに仕事をし、開演中は順番に休憩をとったり、ドアの前で待機して途中入場のお客様を案内したり。
そして終演後はお客様をお見送りするというのがひとつの公演でのレセプショニストの流れでした。
勤務中は無線をつけ、お客様の状況をやり取りしています。

3 どんな人がいるの?

劇場によって違うかもしれませんが、私の働いていた劇場では、公演の時にマネージャー(正社員)が公演にアルバイトに全体指示を出していました。

アルバイトをしている人は私と同じように学生だったり、演奏家や女優を目指す傍ら働いている方だったり。

9割が女性で、音楽や舞台など芸術が好きな人達ばかりでした。

メイクの仕方やスカーフの巻き方、アナウンスの声のトーンなどベテランの方の素敵なこと!!

そんな先輩方に憧れて、スカーフの巻き方を研究したり、立ち方や歩き方に気をつけたりと日々奮闘していました。

4 レセプショニストのやりがい・魅力

・レセプショニストは舞台の出演者と同様
    公演を作っている大事な役割である。
・お客様が劇場に来た時、最初に出会うのは俳優さ        ん達ではなくレセプショニスト。 その自覚を持っ     て。
・レセプショニストの対応ひとつで
    お客様の公演に対する印象が変わる。

・レセプショニストにとっては何回目かの同じ公演  かもしれないけど、お客様にとっては毎回が初めて  の公演。

これらはレセプショニストの時に教わりました。

公演が終わった後に「今日の公演すごくよかったわ~!!」と声をかけてくださるお客様もいらっしゃって、私もとてもやりがいを感じていました。

大学卒業とともにアルバイトも辞めてしまいましたが、今でも劇場に行くと、ついついレセプショニストの動きに目がいってしまいます。

劇場に行った時にはただのスタッフさんと思わずに、レセプショニストの動きや立ち居振る舞いにも注目してみてください。きっと素敵な人が見つかるはずです。


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