エッセイ:年をとったなと思うこと
小学校教師は元気な子ども達と過ごすからか、年齢より若く見える人が多い。私も例外ではなく、元気な子どもたちといるといつまでも若い気持ちでいた。
それでも、年をとったんだなぁ…と思うことがひとつ。
まだ教師になりたての20代前半の頃。子ども達に聞かれる定番の質問と言えば「先生、彼氏いますか?」だった。
高学年になると、誰と誰が付き合っていると話題になり、恋愛が気になるお年頃だ。
聞かれると彼氏もいないのに「う~ん、どうかな~。秘密!!」なんて答えていたものだった。
教師の仕事に慣れてきた20代後半の頃、聞かれるようになった質問は「先生、結婚してますか?」だった。
「結婚してないよ~。ほら指輪してないでしょ~。」とよく左手をヒラヒラさせながら答えていた。
そして、30歳を過ぎると「先生は子ども何人いますか?」と質問されるようになった。
最初に聞かれた時は「えっ?子ども?!」とびっくりして聞き返した。
子ども達はすでに私が結婚していて、子どもがいると思っていたらしい。まぁ確かに子どもがいてもおかしくない年齢だけど。
さすがに答えにくくなり「先生はまだ結婚もしていないし、子どももいないんだよ。」とちょっと申し訳なさそうに言ってみる。
でもその後に「あなた達みんなが先生の子どもだよ~!!」なんて叫ぶと「何それ~。」と高学年なんかは返してくる。
それでも気持ちはいつまでも若いつもりだ。
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