2024.9.24NHK総合22:00~22:45「かぞかぞ第10話」のあらすじ ときどき きりん(勝手な解釈)
2010
朝、雨が降っています。ママの運転、助手席に七実を乗せ赤いボルちゃんが家族の住むマンション前に停まる。
悲しそうなボルちゃんの顔、この雨はボルちゃんの涙。
業者が車を引取りに来た。
ママ「パパごめんなぁ」
七実「お金必要やしこうするしかなかったよ」
引き取られていくボルちゃんの後ろ姿が角を曲がり消えて行った。
”家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった。第10話”最終話始まります。
2025
第9話の終わりの映像。週末に家族四人が”わたしの街”神戸の家に集合したところから始まります。
:七実、草太の手に持つ黒の上着が気になります。
ダイニングテーブルの上で草太のおみあげの晩御飯を楽しそうに広げる四人。
草太「はい」一番上にあるクッキーの袋をママに手渡す、ママはそれをパパの仏壇にお供えします。
時刻は午後6:35’
晩御飯の準備中。
草太「いらっしゃいませ」「少々おまちくださいませ」
七実、ばあちゃん「フ~!」ちゃかす2人組。
七実「あっ」blogのネタを思い付きソファーでノートパソコンに打ち込む。
ママ「十分活躍しているんやしちょっとはゆっくりしたらええのに」微笑む
七実「活躍し続けることが大事やから。もっと認められんと」PCに向かう。
四人「いただきます」夕食の始まりです
草太「召し上がれ」
一同笑い
ママ皆を笑顔で眺める。
七実「食べへんの」
ママ「しあわせでおなかいっぱいっていうか」
七実「胸いっぱいやなくて?」
ママ「みんながこうして集まれてうれしいんや」
ばあちゃん「随分ご無沙汰やないか出かけるの」
:やっぱりだ、今週はどこかに出かけるようです。
ママ「しかたないやろ。みんな忙しいんやから」
ばあちゃん「耕助さん」草太に向かって
草太「ん?」
ばあちゃん「ひとみをちゃんと大事にしとんのか」
ママ「お母さん過保護」笑いながら
草太「離れててもママが大好きです」笑顔
ママ「あら~ありがとう」笑顔
ばあちゃん「それだけやあかん」ワイングラスをどん!っと置きながら
七実「おお~ばあちゃん今日はグイグイいくな~」「草太パパがんばれ」
草太「任せて下さい」
ばあちゃん「ホンマやな」「耕助さんあん時の約束信じてええんやな?」
耕助が結婚の承諾を貰いに来た時の記憶がチラチラする。
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ばあちゃんの脳内
ここはじいちゃん、ばあちゃんの家(大阪)
耕助がばあちゃんと在りし日のじいちゃんに挨拶しているところ。
耕助はママのことを“かわいくて、かわいくて”しか言えないでいる。
じいちゃんに「ひとみはぬいぐるみちゃう」って怒られる。慌てて言い直すも「モロヘイヤみたいです」って言ってしまう。
すると、
ばあちゃん「たべものえ~やん」「耕助さんサンキュ~やで」ばあちゃんに気にいられる。
耕助トイレ前でばあちゃんと鉢合わせ
ばあちゃん「あんた緊張すると腹こわす体質か?」
耕助「お母さんの料理があまりにもおいしいのでベルトを緩めに来ました」
ばあちゃん「ふたつは開けときや」
案の定“1人大食い大会”でぶっ倒れ、皆に笑われる耕助。
ママひとみは、耕助のコップに水を汲むため席を離れる。
じいちゃん「うまいこと言えんなあ…」箸にうさぎリンゴを刺し食べながら…
ばあちゃん「ええんちゃう?うまいこと言おうとせんでも」
耕助、起き上がり正座。
じいちゃん「耕助君」「ひとみを泣かしたら許さへんで」
耕助「幸せにすることしか考えてません」
じいちゃん「ウソつけや」
じいちゃん「俺は母さんを泣かせてきたからそんな信用できん」
ばあちゃん「お父さんええこと言うやん」「そやどんどん疑ってこう」
耕助、緩めていたベルトを直す。
ばあちゃん「耕助さん」「ひとみを好きか?」
耕助「はい大好きです」
ばあちゃん「私の方がひとみを好きや」
じいちゃん「うん、そら~間違いない」
耕助「えっ?」“なにを言い出すのだちみたちはの顔”
じいちゃん「この人はね、もうでたらめにひとみを愛してますよ!」ばあちゃんを指差しながら
ママ、廊下で話を聞きコップの水をもったまま動けないでいる。
ばあちゃんまんざらでもない顔ですましている。
じいちゃん「わたしはねえ、かないませんよこの人には」
ばあちゃん勝ち誇った顔で頬杖を突く
じいちゃん「耕助君あんた勝てんの?」
耕助「勝ち負けやないと思います」ぽかん顔
じいちゃん「アホ、勝ち負けに決まっとるやろ」
ばあちゃん「人生なんでも買った方がええ」頬杖突きながらコメカミマッサージ
耕助「…はい」正座であきれる。
耕助「ひとみさんはホンマにすてきな人で…」
ばあちゃん「その通り!」
耕助「お二人がお育てになったんやと思います」
じいちゃん、ばあちゃん顔を見合わせちょっと驚く
耕助「すてきな人を育てていただきありがとうごさいます」
ばあちゃん「うちは…ずっと工場をやっとって」「ひとみを一人にさせることも多かったけどなぁ」
じいちゃん「そやな…」「ひとみが行きたいとこどこにも連れていけんかった」「かわいそうになぁ」
ばあちゃん「この人にさせよう」ひらめいた顔しとる
耕助、「んっ?」って顔
じいちゃん「えっ?」って顔「あっそうや、耕助君出番や」
耕助「へっ?」って顔
ばあちゃん「わたしらがでけへんかったことあんたがひとみにしてあげるんや」
耕助「約束しますどこへでも連れていきます!」「世界中どこへでも連れて行きます」「沖縄でもウユニ塩湖でも」
じいちゃん「ど…どこやそれ」
耕助「あっいや僕もようわかりません」「昨日テレビで見たどっかきれいなところです」
ばあちゃん「ええやん!私らがしらんとこ私らの娘が行くんやで!」じいちゃん、ばあちゃんが盛り上がる。
耕助「ひとみさんを絶対にひとりにさせません」
じいちゃん、ばあちゃん「し~ぬまでわたしを~♪、死ぬまで私を」歌い踊りだす。ママ歌いながら入場。
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現実の世界
ばあちゃん洗面台にて、歯磨き中。
ばあちゃん「約束やで」
今は亡き耕助「約束守れんですんません」ばあちゃんの隣で歯磨きしながら
ばあちゃん「あかん」
今は亡き耕助「あかん言われましても僕もう死にましたから」
うがいのタイミングで耕助と草太が入れ変わる。
ばあちゃん「あかん!」正気に戻る。
草太「ガラガラガラ」普通にうがいをする。
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草太の夢の中
午後10:17’
暗い中、耕助の遺影とお供えクッキーのアップ。草太がスマホのライトで照らし“じっ”と見ている。
:草太君、自分が買ってきた“クッキー”パパが食べるところ見ようと…撮影してる?
暗いリビングで執筆中の七実、おなかが空いたと見えて
お尻ペシペシしながら“クッキー”を奪いに動くも草太に阻止される。
七実「ちぇっ」昭和な表現。
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七実の夢の中
場面は屋外
空腹と言う苦痛を解消するために彷徨う七実。
通りから下へと降りる階段の先に、屋台のラーメン屋。引き寄せられるように階段を降りる七実。
“巨匠”の文字の赤ちょうちん、隙間から見える人影、目が合う。
「いらっしゃい」
“はっと”する七実「瀬尾さん!」あのコーヒー師匠、バイトリーダーだ。
七実「どう言うことですか?」ぽかん顔
瀬尾「世の中には2種類の人間がいる」「ラーメン好きの人間とそれ以外の人間だ。そう言うことだ」ラーメンを作りながら言う。
二階堂が隣に、何か喋りながら座る。
七実「二階堂さん!何で何で何でここに?」
田口先生が隣に、なにか喋りながら座る。
七実「田口先生!何で何で?」
瀬尾さん「ラーメンお待ち」
陶山「いただきます」言いながら二階堂の隣へ座る。
七実「陶山さん!何で何で何で?」
陶山「ズズーーっ、ふーん」無言ですする。じつに、うまそうだ。
七実「瀬尾さん私もラーメン1つ」
4人皆でラーメンをすする。
七実「おいし~」
陶山「お褒めに預かり光栄です」
七実「私も褒められるのが大好きなんですよ」
皆で“七実をほめちぎり合戦”が開催される。
いつの間にか別席に旭君登場「熱っつ!」ラーメンの愚痴を呟き雰囲気を壊す。
七実「なぬ!」
「は?」陶山さん、二階堂さん、田口先生、瀬尾さん全員で
七実「あんたやっぱりまだまだ若いなぁ」「ラーメン好きじゃない上に私のことを褒める気がないんやったら」「今すぐこの最高な夢から出て行ってくれたまえよ!」
暗いダイニングテーブルのノートパソコンの上で目が覚める。
七実「はっつ!」「なんちゅう破廉恥な夢を…」
「いや待てこれネタにできるか…?」「孤高のラーメン職人、瀬尾物語…」
七実「あっびっくりした~」リビングの隅に草太がライトを点け撮影中、右手にペンを持ち、立っていた。
七実「草太はよ寝なさい」
急に、七実「あれ?私あれ持ってきてるよな?えっ・・・」ポケットを探る
:なんか変だこれ、草太の思いとか夢なのか。
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ここはボルちゃんの駐車場。
パパがボルちゃんの前で慌てている。「カギ」
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あれ、さっきの薄暗いリビングで慌てる七実。
ソファーに置いてあるトートバッグから何かを…
:わかった、わかっちゃった何探しているのか。
七実「あった」「あ~びっくりした」笑顔だ。
草太「じっ」と、その様子を撮影、右手にペン。
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“カギを探す“を起点に場面変わる。草太の脳内。
七実「何で年に一回の旅行の日まで仕事やねん」
ばあちゃん「仕事は大事や」「しかたない」パパは出かける準備中で忙しい。
パパ「行ってきます」「後ですぐ追いかけるから…」玄関でママとの会話。
パパ急いで出かけた。「ガチャン」
リビングでは小さい草太が画用紙にボルちゃんの絵を描きながら様子を見ている。
ママ「パパ後から来るから先にいこうか」皆に言うも、だらける皆、動かない。
ママ「もう皆勝手なんやから」「私も勝手にやらせてもらいます!チッ!」
それを見る草太。
夜、ボルちゃんパパを乗せ駐車場に到着。ライトが消える「ビヨ~ン♪」音。
パパが家に入ると皆でわちゃわちゃやっている。
パパ「え?」「なんでみんなまだおんの?」「沖縄は?」
ママ「明日の出発に変更してん」「うちはパパがおらんとあかん」
パパ「今から行こっか」七実きょとん顔
ママ「いまって今?」ママもきょとん顔
パパ「今日行くって約束してんやから」「今からってどうやって行くの」「車や車でその後どないかして行こ」テンションあげあっげな家族。はしゃぐはしゃぐ。
みんなではしゃぎまくる。
:これがサプライズかー
駐車場のボルちゃん前
パパ「えっない」「カギがない」
…で、ない?カギ…車のカギ。…パパ。
パパはカギを探しまくりの焦りまくる中、皆はげんなりの腐臭を放つ。若かりし草太がカギをパパにそっと渡す。
「草太!」「さすが草太や!」「救出しといてくれたんやな」「この家で大丈夫なのは草太だけやなぁ」機嫌が直る家族一同であった。
全員ボルちゃんに乗り込む
パパ「よっしゃほなボルちゃんで行くで沖縄まで」ボルちゃんライトON!「ビヨ~ン♪」音。
パパ「よっしゃ行くで」
七実「行け~!」
ボルちゃんフェリーに乗り込む。神戸を離れるフェリー。「ボ~!」
落ち着くボルちゃんの図。
伊良部大橋を走るボルちゃん。
ボルちゃんの中で盛り上がる家族。
ソーキそばを食べる家族。
灯台と夕日を見ながら散歩する家族。
「まん丸や」写真を撮る家族。
夕日と灯台お拝むばあちゃん。
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神戸の家。
草太の寝顔のアップ、笑顔。草太の夢であってました。
暗いリビング。七実は一人ノートパソコンと格闘中。
七実「私、家族貪らんともの書けんやつになってしもたやん…」
隣のママ部屋。真っ暗なベッドの中、ママはそれを聞いていた。
ママ「罪作りやで耕助」真っ暗な天井に向かって言う。
パパ耕助の弾ける笑顔がちらつく。
:ここからママか~♬
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ガジュマルの切れ目からビーチへ続く小道。家族でワイワイ上がって来ます。その後ろには沖縄の青い海。
皆、一旦上がって当たり前のようにパパとママ2人手を繋いで散歩に行く。
:ここ、さっきのソーキそば屋さん!
ふたりは会話しながら歩く。
パパ「んなら結果オーライってことで、なっ」
ママ「心配するこっちの気持ちなんかわからんやろ」
パパ「どしたん?ひとみ」
ママ「私の気持ちなんかわからんやろ」
パパ「ひとみどうしたん?」「せっかく沖縄来て楽しいことしてんのに…」「怒ってんの?」
ママ「怒ってるよ!」「先に死んでもうて」
パパ「えっ?」
ド~ん!?ママが車椅子に乗る図。
ママ「耕助急におらんようになるやなんて」「こんなつらいことどうやって乗り越えればよかった?」
パパ「ごめん」
ママ「許さへん」
パパ「ごめん…」
ママ「でも七実と草太が私を助けてくれた」
パパ「せやな。二人ともホンマええ子に育った」
ママ「2人は耕助が残してくれた宝物や…」
ママ「私はパパの変わりできたかな?」「耕助みたいになれてんのかな」
パパ「そらもう俺なんかよりひとみはもう最っ高にパパやったしママやった」「うん」「頑張った」
ママ「私ら頑張ったよな?」
パパ「そうやな」
ママ「耕助は頑張り過ぎた」
パパ「ごめんな」
ママ「お願い…」「七実に同じ思いはさせんといて」「ええよ」「いつでも見守ってくれてるって私知ってるから」「ええよ耕助」
パパ「ひとみ…」
ママ「またな」
パパうなずく。…消える。
小道に車椅子のママ1人。パパが居た場所を“じっ”と見つめている。
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神戸の家。ママの部屋。ママの寝顔は笑顔です。
隣のリビングでうたた寝していた七実が飛び起きた。「んぅ~」「おもんない…」画面を睨む。
その向こうでこちらに背中を向けるパパが水槽を見入っている。
「おもんない…う~ん…」打ち込むことが出来ずにいる七実の手がこぶしに変わる。
パソコンの画面が静かに閉じられる。
閉じられた画面の向うにパパ。驚く七実。パパのTシャツの柄に目が行く。
七実「ダサッ」
パパ「ええやろ」
七実「今見たらキツイわ」
パパ「気に入ってんのに?」
パパ、七実のスマホをいじりだす。七実に注意されるも辞めない。
七実「まあええわ」「パパにちょうど話があってさ」
パパ「え!七実も」
七実「パパも?」
パパ「どうしたん?」
七実「先言うてええよ」
パパ「七実先言うてええよ。パパなんでも聞くから」
七実「あのお供えたべてええよな?」
パパ「あれは俺のやろ」席を立ち自分の遺影前に置かれたクッキーと七実のスマホを持ち替え七実の前に再び座る。
七実「パパがおる!」「妄想でもうれしい!」「これ書ける!」
開いたパソコンを再び閉めるパパ。
七実「ちょっ…ちょっさっきから何?」
パパ「七実」
七実「パソコンの向うに世界があるって教えたのパパやで」
パパ「そうや」
七実「じゃあ止めんといて」パソコンを開き打ち込み始める。
パパ「七実、仕事楽しいか?」
七実「うん。いっぱい褒められたい」
パパ「ごめんな七実」パソコンを閉めるパパ。
パパ「この向うに世界があるって言うたん俺や」「けどこの話には続きがあって」「俺はそれをず~っとず~っと一緒にいて教えてあげられると思ってた」
七実「うんそうや」「ちょっと早すぎるバイバイやったわ」
パパ「せやな」「ごめんな七実」「あのな…」「世界はここにあるんやで」
七実…固まる。回りを見渡す。
七実「家族が世界?」パパを見る。「それがもうきついねん」
パパ「家族…」
ここからパパか!
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パパ「そうや」「俺の思いはいっつも家族と共にある」
「七実が産まれて…」「草太が産まれて」分娩室の画
ママの病室
ママ「あの子大丈夫やろか」
パパ「大丈夫や」
ママ「何が?」「何が大丈夫やねん」「学校かていじめられるかもしれん」
パパ「俺らが守る」
ママ「学校かて行かれへんかもしれん」
パパ「大丈夫」
ママ「何が?」
パパ「俺らの子やぞ」
ママ「だから何?」
パパ「何んやねん…」
ママ「私らが死んで…あの子独りぼっちになったらどうしよう…」泣き崩れる。
何も言えず…病室を出て行ってしまう。「…バタン」
夜道の中を「大丈夫、大丈夫、大丈夫…」足跡を永遠に残すように呟き歩く。
ちっちゃな七実「大丈夫?」パパのてを握り見上げる。
パパ笑顔でうなずく。
ちっちゃな七実「パパ大丈夫?」
パパ「パパ大丈夫や」
ちっちゃな七実「七実大丈夫?」
パパ「七実大丈夫やで」低い姿勢になり
ちっちゃな七実「やったー!」
“やったー!”からの
デパートでのひとコマ。
風船を草太の分まで貰って来てくれたこと。「やった~やった~」はしゃぐ七実。
パパ「大丈夫、大丈夫」
家族のために働きすぎるパパ。ボルちゃんを買うパパ。遊園地に連れて行ってくれるパパ、七実の机ランドセルを買ってくれたパパ、草太のサッカー試合を撮るパパ、そして、ある日倒れたパパ。「ごめんなぁ~」
笑顔の遺影「大丈夫や大丈夫」
見守るパパ、ずっとずっと。「俺がおるから大丈夫」
七実との続き
七実「このままかぞくのことだけ書いて朽ち果てるの恐いねん」
パパ「何を行き急いでんねん」
七実「急ぐやろ」「親早死にやし」「もっと頑張る。もっと褒められたい」「ママと草太とばあちゃんを幸せにしたい」
パパ「それにはまず七実が幸せにならなあかん」
七実「褒められる以外の幸せがわからん」
パパ「七実が幸せならみんなは幸せや」「七実はよぉ~頑張った」七実の頭をなでながら…
七実「パパあんな…」「世の中には二種類の人間がおる」「大丈夫な人間と大丈夫やない人間や」
「ばあちゃんは大丈夫」「草太も大丈夫」「ママは大丈夫やない」「私も大丈夫やない」「だから私頑張ってる」
「パパ」「よう頑張ったよな」パパの頭をなでる。
パパ、ほっとした。零れる涙。うなずく七実。
七実「あんな」「パパに見せたいもんがあんねん」
皆をそっと起こす七実。
皆で外へ…
そこには真っ赤なボルちゃん!パパも乗ってる。
ママ「耕助…」車椅子で走り寄り、熱い“ちゅっ”❤
七実「ママ時間かかったけど取り戻したで」「家族のことを書いた本の印税は家族のために使わんとな」「初ドライブはパパのお墓参りにしたいなと思って間に合わせてん」「ボルド取り戻してパパに褒められたかったんや」「私の褒められたい欲は天井知らずやねん」
皆真っ黒に着替える。
草太がパパの遺影前にあった七実のスマホを手にする…「パパ」
パパにお供えした“クッキー”が!…からっぽ。「ご来店ありがとうございました」
ボルちゃんに乗り込み出発!
パパのお墓にお参りする家族。
ママ「ビュ~ン♪」楽しそう。
草太「めっちゃキレイ」桜満開!ずっと向うまで満開。
七実「パパ?」「うちの家族今ええ感じ?」腕を組み空を見上げる。パパはすぐ隣に居るのに、見えていない様子。
隣で七実を見て満足そうなパパ。
ボルちゃんに乗り込んだ家族。
七実「さっご飯食べて帰ろ!」「私ええ店調べといたんやった」「充電切れてる?」「何で何で?」
後ろの席でパパと草太が悪い顔でニタニタしてるで。
ママ「ここから先は走りたいように走らせてもらうで」
:ボルちゃんが大揺れしとんやけど誰か降りた?乗った?
ママ「助けて欲しなったらすぐに七実を呼ぶから」
七実「うん」
ママ「せやから大丈夫」
七実「うん」
七実「見とけよ世界この家族と笑い続けてやる」笑うボルちゃん。
「行け~!」
七実の世界、リビングが映る。