楽しいことは既にやり尽くされてしまった気がする
多分僕だけじゃないと思うんですけど、「ゼロ年代コンプレックス」みたいなのを抱えてる若者オタクって多いと思うんですよね。
別にゼロ年代じゃなくて「90年代コンプレックス」でも「80年代コンプレックス」でもいいんですけど、なんだか今リアルタイムでやってるものより昔のアニメとか音楽とかに傾倒していってしまう現象。昔から繰り返されてることかもしれないけれど、僕の周りであまりにも多いんです。
なんというか、楽しいことは既にやり尽くされてしまった気がする。80年代にガンダムがあって、90年代にエヴァンゲリオンがあって、ゼロ年代にハルヒとかkeyとか色々あって今や2022年に至るわけですけど、じゃあ僕達がすごした10年代って何があったっけ。
楽しいことはいっぱいあったし面白いアニメもいっぱい見た。「君の名は」はいい作品だった。でも「君の1番好きなアニメは何?」って聞かれたら、「ハルヒです」「エヴァです」って答えてしまう人って結構いると思うんです。
僕も例に漏れずその1人で、リアルタイムで見たアニメで好きな物はたくさんあるけど、ベストは何かと聞かれれば「ハルヒです!」と答える他ない。
その結果、今のアニメをあんまり積極的に見なくなってしまった。もちろん全員そうなってるわけないけれど、皆自分の中にある「ゼロ年代」「90年代」「80年代」を追いかけてしまってるように見えるんですね。
だからなんだというわけでもないんですが、それは健全なんだろうか、という疑問が僕の中にはあります。リアルタイムで生きた時間を適当に流して、実際には知らない過去にばかり目を向けている。これでいいんだろうか、と。
美味しいところは既に食べ尽くされていて、あとから生まれた僕達は完成された箱庭で遊ぶしかないと思っている。決して味わえない過去の熱狂を疑似体験しようともがいている。これがしたかったことなのか、と。