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帰国子女を育てる ということ(その4)

海外のインターナショナルスクールの夏休みは6月末から9月上旬まであります。米国ならいろいろなサマースクールがあるでしょうが、非英語圏の国にはそのようなものはなく、自宅でぶらぶらするわけにもいかず、夏休みには私を除いて一時帰国することになります。実家に滞在します。

日本の公立中学校ではこうした一時帰国した生徒を体験入学として受け入れてくれるところがあります。受け入れてくれる、と書いたのは、受け入れてくれない学校もあるからです。

まず、春先から学校に打診します。帰国子女の受け入れに慣れている学校、異文化を取り入れたい学校、などは粛々と手続きが進みます。帰国日、健康診断、登校日、服装などなど。日本の学校は7月下旬から夏休みですから、インターナショナルスクールの授業が終わると直ぐに帰国し、7月上旬から2週間登校します。

生徒達も海外からの受け入れ経験があるようで、自己紹介が済むと、わっと取り囲み直ぐに親しくなるようです。「英語で話して」とかさもありなん、という光景のようです。

受け入れない学校というのは、帰国子女がいない、そのような受け入れをしたことがない学校です。受け入れるかどうかは校長の判断のようです。この学校とは私が直接電話で話しましたが、このようなことで教育委員会と交渉しても仕方がないので、「そうなんですね」とすんなり諦めました。生徒にとってもよい刺激になるとは思ったのですが、校長の方針なら仕方がありません。

さて、わずか2週間の体験入学ですが、あとあと考えると高校進学の分岐点だったようです。
帰国して日本の高校に進学するか、海外の高校・大学に行くか。これは子供の判断に任せました。その頃には英語の授業に慣れていましたが、どうも海外の高校・大学より、日本の学校の方が自分に合っていると思ったようです。日本の高校に行くとなると受験が必要になります。しかも苦手な国語はどの高校受験でも必修です。

それでも、日本の高校に行きたい、という自我が目覚めたのは体験入学が一因だったようです。


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