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大人になって知るいつも一緒にいた存在のこと

僕の日々は10時頃にむくりと起きて布団を上げ、部屋にある古時計のネジを捲きスタートする。

仕事と休みを自分のペースで配分しながら、0時頃に作業を終え、ゲームか仕事の続きをしてから2時〜3時頃に眠りにつく。

また起きたら布団を上げ、ネジを捲く。

これをだいたい365日繰り返す。

週休二日を身体に合わせるのが下手くそで、よく週末に体調を崩すような人だったから、毎日を繰り返して月に何度かペースを落とす「頑張れない日」を持つのが僕のちょうどよいペース。

話が逸れた。ネジを捲く古時計の話。

こいつはだいぶ長生きしているようで、昭和33年生まれの大先輩。僕が帰ってきた頃は1時間に一度時間を報せる鐘の音も短針の数と違う回数鳴り、気づけば止まる始末。

直したくなって、ここでの暮らしが少し長い姉にも話してみて、どうすれば時間どおりに動くかといろいろ試した結果、ようやく正しい時間を刻むようになる。

それから朝にネジを捲くのが僕の仕事。

忘れれば止まるし、たまに打つ鐘の数を間違える。ネジだけじゃなく振り子を自力で動かせなくなって止まることがあるのを最近知った。

まだまだ知らないことがある。

トンッと優しく動かしてあげると、また動き出す。

毎日寝て起きるときだけ一緒に過ごす古時計。あとどのぐらい長生きしてくれるだろうか。

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真士(まさし)
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