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奥大和で味わった、食べるだけじゃない「地域・人生のレシピ」

こんにちは!鳥取の大学4年&イタリアの大学院修士1年のやまちゃんです!
私は普段、鳥取を中心に国内外を転々と活動していますが、幼少期の12年間は奈良県吉野町で過ごしました。吉野町を含む奈良県中南部が「奥大和」と称されるようになったことも知らず、MYSH株式会社さんによる「奥大和学生向け体験プログラム」を知り、懐かしさと探求心に駆られて応募・参加させていただきました。


奥大和版ガストロノミーツーリズム!

今回のプログラムでは、(偶然…とのことですが)訪問した全ての事業者の方々が食に関わっており、貴重なお話を伺えました。
ちなみに、小題に「奥大和版ガストロノミーツーリズム」と記しています。ガストロノミーツーリズムとは、単に「食べる」だけでなく、その背景にある文化やストーリーを深く理解し、体験する旅行スタイルのことです。
今回のプログラムでは、食べ歩きだけでは知り得ない奥大和の魅力を発見しました!

訪問先のひとつ、片上醤油さんでの見学&味見。
味見のお供は、なんとパン…!意外と合うんです。

味わって食べることはもちろん大切。でも、それだけじゃない!

多くの素敵な体験をふまえて、奥大和を一言で表すなら、「食べることに向き合い、自分ごとにできるまち」ではないでしょうか。
今回のプログラムで訪問した奥大和の五條市・御所市は、昔から柿の栽培が非常に盛んな地域でした。今回訪問した事業者の皆様、そして製品の数々の共通点として、柿をはじめとした奥大和ならではの食を、「この奥大和から」「私たちから」提供していこう!というような、積極的かつ共創する姿がありました。

ここでは、さかもと養鶏さんを例にご紹介します。
プログラム初日・最初の事業者訪問先として、さかもと養鶏さんの奈良五條本店直売所へ伺い、共同経営者で育児奮闘中のみやびさんに案内していただきました。

鶏舎の横の作業所にて。卵のサイズや特徴、
出荷までの工夫等、実際に見学して驚くことばかり。
さかもと養鶏さんの公式HP:https://sakamoto-yokei.com/

さかもと養鶏さんでは、鶏にとってストレスフリーな環境を大切にしており、飼育スペースの清潔さや鶏たちがのびのびと過ごせるような工夫が施されています。健康な鶏が美味しい卵を産むために、日々どのような環境管理を行っているのか、一つ一つ丁寧にお教えいただきました。
また、消費者に安心・安全な製品を提供し、皆さんの笑顔につながることも目指しています。養鶏場としては小規模ながらも、大きな愛と思いやりをもって運営されており、その姿勢が卵の品質にもしっかりと表れていました。

お昼ご飯の卵サンド&温玉入りサラダ。
卵の加熱加減に関係なく、まろやかでクセのない味。

さらに、常に向上心を持ち、より良い環境作りや製品開発、販路拡大にも取り組まれており、この姿勢が、地域に根ざした信頼される養鶏場としてのポジションを築いているように感じました。五條市の片上醤油さんと連携して、濃口醤油と柿チップをブレンドしたさかもと養鶏オリジナル商品を販売したり、重要伝統的建造物群保存地区である新町通で約100年続いた「餅商一ツ橋」の跡地にチャレンジショップとして2年間限定での無人販売拠点を設けたり...と、様々な取り組みがいたるところで展開されていました。

直売所の陳列棚。柿たま醤油の他にも
色々な商品が並んでいて、どれも美味しそうでした。
2年間限定・無人販売のチャレンジショップ。
まち歩きの帰り際、期間限定のプリンをいただきに。

こうした「幸せ」を基軸としたヒトと鶏、そして地域との関係が、日々の仕事に対する楽しさや誇りを生み出し、お客様や地域の方々にも「幸せ」を届けているのではないでしょうか。愛情と努力がしっかりと詰まった卵、そして、さかもと養鶏さんで育まれた「幸せ」を、これからも私たちの食卓で大切にしていきたいです。

さかもと養鶏さんをはじめ、この奥大和では、業種関係なく手を取り合って“里山のめぐみ”を守り、未来に残していく前向きな多くの方々と出会えました。そして、出会った全ての方々が、地域の農産物や生活、歴史、文化、自然環境を大切にし、個性や多様性を尊重されていました。

時間をかけたプロセスだからこそ生まれる「価値」

今回のプログラムでは、事業所への訪問だけでなく、事業関係者の方々をお招きしたBBQ交流会でもお話しする機会がありました。その中で非常に印象的だったのが、
「売れ筋も大事だけど、そこまで追いすぎず、私たちが本当に好きで、大切だと思うものをを作り、伝えて、そして継続している。」
という言葉です。

夜遅くまで話題が尽きなかった交流会。
ビジネスの秘訣や移住・人生経験も伺いました。

楽観的に考えれば「自分が好きなことだけを淡々と続ければいい」と、簡単なように感じてしまいますが、実際にビジネスとして成り立たせるのは容易ではなく、小売業の神髄に達します。今の世の中は「食べること」のアクションを他人任せにしがちな時代です。しかし、奥大和では、食べることを自分のこととして捉え、地域の人々とつながりながら、食と真剣に向き合って生きる人々の姿がありました。

奥大和での気づき:人生のレシピにおける「奥大和産スパイス」

幼少期を過ごした場所であり、かつては豊かな自然と観光地が点在する印象しか持っていなかった奥大和ですが、プログラムを通じて出会った地元の生産者や事業者の方々の熱意に触れることで、「食を通じたコミュニティ」としての魅力に気づかされました。単に「売れるもの」を作るのではなく、「自分たちの好きなもの」を大切にし、継続的に作り続ける姿勢が奥大和の魅力を一層引き立てています。食材一つ一つに込められたストーリーや情熱は、私の心に深く響きました。
また、私の専攻であるランドスケープデザインやまちづくりに関しても多くの学びや気づきがありました。地域資源を最大限に活用することやコミュニティ連携の重要性、愛情と責任を持ったビジネスモデル、地域の歴史や文化を反映したデザインが持つ力、そして、食を通じて育まれる関係性が地域の未来を共に創る大きな要素であることを実感しました。これらの気づきは、まさに私にとっての「奥大和産スパイス」です。

御所駅近くで散策。
街並みも仲間も、大切な「つながり」のカタチです。

地域の風景をつくる「食」:一緒に奥大和へ行きませんか?

食は単なる栄養源ではなく、地域の風景や文化を映し出す重要な要素です。奥大和では、美しい自然とともに育まれた食材が、地域の人々の情熱を通じて新たな価値を生み出しています。そして、この奥大和の生産者や事業者が大切にしているのは、「単に売れる食材」ではなく、「その土地ならではのストーリーや味わい」です。このような取り組みが地域創生には不可欠であり、今後も地域資源を生かし、食を通じて人々がつながることで、未来を切り拓く力が生まれていくと信じています。

今回のプログラムを通して奥大和の魅力を体験したことで、私自身、奥大和の発展にむけた小さな一歩だと思います。
拙く長~いnoteを読んでいただいたそこのあなたも、ぜひ、その一端を担うような一人になりませんか?

この2日間で出会えた奥大和の皆様、そして、
気づきを共有し合えた学生のみんなに感謝。

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