自傷行為と保健室
【はじめに】
今回の記事は自傷(主にリストカット)について載せています。もしかしたら読んでいて辛い気持ちになるかもしれません。不安な方は申し訳ないですが、バックしてください。
記事にしようと思った理由は、「やめたいけどやめられない」と1人で抱え込む人の力に少しでもなれればと思ったこと。
そして、そういう子をサポートしたいと思っている人のためです。
保健室を訪れる子は意外といる
今まで30〜40人程手当てをしてきたが、来室人数だけのカウントなので実際はもっと多いと思っている。
女子が多いが、男子も珍しくない。
あっけらかんと「切っちゃった」と言う子もいれば、「猫に引っ掻かれて」と隠し通そうとする子まで様々だ。
ただ、どの子も何となく「自傷はよくない」と思っている。
自傷の理由
これも理由は様々だが、自分の中でしっくりきているのは「今日まで生きていくには切らざるを得なかった」
そして、原因の半分は私たち大人の責任だと申し訳無さを思っている。
彼らが過去に困難な出来事とぶつかったとき、話を聞けていなかった。それが積み重なっているように感じるのだ。
最初は「忙しいから」等と適当に話を聞いたり、聞かなかったりする。
相手にされなくなると、身体症状を訴える。
初めのうちは優しくされても、繰り返すことで「また?」「仮病でしょ」とあしらわれる。
そうなると、もう辛さを表現する手段がなくなる。
「痛い」と言っても聞いてくれないなら「死にたい」になる。
子どもたちはよく「生きているかわからなくなったから切った」と言うが、言葉で伝えなくても痛みが可視化されることで辛さが伝わりやすくなる。
辛さを理解してほしい気持ちと、またいつ冷たい反応をされるかわからない恐怖の狭間に立たされている状態だ。
正解の対応は無い
私も「死にたい」と言われるとさすがにドキッとする。鬱病などの可能性も考慮すると、気持ちとしては早く医療機関に繋げたい。
しかし医療機関へ行くことに抵抗ある子は多い。
保健室に相談することもとても勇気を要したのに、また別の、しかも全く知らない人に話すしんどさ。
何より医療機関にかかるということは、最も知られたくない親に伝わる。
(でも1番理解してほしいのは親だったりして、複雑だ)
それでも医療機関に繋がるメリットは大きい。
・自分の努力や根性の問題ではないと知れる
・学校を卒業したあとも継続的にサポートを受けられる
・自分が合う医療機関を選択できる
重要なことは、医療機関に繋げれば安心、終わりではない。
医療機関は多くても月数回しか行かないが、子どもの生活の主体は家庭や学校にある。
このことを多くの大人が誤解をしている。
自傷は習慣化すると、戻すことが難しくなる。
正解の対応はないが、彼らの気持ちを想像しながら次のことに気をつけている。
まず「継続」を意識すること、
そして、自傷を見た時の反応を最初と大きく変えないこと。
自傷が続いたときに対応の慣れが出てくると、冷たくされたと思う子もいると思うからだ。
自傷行為を止めて欲しい気持ちはもちろんあるが、本人も頭ではダメだとわかっているので、たまに確認する程度にしている。
私ができること
手当てをして、彼らの言葉をしっかり聞く。
話の節々から伝わる、うまく話せないかもという不安。
こんなこと話していいのかという戸惑い。
誰かの憎しみや自分自身の否定。
頑張ってきたこと、頑張ってもつらかったこと。
本来はカウンセラーさんが専門なので、スクールカウンセラーさんと話すことができればそれが最適だとは思う。
私1人の力は悲しいくらい小さいけど、聞いた話を代弁したり、周りにいる頼れる人たちと連絡をとることができる。
最後にメッセージ
誰かに相談するのは大きな勇気が要る。
でも、誰もが自分自身を助ける力を持っていると私は信じている。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。