【九州旅行記7】昨日の寂しさは今日の喜びのスパイス
見渡す景色は朝日に照らされて輝いているように見えました。
3日前に登山したばかりなので、軽くこの草原を散歩するに留めてもいいかもしれないと思うくらいに、ずっと眺めていたくなる景色でした。
しかし、せっかく阿蘇に来て、せっかく火山に来たのです。
普段と違う山登りを味わうため、火口へと向かいます。
旅の最中ではありますが、車で通行する有料区間を惜しみ、登山を往復1時間ほど追加することにしました。
皆が車でスイスイ進むのを横目に、登山銅へと進む私。
きっと地球の裏側でも、私は変わらないのでしょう。
天気も崩れそうだし、疲れもそこそこあるしで、本当はハイキング程度に抑えるつお守りでしたが、普段見慣れない山の景色に先へ先へと進んでしまいます。
火山灰で覆われた平原やはっきりみて取れる地層、崩れた大岩、気がない登山道。
登山の道中を面白いと思わないエセ登山愛好家ですが、この山はなんとも面白みがありました。
相変わらず山頂からは何も見ることができないのもご愛嬌。
火口の付近にも足を伸ばしましたが、中国語が飛び交っておりました。
中国には火山がないのでしょうか?
ここまでがっつり登山をする予定ではなかったので、チェックインの時間が迫ってきておりました。
昼食は熊本城付近で食べたあか牛のリベンジに燃えており、こちらも外せません。
車を遠くに停めた弊害もあり、下山は登山靴ながら火口から小走りで降っていきます。
旅ですから。
観光も食事も温泉も、やりたいこと全部やるためには走ります。
そういう若さが、私の中にまだ残っている喜びすら感じます。
阿蘇を降りていく景色も素晴らしいものがありました。
しゃぶしゃぶの鍋のように山の麓に町が広がり、また山に囲まれた景色はこの阿蘇ならではの景色でないでしょうか。
運転のため写真に収められなかったことが悔やまれます。
お目当てのあか牛のお店に着くと、ざっと20人くらいはいました。
1時間は最低でも待つ具合です。
1時過ぎ。宿まで1時間、チェックインまで1時間半。
しょうがありません。ここまできて、最高の昼飯を諦める選択肢は取れません。
名前を書いて待って5分。
カウンターでレジ横の1名分が空いたとのことで、ごぼう抜きで案内されました。
昨日の夜、寂しさを味わいましたが、そんなもの吹っ飛びました。
一人って最高です。
あか牛は嘘のようなうまさでした。
肉の質がまるで違います。これよりうまい丼があるなら教えて欲しいです。
卵や山葵なんて必要ないほどにお肉のほどよい甘さに頬が落ちます。
最初に食べた時の違和感を信じて良かったです。
あの味で満足し、この味をスルーしていたらと思うとゾッとします。
大満足で宿へと向かいます。
登山を楽しみすぎたせいで、通りたかった道へ迂回せず、急ぎます。
宿は、湯布院のはずれ。
客室が4つと小さい宿ですが、個室風呂が3つと、ずっと温泉に入れるかもと淡い期待を寄せて決めました。
あとからわかりましたが、この日は私ともう一組だけ。
おかけ様で夕飯前、夕飯ごと何時間も温泉に浸かっておりました。
小さな小屋で仕切られ、完全な一人でひたすら温泉に浸かる贅沢を、30を超えてようやく実現できました。
普段はケチってビジネスホテルばかりですので、それはもう念願の贅沢なのです。
お夕飯はしゃぶしゃぶを選択。
他はもつ鍋、地鶏鍋などから選べました。
前菜やお刺身、鳥の天ぷら、締めのうどんで贅沢すぎる料理を堪能し大満足です、
宿の方と少しお話もしました。
こういうあたたかいサービスに触れると、安く抑えることに目が行きがちな視野の狭さを考え直さなけれならないかもしれません。
立派なお宿ではないのでしょうが、私には非常に価値のあるホスピタリティを享受しました、
湯布院にもし再度赴くなら、リピートしたいと思えることって、素晴らしいものだと思います。
旅もいよいよ大詰めですが、ここにき充実した一日を過ごしました。
九州はどこまで私を楽しませてくれるのでしょうか。