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【偏愛日記】脚本の世界 〜着飾る恋には理由があって〜

ドラマが大好きで、小さい頃から何本ものドラマをみてきたのですが、2018年に放送された野木亜紀子さん脚本「獣になれない私たち」を観てから、個人的に好きなドラマは脚本家さんで決まる!と気付きました。

好き嫌いと言っても難しいもので、とにかく気晴らしに見たいドラマと、心にセリフが残って、見終わった時にまだドラマの世界にいる感覚が残るドラマなど…
見る人によって捉え方は様々だと思います。

今回は、2021年春ドラマから、金子ありささん脚本の「着飾る恋には理由があって」について、つらつらと書き連ねていきたいと思います。

ストーリーは…
綺麗に着飾ることで自分の居場所を得ていたヒロインが、価値観の違う人々とひとつ屋根の下で暮らしながら、恋をしたり、友情を深める中で、着飾るという鎧を脱ぎ捨て自分らしく生きる姿を描く“うちキュン♡”ラブストーリー。

(ヒロインの川口春奈さんが可愛すぎるし、横浜流星さんがイケメンすぎるし、向井理さんは人生で初めて高校生の時に写真集を買ったくらいに顔がタイプすぎるし…キャストさんの素晴らしさは、ここでは語りきれないのですが…
今回は、脚本にだけ注目していきますね。)

それはもう、キュン♡となる台詞が至る所に散りばめられているのですが、私が好きなところはそこではなくて、物語の中で登場人物ひとりひとりの気づきやうちに秘めていた想いが外に出てきた瞬間なんです。

いくつか、お気に入りのセリフたちを紹介します!

「20代は、本当にきつかった。
管理栄養士とはいえ、普通に会社勤め。
毎日業務に追われて……
出来ない事だらけで」

「30代、仕事でやらなきゃいけない事がわかってくる。
でも、また次の悩みが出てくる。
結婚、出産……、
誰とどう生きるのか。
ひとりのままなのか」

「40代を過ぎると、仕事の先行き、家計、親の問題、
もっと悩みは複雑になって、
一周回って大事なのは健康ってとこに行きつくの。
もう今となっては、健康で、いかに美味しくお酒が飲めるか。
それだけよ」


ヒロインのお姉さん的存在の、50代の女性(香子さん)のセリフです。
このドラマ、実は脚本・演出・プロデュースが全て女性で作られているのですが、その3人の思いが込められているというか…
3人が通ってきた道、その時の苦悩とかを、さらっとセリフに落とし込んでいて、これを聞いた各世代の人たちへ向けた応援にも感じ取れる。

最後の、「もう今となっては、健康で、いかに美味しくお酒が飲めるか。
それだけよ」ここで締めることによって、
いつだって、その時々の苦悩があるけれど、それでいい。そのままでいい。それを乗り越えてきたってすごいよ。これからもきっとたくさんの壁が立ちはだかると思うけど、きっと大丈夫!
と、人生を肯定してくれているような気になれる。

ここのセリフが好きすぎて、そこだけ何回も再生するくらいでした。
そして、2話目だったので、「あ、この脚本、絶対に好きだ!」と確信したと瞬間でもありました。

「誰かに何か、言われなきゃ駄目なのかな。
誰かに『必要だ』って言われて、『役に立ってる』って言われて……
そういうのが幸せ? 俺は自分で決めたい。
自分の価値は、自分で決める。
誰にも左右されない……そうなりたい。」


SNSで簡単に他者から評価をされてしまう時代。
それ以外だって、気にしないようにしても、どうしても気になってしまう評価、上司・同期・後輩からの視線。
気にしたって意味がないってみんなわかってるけれど、どうしたって気にしちゃう。
そんな現代の若者に対しての台詞でもあり、脚本家さん自身の決意ともとれるような台詞。

「どこまでも行くよ。『いつか』は『今から』だから。
いつか、こんな事をやりたい。
そんな『いつか』は来ない。『今から』やるしかない。
成功よりも挑戦を目標にしたい。とにかく前に進む。」


この台詞は、もう、一生心に刻むと決めました!!
いつかなんて来ない。だから、今、この瞬間動く。
今を変えられれば、未来が変わる。


本当は、もっともっと、大好きな台詞たちがあるんですけど…
キュン♡とする台詞も挙げればキリがないんですけど…


ドラマって、表面的には役者さんにスポットが当たって、面白いな〜来週も見たいな〜と思ったりすると思うのですが、私が思うドラマの魅力は、全ての物語の土台となっている脚本にあって。
脚本をもとに、その物語をより魅力的にするための舞台セットやロケ地の設定、カット割の決定、音楽の当て方があって…
さらにそれをより視聴者へとダイレクトに届けるのが、役者さんの演技だと思うのです。

脚本は、その脚本家さんの思想や経験がどうしたって滲みでてしまうから、脚本家さんが魅力的な人生を歩んでいないと、誰かの胸に届く物語はできないと思っています。

ちなみに、「着飾る恋には理由があって」のチームは、プロデューサーの新井順子さん、演出の塚原あや子さんがめちゃめちゃ最高のタッグで、この2人の作品はどれも最高です!
(MIU404、アンナチュラルなど…どちらも脚本は野木亜紀子さん)


これを読んでくださった皆さんに、ドラマを見る時の新しい切り口として、脚本の世界を知ってもらえたら嬉しいです!

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まだらー
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