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クラッシック音楽#2 ピアノ演奏会【務川慧悟 連続演奏会】


務川慧悟 5夜連続演奏会

2023年12月4日(月)〜8日(金)


”性質の異なる2つのプログラムと、実験的なプログラム”

 ・Aプログラム 2日間:バッハ、フランクなどを中心とした厳かな音楽
 ・Bプログラム 2日間:シューマン、ドビュッシー、ショパン、早坂文雄、ラフマニノフの内省的な音楽
 ・スペシャルプログラム 最終日:ABプログラムを織り交ぜ実験的試み

Aプロ、Bプロ、そして最終日は何を演奏するのかわからないまま会場へ。
バッハで始まりバッハで終えるプログラム!
休憩なしで、トークを交えながら2時間(当初は1時間半の予定だったとのことですが、大サービスですね)。
アンコール最後の曲は、Bプログラムにあったドビュッシーの花火。
「思いっきり打ち上げようと最後に残しておいた」というお茶目さ。
アンコールでは写真・動画撮影OK、
「SNSに#務川慧悟アンコールと記載して投稿しましょう!」
という、これが実験的試み

クラッシック音楽の世界でこれほど実力と人気を伴う演奏家も、これからの演奏会は、やはりSNSを活用していく時代なのでしょう。
いや、むしろ彼のような演奏家が発信することで、広くクラッシック音楽界を盛り上げる一端を担っていくのでしょうね。

月曜日から金曜日まで連続5日間。
3種類のプログラムの演奏をするのだから、弾く方はさぞかし大変だろうと思ったら、このように話していました。

「演奏会という非日常の事を連続でおこなう事で、まるで家で弾いている、生活の一部のように演奏をしたい。」


Aプロ、Bプロ、最終日と、3日間を満喫。
行かなかった2日間のアンコール曲が気になるという贅沢な悩み。
今年の運をチケットの抽選で全部使い果たしたけれど、年の瀬に自分へのご褒美となりました。


浜離宮朝日ホール


ホールが素晴らしい。
務川さん本人も「大好きなホール」と話されているとおり。
約500席で音の広がりも心地良く、ピアノソロリサイタルには丁度いい広さ。
サントリーホールや東京芸術劇場、東京文化会館など2000席規模の大ホールはもちろん素晴らしいけれど、オーケストラや舞踊などの大所帯に向いているように思えます。
ソロや室内楽などは大きすぎないホールの方が、息づかいまで感じられるようでもあり、臨場感を堪能!

昨年12月は、ここ浜離宮朝日ホールで、Aプログラム(バッハとラヴェル)2日間、翌週にBプログラム(ラモーとラヴェル)2日間と、2週に分けておこなわれたので(これがまた素晴らしく、忘れられない演奏会)、
来年はどのような試みを見せてくれるのか、12月=浜離宮=務川慧悟 と、年の瀬の風物詩にして欲しいくらい、気が早いけれど今から楽しみです。

浜離宮朝日ホール


務川慧悟という演奏家


言うまでもなく、演奏が素晴らしい。
決して派手ではないプログラムと深い思いのこめられた構成。
ちょっと控えめな語り口で、作曲家や曲への思いや今後の展望などを語られ、真面目で真摯に楽曲と向き合っているんだろうなと見受けられました。
時にはユーモアも交えながら、会場全体を虜にする。
そして私も魅了された一人。


務川さんが語っていた、今後の展望を備忘録的に書き残しておきます。

1.ドビュッシーの前奏曲集第1巻・第2巻の内、色彩豊かな第1巻と比べ色彩を抑えたモノクロのような第2巻全12曲をまとめて弾く

2.ショパンの哀愁漂う後期の曲(Op.50~54)を弾く
 Op.50 3つのマズルカ
 Op.51 即興曲3番
 Op.52 バラード4番
 Op.53 英雄ポロネーズ
 Op.54 スケルツォ4番

今回のプログラムにも入っていた曲に新たに加えて、今後も楽しみですね。



昨年は30回ものリサイタル、しかも今勢いに乗っている若手の演奏家たちの演奏を聴いたのですが、それはまるで聴き比べのようでもあり、とても贅沢な時間でした。
みんなそれぞれ個性的で、キラキラしていて眩しい!
若いって素晴らしい!
その中でも務川慧悟という演奏家は別の次元にいるような、実に魅力的な正に芸術家という風格で、これからも目が離せません。

アンコールは撮影可


今年2月に予定されていた幻の演奏会
藤田真央さんとの共演、いつか実現して欲しいですね。

幻の演奏会

読んでいただき、ありがとうございます。

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