離婚への道〜あの日の記憶〜
本当は幸せな家庭を築きたかった。
心から。
それには、努力が必要だった。
努力もした。
ただ、うまくいかなかった。
結婚生活は、その関係性において、お互いの鏡みたいなものって、そう思ったから、頑張ったけど。
うまくいかなかった。
結婚生活は片方の努力だけでは成り立たないことを知った。
たくさんの要因があったと思う。
岐路というか、分岐点も。
Episode 021
あの日、
明け方になっても連絡がつかず。
玄関のドアが開いたのは、朝になってからだった。
私 「お帰りなさい。どうしたの、大丈夫だった?」
夫 「うん。」
無表情な夫から、彼のロジックによる、淡々とした説明。心配して待っていた私への配慮や、思いやりみたいなものは、全く感じられない。
壊れた関係性。私は、なんて返していいのかわからず、、、。
その日は健康診断の日だった。
電車に乗って、いつものクリニックへ。
淡々と、ベルトコンベヤーに乗ったように、機械的な順番で、モヤモヤを抱えながら、検診を受けた。
検診が終わって、家に帰る時間。
帰りたくなかった。
夫はきっと、家で仕事をしているから。
会いたくない、同じ空間にいたくない。
一緒の空間にいると、玉ねぎを食べたときの、胸焼けをしているような、玉ねぎガスが、体中に広がるから。
とはいえ、帰らなきゃ。
ちゃんと、話をしなきゃ。
帰り道、家の近くにあるコーヒー屋さんに立ち寄って、彼の好きなカフェラテを2つ買った。なんとなく、そうすることで、少しはほぐれるかなって。ちゃんと話せるかなって。自分なりに、寄り添おうと決めて。
私 「ただいま。コーヒー買ってきた。飲む?」
夫 「今仕事中だからいい。」と彼の仕事部屋から声が聞こえた。
私 「そっか、わかった。」
またひとつ。もう無理なんだなっていう経験が積み重なった。