TRPGコンベンションの開催運営方法の書き起こし⑤
TRPGコンベンションと銘打っている以上、スタッフとGMだけでは成立しません。
そう、参加者としてPLの方を呼ばねばなりません。
TRPGコンベンションはPLが揃わねば卓が成立せず、3分類されるヒトの中でも最も多数派となる存在です。
では、たくさんの人数を呼ぶために必要な準備の話をしていきましょう。
4.ヒトの話〜PL集める前に決めておくこと編
そしてPL編は話が長くなるですよ(予告)
PLを呼ぶためには、身内コンベンションでしたらPLは個別に連絡をとって参加しませんか?と声をかけていけば良いですが、一般募集をするのならば何かしらの告知をして募集しなければなりません。
いつ募集をかけるのか?ということに関しては、開催方法によっても多少前後しますが目安として「2ヶ月前だと仕事の休みも確保しやすい」ことを念頭に入れるといいです。
では、募集をする前にいくつか決めておくことがありますので確認しましょう。
PL参加者がそのコンベンションへの参加を判断するために確認することとして
・日時
・場所(会場位置)
・参加費用
・GMやシステム
・参加方法(予約or当日受付)
・希望卓に入れるか否か(卓分け方法)
・その他(持ち物や規約など)
があります。
日時は会場予約して開始時間と終了時間を決めていれば問題ないです。大体のコンベンションでは6時間プレイできるように11時~18時(昼休憩1時間としている)は確保するところが多いので、参考にしてください。
場所も会場の予約場所を書けば問題なし。
参加費用は「TRPGコンベンションの開催運営方法の書き起こし②」にて書いたようにしてこのタイミングで決めておくべきでしょう。大体のコンベンションでは500~3000円ぐらいとなりますが、会場の予約費との兼ね合いで考決めてください。予約費が高い会場を借りた場合は「この会場は凄いんだぞ!」と会場の良さをアピールしておくと参加費用が高くても参加者が集まりやすくなります。
GMやシステムは、事前に依頼したり募集したGMに何のシステムをするのかを確認してサイトなどに掲載するだけで構いません。もし、当日にGM受付するかたちのコンベンションをする場合はこの部分は不明のままとなります。
参加方法は「どうすればそのコンベンションに参加できるか」を明記することです。希望卓に入れるか否かも大事な部分なので、これは両方とも細かく説明しましょう。
参加方法(完全予約受付〜完全当日受付の違い)
コンベンションにPLが参加するには大まかに3つの参加方法があります。
1.完全予約受付
2.予約受付と当日受付の併用
3.完全当日受付
それぞれのメリット/デメリットなども含めて解説しましょう。
1.完全予約受付はコンベンション開催日より前にPL参加を受け付けて予約してもらうシステムです。
参加者側のメリットは予定が合わせやすいこと。早めに日程が分かって予約できると必ず参加できる安心感を与えれます。
スタッフ側のメリットは何人PLが来るか判明していること。これにより卓の人数調整が事前に行える(人数が少ないようだったらGMへ人数調整を依頼したり)ことと、やはりコンベンション開催して当日人が来ない事態を避けられることでしょう。
デメリットはスタッフ側に強く作用しやすく、応募期間中に人が集まらない可能性があること。これにより逆に人数調整ができないことも発生します。また、体調不良などの直前キャンセルに影響を受けやすい事も大きなデメリットとなります。当日の朝にキャンセルが複数人発生するとどこかの1卓が人数不足でセッション不可になったりすることもあるので大変です。
次に3.完全当日受付を説明しましょう。これは当日の朝にコンベンション会場に来てくれた人だけを参加受付するシステムです。
参加者側のメリットは予定が直前まで決まらない人でもPL参加できることです。どうしても仕事などの都合で2ヶ月前とかに予定が決めれない人もいますので、そんな人でも参加できるのが強みです。
スタッフ側のメリットも当日ふらっと遊びに来てくれる人が集まりやすいことでしょう。
デメリットは参加者側もスタッフも共通で「誰がどれだけ来るか分からないこと」です。参加者はやはり同卓NGな相手と会ってしまうデメリットがあります。もちろん完全予約制でも参加者を公開していなければ同じですが、その場合は「なぜ参加者を公開しないのか」を明確にしておかないと炎上のもととなるため注意しましょう。
スタッフ側にとっては何人参加者が集まるかが分からないと何卓セッション可能になるのかが見通しつかないことが一番のデメリットになるでしょう。
2.予約受付と当日受付の併用はそれぞれのメリットとデメリットが合わさると考えておきましょう。
参加者側のメリットは「予約が取れれば予定が合わせられること」「当日受付ならば予定が直前に合わせられること」
スタッフ側のメリットは「予約が埋まれば何人PLが来るか判明していること」「当日受付でふらっと遊びに来てくれる人が集まりやすいこと」
参加者側のデメリットは「当日受付で同卓NGな相手と会ってしまうデメリット」
スタッフ側のデメリットは「予約応募期間中に人が集まらない可能性があること」「当日受付で何人参加者が集まるかが分からないこと」
こう並べると分かりにくいですが、2.予約受付と当日受付の併用でいいとこ取りをする最適な形が「予約制で事前にPLをすべて募集しておいて、直前キャンセルが出た枠だけ当日受付にする」でしょう。
最近はこのメリットいいとこ取りをしたコンベンションもだいぶ増えてますし、最初のコンベンションから有効な方法ですね。
希望卓に入れるか否か
では参加者が希望卓に入れるかどうかの大事な部分、セッションごとのPLを振り分ける部分である通称「卓分け」を説明しましょう。
・事前抽選の卓分け方法
これは予約受付制の参加者へ参加希望の卓をアンケートで確認し、コンベンション当日までに抽選などで参加卓を決定しておく方法です。
参加者へは第3希望まで確認しておいて、抽選はスタッフで行いましょう。抽選方法はアナログ(スタッフ作成あみだくじなど)でもデジタル(抽選アプリなど)でも構いません。そして抽選結果は参加者へ連絡しておかねばなりませんので、参加者全員のメールアドレスなどを事前に確認しておきましょう。
抽選内容は公平性を保つために公開しても構いませんが、やめたほうが良いでしょう。予約制のメリットである同卓NGの人を避けられる、という部分が無くなってしまうからです。ですのでその辺を考慮に入れながら抽選を行うためには抽選内容の公開は避けましょう。
もし直前キャンセルなどで1卓中3人も来ないと、セッション不可能なぐらいにPLが足りなくなってしまいます。その場合は当日受付の参加者を募集したり、スタッフをPLにしたり、元々の卓参加希望を元に他の卓参加者へ移動できないか確認したりするといいでしょう。
・当日抽選の卓分け方法
これは当日の朝、全員が集まってからどの卓に誰が参加するかを決める方法です。これならば事前予約制も当日受付制もどちらも卓分けできます。
やり方は複数有りますが当日朝の開会式(のようなもの)までに「GM名とシステム名と参加できる人数」を必ず記載した紙などを掲示しておきます。
GM名、システム名、シナリオ名、あればトレーラー(今回予告)、あればハンドアウト(PCの初期状況の説明文)、参加できる人数、あれば使用するルールブックや選択ルールなどなど。この辺は最近のTRPG界隈ではトレーラーを画像にしたり一覧にしたりする文化になってきたので、最低書いてほしい事だけ伝えれば良いかもしれません。
また、コンベンション告知用に作ったサイトやTwitterで事前に告知しておいたものをパンフレットなどに記載しておくのもアリです。
このようにGM情報を書いたパンフレットを配っておいたり、ホワイトボードや黒板にGM情報を書いたり、GMが自分で用意したトレーラー画像を貼ってもらったりして参加者の目にとまるように掲示します。
そして開会式の終わりぐらいに各GMに自己紹介&PRをする時間を取ります。一人1分~3分ぐらいで。
そのへんの情報を参考にしてもらって参加者へ希望する卓を選んでもらうのです。
参加希望はどういう風に確認してもいいです。あるところは挙手制ですし、あるところは掲示用に使ったホワイトボードなどに参加者が自分用のマグネットを貼る方法ですし、あるところはメモ紙に第3希望まで書いてもらってスタッフ側でのくじ引き&調整で分けています。
このように当日抽選の卓分けだとコンベンション当日朝がまぁまぁ慌ただしくなります。慣れていないのならば「完全予約制+事前卓分け制」がはっきり言って楽です。当日本当に楽です。キャンセルの人がいない限りは。
コンベンションにおいて卓分け方法はGMからもPLからも不満が集まりやすいので、かなり気を使ってください。コンベンションに慣れてくればくるほど大きく立ちはだかる悩みのタネ、それが卓分けではないかと私は考えてるほどです。
卓分け方法が上記の説明ではいまいちよく分からない方は、どっかのコンベンションに行ってみましょう。こればかりは見て体験するほうが分かりやすいです。
さて、長々と語りました。
これでもかなり端折っています。本当に。
次回はPLや参加者を集めるために必要な告知などの「広報」の話となります。
この話のためだけに嘘のコンベンション告知サイトまで作って説明しますので、お楽しみに。