TRPGコンベンションの開催運営方法の書き起こし②

やはりお金の問題は後々に響いてきやすいので今回はカネに関する細かな話をしてみよう

2.カネに関するいろんな話

最初に予算を決めて会場を予約したが、この金をどういう風に扱うかでコンベンションの運営が大きく影響される。

①完全に主催者負担で参加者(GMとPL)からお金を取らないパターン。

②会場予約にかかったお金を主催と参加者で人数割してセッション開始後に会場で回収するパターン。

③会場予約にかかったお金の人数割分をキリのいい金額に設定して会場受付時にもらうパターン。

④会場予約にかかったお金を主催とPLだけで人数割にして(GMからはもらわない)セッション開始後に回収するパターン。

⑤会場予約にかかったお金を主催とPLだけで人数割にして(GMからはもらわない)キリのいい金額を会場受付時にもらうパターン。

⑥会場予約にかかったお金とその他の経費を合わせて人数割にしてからキリの良い金額でもらうパターン。

それぞれに特徴があるので順を追って説明していきますね。


①完全に主催者負担で参加者(GMとPL)からお金を取らないパターン。

無料コンベンションです。参加者は大喜びしますが主催者の財布は直撃を受けてまぁまぁしんどいです。だがしかし、これは状況次第では主催者の財布に直撃しなかったりします。

それが「企業協賛」と「コンベンション黒字の転用

企業協賛とはTRPGの出版社やシステムを作ったメーカーなどが新作TRPGを売り出したい時に見られる「企業の金で開催して主催運営は一般ユーザーで行うコンベンション」の形。

主催未経験者などにはあまり話は来ないですが、運営スタッフにベテランを手配できたらありえない話じゃないです(実際に私が運営スタッフして主催はコンベンション主催未経験者だったことがあります)

ただやはりこれはレアな「選ばれしユーザー(主催運営者)」のみのケースですけども。

コンベンションの黒字の転用は後述する「キリのいい金額を回収すると発生する端数黒字」が幾度もコンベンションを主催していると溜まってくるので、参加者への還元として行われる感謝祭的なコンベンションの形。

つまり主催未経験者では絶対扱うことのないコンベンションですが、ごく稀に「以前活動していたサークルが無くなるため、ノウハウや備品とともに運営費の黒字部分も後を引き継ぐ事になる」みたいなレアケースが発生した時に起こりえます。本当にレアですが全く無いわけではないです(私の旦那様が似たようなケースに遭遇したことがある)

しかしこれもレアな「認められしゲーマー(主催運営者)」のみのケースです。

②会場予約にかかったお金を主催と参加者で人数割してセッション開始後に会場で回収するパターン。

友人知人で集まったり、オフ会的なゲーム会などでよく見られる一番クリーンで金銭的に公平な方法です。

クリーンで公平なんですがこれの弱点は「細かいお金の用意ができてなくて困ること多数」の部分でしょう。

人数割にするとどうしても半端な金額になりがちなので、結果的に端数は誰かが代わりに払ったりすることも多々あり、仲良しグループなどでは気になりませんがコンベンションとしてはやり辛い方法となります。

その為にコンベンションの形式としては次のやり方が多くなりがちです。

③会場予約にかかったお金の人数割分をキリのいい金額に設定して会場受付時にもらうパターン。

例えば人数割したら¥457になったとか¥743になったとか中途半端な金額になって回収がし辛くても、定額ならばお釣りの準備も会場受付も段違いに楽になります。

¥457ならば¥500に、¥743ならば¥800に。

ここで出てしまう差額の余り(黒字)は次回以降もコンベンション運営の予定があるならば、次回以降のコンベンションの費用としたり、次回以降の予定がないならば会場で使用しそうな備品購入費に充てたり(お名前カードを作っておいたり等)閉会前に簡単なプレゼント企画(簡単な記念品等)を計画してみたらすると差額の余り(黒字)の有効活用ができるでしょう。

また、今後コンベンションを定例化する時などは、毎回決めておいた金額にしておくと運営的に主催者は悩まなくてすみ、参加者も事前に小銭を用意できたりしてwinwinになってとても良いです。

定例化したコンベンションで出た黒字は①で説明したような「参加者は無料」コンベンションなどに使うのもアリでしょう。

④会場予約にかかったお金を主催とPLだけで人数割にして(GMからはもらわない)セッション開始後に回収するパターン。

②の派生版ですが、これはGMの準備の手間を考慮して「GMのコンベンション参加費ぐらいは無料にしよう」とする時に行う方法です。

もちろん主催と参加者の金額的な負担額は増えますがそれほどの高額にはならないですし、GMへ感謝の気持ちも伝えられるので②の時にも説明したような身内コンベンションではいい方法ですね。

⑤会場予約にかかったお金を主催とPLだけで人数割にして(GMからはもらわない)キリのいい金額を会場受付時にもらうパターン。

③の派生版ですが、これもやはりGMの準備の手間を考慮して「GMのコンベンション参加費ぐらいは無料にしよう」とする時に行う方法です。

やはりGMしてくれる方の貴重さは大事にするべきという考えが多いためか、私の知っているコンベンションではこの方法を使っている主催者さんは多いですね。

⑥会場予約にかかったお金とその他の経費を合わせて人数割にしてからキリの良い金額でもらうパターン。

これにはいくつかのバリエーションがあります。

・③の方法に名札やパンフレットなどを用意した場合。

これは名札などの購入費、パンフレットの印刷費、パンフレットやポスターにイラストを書いてもらっていれば絵の発注費等など多岐に渡りますが、準備にはお金がかかるものですから、それを参加費として人数割りするのは悪いことではありません。

・企業の主催運営で経費がかかる場合。

企業が動いて無料にする場合なら①、有料にする場合ならこれになります。さすがに企業がどんな予算や経費計算で金額設定しているかは分からないのであくまでも推測ですが、やはり備品などの準備費が主になるでしょう。

・予約した会場が大きすぎるために準備するものが多すぎて経費がかかった場合。

関西だとTGFF、関東だとTRPGフェスティバル(旧JGC)がこれになりますね。

京セラドームを借りるTGFFも旅館を貸し切るTRPGフェスティバルもかかる金額が大きすぎて参加費も高くなっていますが、あのサイズでコンベンションを行うと準備にかかる時間も費用も莫大になるので私は「逆に安いのでは?」といつも感じています。

ただ参加者的にはそれだけお金をかけて準備されてても全部を体験できるわけでもないし、限られた時間で必ず遊びたいものが遊べるものでもないので一部には不満が溜まりやすいのも特徴の一つなので諸刃の剣ではあります。

ただ、あの会場サイズで行うコンベンションはやはりお祭り感があって雰囲気だけでも楽しめますし、いつもなら絶対遊べない人とも遊べますし、やったことないものにも触れられますし、開催する事ができるのならばやって欲しいコンベンションではあります。

・あえて黒字化させてスタッフとGMに報酬を渡す場合。

TRPGコンベンションは一般ユーザー主催の趣味の集まりであることが多いため、黒字を出すことに対する忌避感や批判があることは事実なのですが、やはり準備して用意して当日頑張って動き回るスタッフとGMへ報酬が出ないのはいかがなものか?という考えからこの方法になることがあります。

主催者には参加者の忌避感や批判を受けて立ってられる心意気と覚悟、そして人気が。GMとスタッフにはその金額を払っている参加者へ金額相当~それ以上の楽しみを提供するだけの覚悟と準備、そして人気が。

主催とスタッフとGMへ求められることのハードルが高くなりがちな「エンターテイメントコンベンション」となる高難易度のコンベンションです。

主催初心者にはあまりおすすめできないのですが、心意気と覚悟と人気さえあればデキるGMとデキるスタッフを集めて開催することも夢ではありません。いやたぶん夢です。


この他にも学割導入や小中学生無料、初心者割引や女性割引など細かい金額設定の方法や、お金の回収や貰い方にも事前振込から当日現金まであるのですが、基本的には上記の6つの方法に分けれるでしょう。

お金の話はコンベンション運営の最初から最後までに影響を与えるので、キッチリしておきましょう。


次回はヒトの話を多分します(ハコの話はあまり長くならないので)

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マダム氷雨
サポート欄があることに気付いた(2019/3/9)ので設定入れておきました。もしサポートあれば猫の餌かオヤツ代にします。