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天下錦と敷島

福持酒造場 天下錦 特別純米 おりがらみ
伊東株式会社 敷島 特別純米 無濾過生原酒

敷島は、2000年まで愛知で造られていたお酒だそうなのですが、私の大好きな天下錦の福持酒造の協力で復活。

これが、名古屋の酒友さんたちの間で話題になっていたので、取り寄せてみました。
で、どうせなら、飲み比べしてみようと2本同時開栓しました。

肴は、皮はぎの刺し身、天ぷら(里芋とエビのすり身、たけのことエビのすり身、タラの芽)、ひじき煮、ふき煮、ポテトサラダ卵豆腐。

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敷島は、氷温貯蔵していた冷蔵庫から出してお酒だけ頂くと、舌で感じる今どきの甘みが、割としっかり。
その後徐々に軽くチリチリ感のある酸味と、苦味が強くなりますが、この苦味の質が良くて、スッキリと心地よい味わいです。

更に時間を置くと、チリチリ感が少し前に出て、甘みがやや抑えられる印象。美味しいお酒だと思います。

肴は皮はぎの刺し身が、良かったですね。特に、開栓直後より、暫く置いてからのほうが。お酒のフルーティーな甘味がとっても心地よかったです。

里芋とエビのすり身揚げもお酒の甘みが膨らむし、焼きそら豆、ポテトサラダとは自然な相性で美味しかったです。

◆ ◆ ◆

天下錦は、敷島より香りが立ちますね。

程よくフルーティーで心地よい香り。味の振れ幅で言うと(音域みたいな感じに例えると)敷島のほうが広いイメージなのですが、こちらは酸味と苦味でスッキリした印象、コレが、なかなか良いのです。
過不足なく、洗練された感じの良いお酒で、大好きな味わいです。

時間が経つと酸味が少し立っのですが、下支えしている甘みと苦味とみずみずしさのあるフルーティーな香りのバランスがとても良くて心地よい、やっぱり、私好みのお酒だと思いました。

こちらはエビとたけのこのすり身天、タラの芽天、そして、肝まるけにした皮はぎの刺し身と、とてもよく合いました。他のものも器用にこなしますね。

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で、酒友さんからの情報で、開栓初日より、その後の方が好みという話を聞いていたので、4日後にまた頂くことに。

肴はスズキのポワレマッシュポテト添え、タラの芽のバターソテー、水なすの刺し身、キャロットラペ、ピスタチオです。

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敷島は、甘みに寄り添った苦味が心地よく、程よい酸味、まとまりがあり、やや辛口目で切れてゆきます。

苦味がポイントですね。秋の果物をイメージする果実味があるのですが、バランスが良くて、重すぎず、ボディが程よいです。

相性が良かったのは、ピスタチオ。ピスタチオの旨味が膨らみます。


水なす、トマトとパプリカをまとったスズキのポワレ(ポテト込み)とも相性がいいですね。

タラの芽以外は、どれとも相性は悪くないのですが、最後にアルコールっぽい辛味が残るかどうかがポイントになっていたので、もっと思いっきり熟成させても良いのかも?とも思いました。

そして天下錦。
やっぱり、これは天才的なバランスだと思います。

味わい自体は、敷島に比べてスッキリとおとなしく感じるのですが、それ故に、香りが生きるイメージ。

甘み、酸味、苦味、辛味のバランスがとても良く、どの料理と合わせても、飛び出す味がなく、強い主張をしなくても、そこに天下錦があると感じさせてくれる味わい。

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水なすとは、奥ゆかしい優しい甘みが感じられ、キャロットラペだと人参の甘みが広がる。
タラの芽とも合うし、スズキのポワレとは、魚の旨味が品よく生きる味わい。

狙ったわけじゃないのに、本当にどれともよく合いました。

この2本、本当に呑んでよかったと思わせてくれるお酒でした。とっても、美味しかったです。手配してくれたお友達もありがとう。ごちそうさまでした。
                     (2020年4月16日)

(追記)
敷島は、愛知県半田市で復活するようです。

筍のはさみ揚げのレシピはこちら



            

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