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雨後の月、純米吟醸 千本錦、ひやおろし

雨後の月、純米吟醸 千本錦、ひやおろし。
毎年、楽しみにしている1本です。
 
ひやおろしっていうのは、ひと夏越した熟成感を楽しむものなのでしょうが、私が思うに、このお酒は少なくても3回呑み頃があって、 
1回目は出始めの頃。葡萄のようなかわいらしい風味とすっきりさを兼ね備えた味わいは、まだ、暑さが残る今ぐらいの時期にぴったり。
2回目は、味のりして、雨後の月らしい膨らみがあり、ひやおろしらしくなったころ。
3回目は、酒屋さんが更に半年寝かせてくれたもの。 

私は、出始めの頃の可愛らしい味が大好きで、いつも呉でお世話になっている酒屋さんにお願いして、大至急送って貰いました。
 
合わせたのは、生帆立とパパイヤのサラダ、砂きもとマッシュルームのアヒージョ、穴子のソティ、松輪産の金目鯛の刺身、巨峰。
料理はアヒージョを除いて、少しずつ酸味をアクセントに用いています。
 
お酒単体では、上品でさっぱりとした甘さとフルーティーさがあり、その後続く微かな苦味ですっきりした印象。
まだ、ほんの気持ち若くて、繊細な味わいなのですが、冷蔵庫から出して暫く楽しんでいる間に、徐々に本領を発揮し始めます。吞み口がとてもいいお酒。

料理との相性はよく、特に、海鮮と雨後の月の相性の良さはいまさら言うまでもありませんが、本当に最高!
金目鯛にさっとシークワーサーを搾り、お醤油につけて頂くと、魚が持つ甘み旨みが大きく膨らみ、ホタテとパパイヤのサラダは、お酒が持つフルーティーさや旨みが料理と共鳴して膨らむ感じ。

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穴子のソティと合わせると、雨後の月の甘みやフルーティーさがふわっと出てきた後、今度はお酒が穴子の旨みを膨らませ、その後、このお酒が隠し持っていた辛みが、スキッと口の中を洗い流してくれます。
流れが自然なのは、お酒の押が強すぎず、でも、根底はしっかりしているからできることかもしれません。
 
砂きものアヒージョも穴子のソティと同じような展開。最初にお酒の甘さやフルーティーさが、かわいく開いた後、バトンタッチして砂肝の旨みを引き出し、きれいに揃ってフェイドアウト。 
この、口の中で主役がコロコロ変わる展開も面白いし、呑み疲れないし…というか、あっという間に空っぽになっちゃったし、食事とも合わせやすくていい感じ。
過去に味わった時の記憶をたどりつつ、料理を考えるのも楽しかった。
今年も美味しく、ご馳走様でした(^^)
(2017年9月9日)

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