全ての医者に求めたい、たったひとつのこと
この3年間の治療で、延べ15人の医者に会ってきた。
運び込まれた病院で最初に見てもらった先生、セカンドオピニオンの先生、治療先を決めるための病院めぐりで出会った先生、手術をしてもらった先生・・・
それまで医者という人種と接する機会なんてほとんどなかった。
だから医者と言えば、頭が良い、高年収、合コンでモテる、とかそんなイメージだけだった。
そんな僕がたくさんの医者と接してきて感じた、これだけはお願いしたいと思ったこと。それは
患者へ想いを寄せて欲しい。
え、そんなこと?と思うかもしれない。
けれどびっくりするほどそれができない医者が多かった。
例えば、
・話を聞いてくれない
・明らかにこちらが理解していないのに早口で専門的なことを話し続ける
・沢山質問すると嫌そうな顔をする
こんなところからそう感じた。
本人にそんなつもりはないのかもしれない。
でも医者と向き合う中で嫌な気持ちがたくさん生まれた。
何よりも一番つらかったのは、共感の言葉をくれなかったこと。
「それは大変ですよね」
「つらいですよね」
「苦しいですよね」
そういう言葉にどれだけ患者は救われるか。
15人の先生の中で唯一、虎ノ門病院の先生だけがそういう言葉をかけてくれた。
その言葉を聞いた時、僕と妻は泣いた。
人生が終わるかも知れないという恐怖に苛まれ、苦しくて、怖くて、心細くて・・・。そんな中で寄り添ってくれた先生の言葉に本当に救われた。
医者にとっては目の前の患者は、多くの患者のうちのひとりでしかない。
だけどこちらは命がかかってる。生きるか死ぬかの選択をしないといけない。つまり人生において最も重大な事項に向き合っているのだ。
医者は忙しい。
診察だけなじゃなくて、入院患者の治療、手術、学会、学生指導、色々ある。
診療報酬のこととか構造的問題が背景にあって患者に向き合えないということもあるだろう。
強い想いを持って医師になったのに忙殺されて、出世レースに飲まれて、患者から貢がれて、いつの間にか志を忘れてしまった医者もいるだろう。
でも。
医者っていうのは全ての仕事の中で、最も顧客起点に立たないといけないと思うのです。
全ての医者がそうでないことは重々承知。
でも医者の対応に傷つき憤りを感じた患者がいることも事実。
ほんの少しだけで良いので、患者に心を正対させて気持ちを寄せてほしい。そんな先生が増えるといいな。
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