無駄を省いて組織を動かす!「決める会議」を増やして実行力を高めよう
TL;DR
決める会議を増やし、共有する会議を減らす
四種類の会議を使いこなす
決める会議は決め方を決めておく
生み出す会議は前提を揃えておく
伝える会議はこれから何を期待するかを明確にしておく
つながる会議は雑談でも構わないと認識しておく
決める会議は「黙々タイム」から始める
※本記事はpmconf2024のプロポーザルで落選したテーマの供養、第二弾になります。(あと1つある)
第一弾はこちら
はじめに 〜なぜ会議にこだわるのか〜
私の持つ以下の価値観が軸にあります。
戦術が戦略を凌駕することはない
戦術レベルでの勝利が戦略レベルでの敗北を償えない(銀河英雄伝説)
とはいえどんなに良い戦略を立てても実行されなければ意味がない
実行なき者に成功なし(吉田松陰)
戦略を元に実行するのは経営陣ではなく現場のメンバーである
なので経営陣は机上の空論ではなく現場解像度を高める必要がある
経営陣がどんなに良い戦略を立てても最後は「組織の実行力」で決まると思っています。
ではその「組織の実行力」をどのように高めたら良いのか?
労働時間のなかで大きな割合を占めているもの、経営戦略を伝達する場、実行したアクションを振り返り次のアクションを決める場、個人の悩みや課題を解決する場…いずれも「会議」を通して行われます。
なので会議の質を高めることが必要だろうと考えるに至りました。
会議に割いている時間
Google Calendarで簡易分析を表示してみたことはあるでしょうか。
Daily MTG、1on1、営業会議、戦略会議…etc
週単位でどのくらい会議をしているのか、誰と会議をしているのかがざっとわかります。
上記の場合、私は週に20時間前後会議をしているということになります。
1日8時間 x 週5日と考えると業務時間の半分は何かしらの会議に費やしているわけです。
多い人はもっと会議に費やしていることでしょう。
※因みに定期的な会議の割合が非常に低くなっていますが、これには明確な理由があります。
更に半分以上の会議で参加者が3人以上になっているわけですから、参加者の時間も加味すると相当の時間を会議に割いていることになります。
これだけの時間を費やしている会議というものがどれだけ効果的に行われているか?
組織の実行力を上げるには会議の質を上げることが重要だと考える理由の一端が理解いただけたのではないでしょうか。
というわけで次から会議の在り方・考え方・やり方を見直して組織の実行力を上げていくための話を書いていきます。
多くの会社で行われている減らすべき会議=共有する会議
業務時間の半分を占め、様々な種類がある会議のうち明確に減らすべきである会議があります。
それが「情報共有を目的とした会議(以下「共有する会議」)」です。
何故「共有する会議」を減らすべきなのか?
ここで言う「共有する会議」とは以下のような会議を想定しています。
進行役:「只今から営業会議始めます。Aさんから順に報告お願いします。」
Aさん:「現在目標◯万円に対し、△万円の着地見込みとなっています。これに対し、今後は▢▢を重点的に取り組んでいく予定です。」
進行役「Aさんありがとうございました。続いてBさんお願いします。」
Bさん「現在α企業との商談を進めています。先方の要望に対しXXという返答を行っているところです。」
(以下繰り返し)
そしてこれを聞いて頷きながら、時折質問を投げかける部長。
このような会議、多くの方が一度は経験しているのではないでしょうか。
情報共有そのものは非同期でできる
共有する会議を減らすべき理由は、参加者の時間の搾取にほかなりません。
前述の事例のような会議では、その共有する情報は上司だけが知っていればいいものなのか、周囲も知っている必要があるのかの精査も行われずに実施されていることも多いでしょう。
会議という同期的コミュニケーションで行った場合、誰か1人が共有のための発信をしている時間は他の参加者は待機状態で過ごすことも時間的損失になります。
そもそも先程の内容であれば、事前にSlackなどのチャットツールで送っておいてもらったり、ドキュメントに書いておいてもらえば十分ではないでしょうか。
しかも参加者が多ければ多いほどその効率は高くなります。
リモートワーク・ハイブリッドワークが当たり前になってきている昨今、非同期コミュニケーションスキルは必須と言えるでしょう。
そんな中で情報共有を同期的に行わないといけないような人は周囲から遅れを取った化石のような存在だと言っても過言ではないと思います。
会議の目的・会議の在るべき姿
そもそも会議とは何のために行われるのか?会議によって得られる成果とは何か?
それは参加者が次に何をすべきかがわかって行動に移せることだと考えます。
会議の成果は参加者が次に何をすべきかがわかって行動に移せること
例えばプロジェクトの進捗確認をする会議では、進捗を確認することが目的ではなく進捗を妨げるものを明らかにして解決するためのアクションを決めたりより良い成果をあげるために軌道修正するアクションを決めるために行われるべきです。
営業会議では、営業成績の共有が目的ではなく「受注するために今後どういうアクションを取っていくかを議論し決定すること」が本来の目的であるはずです。
一方で前述のような「共有する会議」は、共有そのものが目的となっているため、何か決議が行われるわけでもなければ、コミュニケーションも上司と報告者のみと限定的になりがちです。
業務時間の半分以上を使うこともある会議の時間を、ただ情報共有に費やして終わってしまうのか、会議によって参加者が次に何をすべきかがわかって行動に移せるようになるかで、大きく分岐します。
在るべき姿から考える会議の種類
共有する会議を減らすとしたら、どのような会議は増やしていくべきなのでしょうか。
会議の種類に関しては様々な切り口で分類されるかと思いますが、私は「効果的な会議」というものはピョートル・フェリクス・グジバチ氏が以下の記事で分類している4つの分類が最も納得感がありました。
決める会議
生み出す会議
伝える会議
つながる会議
1. 決める会議
ある状況に対し何かしらの意思決定を行うための会議
もし結論が出せない場合は何があれば決められるのかを明確にし、次で決められるようにすることが重要
コミュニケーションは意思決定者を中心に多対多でなされることが多い
この会議のゴール:複数の選択肢に対し結論が出ている状態
会議全体の中で割合を最も多くしたい会議です。
戦略会議、営業会議、スプリントプランニングなど、ビジネス職も開発職もバックオフィスも関係なく、様々な形で意思決定をするための会議を設置しているはずです。
この会議の議事録では必然的に
決定したこと、決定できていないこと
わかっていること、わかっていないこと
が記録されているでしょう。
一方でこの会議が失敗するパターンとしては
決め方を決めておらず、決めきれずに時間切れになる
「(今は)決めない」ということも意思決定の一つであることを選択肢として持てておらず無理やり決めてしまう
決定事項の経緯が不明瞭で参加していない人の理解不足が起きる
この場で決めたことが(鶴の一声的なSomethingで)覆される
あたりでしょうか。
本記事の後半では、これらの注意点への対策も含めた決める会議の具体的な進め方についても触れていきたいと思います。
2. 生み出す会議
アイディアや意見を量産・発散する会議
生み出す会議の後には決める会議を行う
コミュニケーションは多対多でフラットに行われることが望ましい
この会議のゴール:質の高いアイディアや意見が出し尽くされている状態
いわゆるブレスト会議がこの生み出す会議に当たるでしょう。
この会議の重要なポイントは
事前にテーマを明確にし、参加者の前提を揃えておくこと
質は問わずに量を出すことが唯一の正義とする
量を出すために心理的安全性の確保がされている
アイディアをブラッシュアップさせ絞り込むには議論の構造化が必要
になります。
また、この会議のテクニカルな使い方としては合意形成の難しいステークホルダーを巻き込んでしまうという方法があります。
受託開発における顧客や意見を通しにくい上司に生み出す会議から参加してもらうことで、当事者意識を生み出し説明・説得コストを前払いすることができるので、決まったあとの実行着手がスムーズになるという効果があります。
(まぁ、この手の合意形成が難しいステークホルダーは巻き込むまでが大変という課題もありますが…)
3. 伝える会議
全社トップメッセージなど重要な事柄を伝えるための会議
会社・事業の方針など参加者にどこに進むか伝える
コミュニケーションは基本的に発信者から一方通行で行われる
この会議のゴール:参加者が同じ方向を向いて今後の思考・行動に繋げられる状態
この会議で重要なのは参加者の目線を揃えることになります。
基本的には発信者の情報を浸透させるために、質疑応答を設け参加者の理解を促進したり、異なる意見や違う目線を放置してモヤモヤが残らないように意識して取り組むことが大事です。
4. つながる会議
チーム・組織のカルチャーや空気作りを目的した会議
参加者の近況や考えていることなどをカジュアルに話す場
コミュニケーションはフラットに行われることが望ましい
この会議のゴール:参加者の相互理解を促しコミュニケーションを活性化している状態
1on1やウィンセッションなどがこの会議の代表例になるでしょう。
また、振り返りなどこの会議で作り上げたいゴール=相互理解を含んでいる場合も多々あると思います。
この会議の重要なポイントは
参加者ができるだけ同じくらい喋ること
形式張らないこと
参加者間の心理的安全性の確保に繋がるような会話を心かげる
になります。
つながる会議においては内容はさして重要ではなく、究極的にはただの雑談でも構わないでしょう。
それよりも大事なのは会話量、すなわち「参加者ができるだけ同じくらい喋ること」になります。
参考資料に記載した「SUPER MTG」という書籍に載っていましたが、会議の満足度は発言量に比例するという調査結果があるそうです。
そうでなくても1on1で上司が一方的に喋ることはアンチパターンとして既に有名になっています。
つながる会議のゴールは相互理解によるコミュニケーション活性化ですので、参加者が皆満足できるよう発言量に気を配って実施しましょう。
以上、ここまでが在るべき会議の種類の紹介になります。
ここまで読んでいただいた時点で、自分が一週間でどの会議をどのくらいやっているのか、あるいは減らすべき「共有する会議」がどのくらいあるのか、過去の予定を振り返ってみてはいかがでしょうか。
次からは最も増やしたい会議=決める会議の具体的な準備や進め方について紹介していきます。
決める会議を効率的・効果的に進めるための準備
「会議は準備が10割」と言いたいところですが、本記事では進め方も重要になっているという内容のため流石にそこまで言い切れませんでした。
しかし、7〜8割は準備で決まるといっても過言ではないと思っています。
1. 会議の目的の明確化
会議の目的を明確にし、それを参加者に伝えます。
どの問題に焦点を当てるか、会議が終わったあとはどんな状態になっていて欲しいのかを定義します。
また、前述した4つの会議の種類を明確にしておくことも大事です。
「決める会議」の予定だったのに「生み出す会議」の空気になってしまって意見はよく出るが結論が出せないまま時間切れになってしまった、なんてことはよくある事例ではないでしょうか。
既に設定している会議もこれまでの慣習から「共有する会議」をしてしまいそうになっていないか、一度立ち止まり情報共有をすることでどんな結果を得たいのか?を考え、言語化してみることも大事です。
2. アジェンダと必要な資料の作成
アジェンダは箇条書きで話したいテーマ何(What)について話したいかをシンプルに記載しましょう。
議論したいテーマ
前提や経緯
今の状況
今後どうなって欲しいか
といったところを明確にしましょう。
参考資料に記載した「Amazonのすごい会議」という本では箇条書きではなく文章(ナレーティブ)で書くことが推奨されています。
理由としては行間が生まれ解釈の違いが生じやすくなってしまうことや、発表者の考察や思いが欠落しやすいからだそうです。
いずれの書き方であっても参加者がその場で読んですぐに理解できる文章を書くことが重要だと言えます。
また、アジェンダを記載する際には以下のフレーズをアジェンダの冒頭に置いておくことをおすすめしています。
意思決定したい:NEXT ACTIONを決める、方向性を決めるなど意思決定を求める場合
意見が欲しい:参加者に自分の案・考えに対するフィードバックを求めたい場合
共有したい:(それでも)情報共有をしておきたい場合
このフレーズを冒頭に書いておくことで、後述するように進行時の優先順位が明確になったり参加者の目線を揃えることができるうえ、そもそもアジェンダを記入する側も「この事項はなんで話したいんだっけ?」と立ち止まって考えることができ、アジェンダの質が少なからず向上するので是非やってみてください。
3. 参加者の選定
関連するステークホルダーや専門家を会議に招待し、効果的な討議と意思決定ができるようにします。
会議の目的やアジェンダに応じて無駄な参加者を減らし、必要な人材を確保します。
参加者の決め方は会議の種類によって多少変わりますが、
意思決定権を持つ人
意見が欲しい人
を巻き込むようにすることが重要です。
そして参加する人数はピザ2枚ルールに則り、多くても10名以下に抑えることも必須と言えます。(ただし伝える会議は除く)
もし組織構造上10名以上になってしまう場合は、チーム分割を図ったり伝える会議を組み合わせて参加人数を減らせるようにしましょう。
4. 場所と日時の設定
ここは特に難しいことはなく、参加者が出席できる日時を確認し都合の良い場所と時間を設定することですが、1点だけ重要なポイントは会議の時間の設定です。
多くの人は30分または1時間単位で会議を設定しますが、1回の会議時間は1時間である必要はありません。
15分、30分、45分と15分単位で設定することを意識してみてください。
例えば私は以下のようにしていました。
Daily MTG:15分
隔週の1on1:30分
カジュアル面談:45分
チームの振り返り会:45〜60分(チーム人数による)
また、2時間以上の会議は参加者の集中力が著しく低下するので分割開催や休憩を挟むなどの工夫を必ずやりましょう。
決める会議を効率的・効果的に進めるための進行について
続いて会議の進め方について紹介します。
私が推奨・実施していた決める会議の進め方は以下の通りになります。
始まる前に参加者はできるだけ資料やアジェンダに1分でも良いので目を通し、参加する目的を明確にしておく。
会議の準備はアジェンダを用意する人だけでなく参加者の側にも必要です。むしろ参加者こそ事前に「この会議はどんな会議か」という枠組みを頭の中に用意しておくことが最低限必要だしマナーでもあると思います。会議の冒頭に5分〜15分くらい「黙々タイム」を設け、アジェンダや資料を読み込んで以下のことを行うようにします。
アジェンダを見て気になるところに質問などをコメントで書いていく。
アジェンダの下にツリー上にコメントを記載していくと見ている場所がズレていってしまうのでGoogle DocsやNotionなど機能として「コメント」を書けるドキュメントツールを使うことが望ましいでしょう。「黙々タイム」中はコメントに対しその場で回答を書いてしまって良いし更にコメントを被せていっても良い
「黙々タイム」は非同期時間です。なのでコメントを書いておしまいではなく、それを読んでさらに気づいたことを書き込むなど、皆が自分のペースで思考をアウトプットしていくことが望ましい時間の過ごし方になります。「黙々タイム」中に記載したコメントはそのまま意思決定に至るまでの議論の経緯として残しておくこと(2025年1月21日追記)
議事録には意思決定を記載する、までやっている方は多いと思いますが、後で見返したときに「なぜこの決定になったのか?」がわからないため再度説明をしたり、場合によっては決定事項が蒸し返されるという経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
それを防ぐために、あるいはこれまでの議論に積み重ねていくためにも経緯の記載というのは重要ですが、終始記録を取り続けるのは非常に難しくもあります。そこでこの黙々タイムでのコメントはそのまま残しましょう。
→参考:https://x.com/_nagacy/status/1881496630144442642
アジェンダが多い場合は(意思決定がしたい)→(意見が欲しい)→(共有したい)の順に処理していく
この優先順位は今更語ることもないでしょう。このあとの4.と併せて処理する順番は柔軟に変更していった方が良いです。大事なことは「記載された順に行わないこと」です。アジェンダとそこに記載されたコメントをなぞっていきながら決議していく
(意思決定したい)で決済者が決定するコメントをしていたらやはり簡単に終わらせて良いでしょう。
一方で疑問や不足が指摘されていた場合はその場で回答するのか、準備して次回に持ち越すのかを決定しましょう。(意見が欲しい)はフィードバックが大量に出て時間が延びてしまうことも多いので注意が必要です。時間や他のアジェンダなど場合によっては速やかに別の場を設ける決定をしましょう。
(共有したい)で疑問などがない場合は簡単に終わらせてしまいましょう。疑問がある場合はそこをクリアにする取り組みがネクストアクションになるかもしれません。
以上になります。
決める会議を導入するために
会議の種類、決める会議の準備と進め方について記載してきました。
最後に「決める会議」を実際に始めるための方法を紹介します。
責任者クラスの理解と協力
これが何よりです。
決める会議は組織の実行力を高めるための取り組みです。
責任者クラスがこれにコミットできなければ組織の実行力が高まるわけがありません。
とはいえこれを読んでいる方はいちメンバーでしかなかったり、進言しても聞いてもらえる環境ではない、ということも多々あるでしょう。
そこで次の方法です。
会議の4分の1の時間を意思決定時間にする
60分の会議だったら後半の15分、30分の会議だったら後半の7分くらいを使って
ここまで話してきたことの整理
今後どうするかの議論
にすることを会議中に提案してみてください。
「残り時間も少なくなってきたんで〜」という枕詞をつければ共感を得られ、じゃあどうするかという話に会議のベクトルを切り替えることができるのではないかと思います。
(例:残り時間も少なくなってきたんで、一旦整理してこのあとどうするか決めませんか?)
こうして会議の結論を「決める」ことに変えていくことで「決める会議」が簡易的にですが実行され、決めていく
最後に会議全般のTIPS的なお話
議事録とタイムキーパーを決めておく
アジェンダの発表者以外が担当することが望ましいです。
専任の担当者がアサインできれば理想でしょうが、なかなかそうもいかないので担当者をローテーションさせるのはよくある手法ではないでしょうか。
また、「黙々タイム」を使った非同期時間を活用することで議事録を書く負担はかなり減らせられると思います。
前提となる情報は参加者間で揃える
コミュニケーションの齟齬は認識の齟齬から、認識の齟齬は前提の違いから生まれることがほとんどだと考えます。
前提を揃えるということは特に以下の点に注意すると良いでしょう。
主観か客観か
特に形容詞を使っている場合は主観的になっていることが多いので気をつけましょう。言葉の定義が同じものを指しているか
例えば「利益」という言葉ひとつとっても売上総利益、営業利益、当期純利益など様々です。状況認識が揃っているか
取引停止になりそうなクレームなのかそうではないのか。
安易に定例会にしない
私自身は定期的な会議の開催にはとても否定的です。
前半である時期の会議状況のキャプチャを掲載しましたが、定期的な会議の予定は極力減らしています。
定例会を避けている理由は以下のとおりです。
「定例会があるから」という意識が働いて情報共有や相談が遅れる
→ 情報共有も相談も常に必要なときに随時行うべき定期的な報告を行う場になりやすい
→ 会議の種類は「4つ」です。報告で終わる会議は無くしましょう。参加者が固定化してアジェンダに関係ない人が参加したり、関係ある人が呼ばれていないということが起きる
逆に私が定例会を行う基準は以下のようにしています。
(適切に絞り込んだうえで)参加者全員の時間確保が難しい場合
1週間なり1ヶ月なり、固定の単位で振り返りを行うなどの定点観測が必要な場合
進捗確認を行って課題を取り除く目的の会議
チーム単位のつながる会議を行う場合
フルリモートメンバーとのつながる会議
ともすればテキストコミュニケーションのみになってしまうので敢えて顔を見て対話をする場合
ファシリテーションについて
このテーマだけで1つの記事が出来上がるので詳細は別の機会にしますが、最低限抑えておくべき大事なポイントはこの3つだと思います。
発言者が偏らないようにする
コミュニケーションのベクトルを意識する
重要な場面では一度止めて状況を整理する
特にコミュニケーションのベクトルを意識することはファシリテーターの腕の見せ所ではないでしょうか。
論点が増えたりズレたりしていないか、適宜整理する
アジェンダに知見のありそうな人や関係する人に発言を促す
1人が喋り続けていたり1人に集中砲火が起きていた場合に間に入る
時間が足りなくなりそうであれば別の場を設けるように促す
適正な参加者の絞り方について
記事中でも何度か少し触れましたが、顧客や上司など「決裁権を持つ方」の巻き込み方が最も難しいのではないかと思います。
4つの会議の種類ごとに抑えるべき人は以下の通りになるかと思います。
決める会議では決裁権を持つ方を必ず巻き込みましょう。
生み出す会議では声の大きい人を必ず巻き込みましょう。声の大きい人=決裁権を持つ方とは限らないので注意してください。
伝える会議では関係者全員を巻き込みましょう。多ければ多いほどよいです。
つながる会議ではチーム全員を巻き込みましょう。チーム内で参加しない人が出るのは本末転倒になります。
時間通りに始まらない / 終わらない場合の対応について
時間通りに始まらない場合は、始めてしまうのが一番良いでしょう。
矛盾しているように聞こえますが、
もう1つ、会議の冒頭に「黙々タイム」を設けることで5分程度の遅れであれば挽回可能になります。
一方で終わらない場合はファシリテーターの腕にかかっているところが非常に大きいですが、
次の予定を入れてしまうしか無いかなと思います。
合議制のメリットとデメリットについて
稀によく「合議制やブレストは素晴らしいものだ!」という誤解を持った方がいるなと感じています。
合議制は集合知の実践であるかのように感じられることもありますし、民主主義的な決め方と認識している方も多く、様々な場面で多く見かけるのですがメリットだけではなくデメリットも多く存在しています。
メリット
意思決定を伝達するコストを下げる(蒸し返されない)
しっかりとみんなで一人称で語れるようになれば当事者意識が参加者全員に生まれる
デメリット
意見の集約・収束ができなければ単に責任が分散されるだけで当事者意識が薄れる
いわゆる「みんなで決めました」という言い訳の材料になる
プロセスの構造化と、今は何を話すべきか(何を話さないべきか)というメタ認知が求められるため参加者に求めるものが高い
いずれにしても決定した内容を記録したり発信する際の主語は必ず一人称とするのが良いでしょう。
上司が「共有する会議」を求めている場合の対応について
会議だけじゃなく電話など、同期的コミュニケーションじゃないと読んでくれない・理解してくれない方っていらっしゃいますよね…そんな人は化石です。捨ててしまいなさい。
対策としては、テキストによる報告をルーティン化してしまうことが良いかなと考えます。
決まった時間に決まった共有場所で上司が求める情報を共有する。しかもできれば上司とすり合わせたフォーマットで。
そうすることによって、上司もどこで共有・報告を受けるかが身に付いて習慣化されていくことが期待できます。
「1ヶ月くらい、まずはやってみませんか?」と提案してみるのが良いでしょう。
人間、一度始めてしまえば変更や更新はできても停止はしづらいものです。
それでもどうしても同期的な「報告する会議」を求める場合は、ひょっとしたら違う目的があるのかもしれないので確認してみると良いでしょう。(例えばつながる会議を求めているのかもしれません)