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システム開発の全行程における生成AIの全面活用へ

1. はじめに

SI業界では今、「生成AI」をはじめとした高度なAIツールが注目を集めています。人手不足レガシーシステム刷新といった課題が差し迫る中、AIをシステム開発に全面的に活用することで、生産性の向上や新たな価値創出が期待されます。

エム・エー・ディーではこれまで培ってきた開発ノウハウを活かし、AI技術をシステム開発の全工程に本格導入する取り組みを進めています。本記事では、私たちが目指す方向性やプロジェクトの大枠を簡単に紹介し、「当社メンバー・これから当社で働く人・そしてクライアントや同業のSIベンダー」に向けて、どんな可能性を提供できるのかをお伝えします。

2. AI活用をめぐる業界の流れ

2-1. 大手SI企業の導入加速

NTTデータや富士通、NECなど、多くの大手SI企業がシステム開発全工程へのAI適用を拡大しています。これは人材不足や「25年の崖」への備えとしてだけでなく、開発効率の飛躍的向上を通じて、より大きな付加価値を提供することを目的としています。
(詳細はページ下部の情報ソース一覧参照)

2-2. 一例:NTTデータが示す「3つのAIエージェント」

NTTデータグループでは「AIエージェント」という新技術を開発し、要件定義や構造設計といった上流工程を段階的に自動化する構想を打ち出しています。具体的には、以下の3つのAIが連携します。

  • プランニングAI
    顧客の要望やビジネス要件をもとに、要件定義書や設計書の方針を指示。

  • ドキュメント生成AI
    プランニングAIの指示を受け取り、具体的なドキュメント(要件定義書・設計書)を作成。

  • バリデーションAI
    完成したドキュメントをチェックし、誤りや漏れを洗い出す。

エンジニアは最終的なレビューや修正に専念でき、20%程度の工数削減が見込めると報じられています。

2-3. 業界ビジネスモデルの転換点

従来、システム開発の料金は「投入人員 × 開発期間」で計算され、「人数や期間を増やすほど売上が増える」構造が主流でした。しかし、大手SIが効率化を本格的に進めることで、今後は生産性や付加価値の高さで勝負するビジネスモデルへ転換する可能性があります。

また、クライアント企業からは、短期間かつ高品質なシステム開発を求められることが増えており、AI活用は「単なる人月開発」からの脱却を図る有効な手段として期待されています。


3. エム・エー・ディーの取り組み:ざっくり概要

3-1. 目指すゴールは「生産性20%向上」以上

  • 当社では、システム開発の生産性を最低でも20%引き上げ、その分をクライアントへの付加価値提供エンジニアの学び・スキルアップに振り向けることを目標としています。

3-2. AIツールの導入ステップ

  • コード作成を中心とする開発工程からDevin AICursorといったAIツールを用い、そして要件定義・設計、テスト工程までを段階的に展開

  • まずは小規模なPoC(実証実験)を行い、効果や課題を見極めた上で全プロジェクトに導入、システム開発以外の他部署への水平展開を進める予定です。

3-3. プロジェクトの簡単なロードマップ

  • 短期(~2ヶ月):開発工程を中心にPoCし、結果をレポート化

  • 中期(~4ヶ月):要件定義・設計・テスト工程にも適用。良好なら社内外への展開に着手

  • 長期(~6ヶ月):最終的な成果を測定し、社内外に公開。ノウハウ共有を加速


4. 働く人へのメリット:新人もベテランも“学び”が付加価値の加速を生む

4-1. 最先端の教育プログラムが受けられる

  • 当社では、AI導入と同時に社内研修や勉強会を積極的に開催予定です。

  • 新人エンジニアでも、AIツールを活用しながら実践的にスキルを身につけられる体制を整えます。

4-2. 労働市場での価値向上

  • 「AIを使いこなすエンジニア」は、国内外を問わず需要が高まっています。

  • エム・エー・ディーのプロジェクトで得た経験は、今後のキャリア形成にも大きなプラスになるでしょう。

4-3. プロフェッショナルがさらに飛躍できる環境

  • ベテラン技術者には、AIに任せられる定型作業を削減することで、より高度な設計やリサーチ、アーキテクチャ構築に集中します。

  • 後輩エンジニアを育てつつ、自身の専門領域をさらに深める好循環を作っていきます。


5. クライアント・同業SIベンダーへのメリット

5-1. 開発スピード&品質アップ

  • コードの自動補完、ドキュメント生成などで作業負荷を減らし、レビューや品質管理に注力できるため、素早く高品質なシステムを提供可能に。

  • コミュニケーションに割ける時間が増えることで、クライアントの課題に対して本質を的確に反映した提案もしやすくなります。

5-2. プロジェクト事例や成果をオープンにモニタリング

  • 当社では、実施したPoCや全社展開の結果をある程度オープンにして共有していく方針です。

  • 同業のSIベンダーの方々やクライアント企業にとっても、AI活用のリアルな成功例・課題が参考になるはずです。

  • こうした情報発信を通じ、業界全体の生産性向上に貢献していきたいと考えています。


6. これからの展望:学びを深め、価値を広げる

エンジニア一人ひとりがAIを活用できるようになると、単なる効率化に留まらず、新規サービス開発高度な専門知識の習得など多面的な可能性が広がります。
エム・エー・ディーは、その学びの場と実践の場を整え、新人からベテランまでが各自のキャリアを高めながら、クライアントや社会に役立つ成果を創り出す組織を目指します。


7. まとめ

  • AIをフル活用したシステム開発は、これからのIT業界において欠かせない取り組み

  • エム・エー・ディーでは、学習機会を充実させながら、生産性を大幅に引き上げるプロジェクトを進める

  • 新入社員や未経験者でもAIツールを活用し、価値あるエンジニアリング力を身につけられる

  • ベテランエンジニアはさらなる専門性を発揮し、クライアントへの付加価値提供に注力可能

  • 今後のnote更新を通じ、具体的な導入状況や実績をオープンに共有していく予定

次回以降のnoteで、実際に導入したAIツールの使用感や、PoCの進捗、そこで見えてきた課題などを随時レポートしていきます。
エンジニア志望の方、業界関係者の方、クライアント企業の方は、ぜひフォローして続報をご覧ください。

参考・情報ソース一覧

NTTデータグループ関連

富士通関連

NEC関連

日立製作所・日立ソリューションズ関連

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