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海抜(2019.11.23.公開)

今回は
『海抜』です。
https://www.kaibatsu-movie.com/

昨年の東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門で上映された
高橋賢成監督作。
映画学校の卒業制作作品にしてスプラッシュ選出とのこと。

過去のある出来事への苦悩。
十年以上のスパンを描く意欲作。

本当に真摯な作品で
でもただの真面目な作品ではなく
映画的面白さがある。

発端となる出来事の描き方は
さらに上のレベルを狙えたんじゃないかと思うのですが
それ以降は文句なし。

無駄な台詞が本当にないのが素晴らしい。
ひとつの台詞の中でも極力説明的な表現をなくしているし
普段の会話でこういう表現はしないよな
という部分がない。
見事。

東京国際映画祭上映前舞台挨拶と、上映後Q&Aには、高橋賢成監督、と製作の名取佳輝、出演の阿部倫士、佐藤有紗、奥田誠也が登壇。

高橋賢成監督
「卒業製作ということでいろいろ制約がある中、元々エンターテイメント作品を作ろうと思っていたのですが、女性暴力を扱うことになりエンターテイメント作品では描けない、というところから一気にこの作品は進んだのだと思います」

この題材を扱ったきっかけ

「この脚本を書いた後にme tooの運動があった。なので撮影にはその盛り上がりが影響したと思います。個人的には性犯罪が一番あってはならない犯罪だと思っています」

(質問)
脚本で一番時間のかかった部分、難しかった部分は?

高橋賢成監督
「ラストの二人のやりとりの部分だけで2〜3週間かかりました」

text by ronpe


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