2月のベスト本 『黄色い家』
皆さんは「黄色い家」と聞くと何を連想しますか?
僕はゴッホがアルルで住んでいた家を連想しました。
なのでこの本を読む前には、てっきり西洋の話なのかと思っていました。
表紙の絵が西洋風の家っていうのもその連想に拍車をかけたのかもしれません。
しかし読んでみてびっくり!
西洋は全く関係なく、バリバリ日本の話、しかも貧困、格差、ネグレクトといった現代日本が抱える問題がベースのお話でした。
冒頭の簡単なあらすじを書くと
主人公の花はある日、記事で「黄美子」の名前を見つけます。
その記事の中で、黄美子は監禁と傷害の罪に問われていると書かれていました。
花はその記事を読むことで、20年前に黄美子と暮らしていた日々をを思い出し、、、
という話です。
ジャンルで言えばピカレスクロマンで、黄美子やその仲間たちと過ごした日々が生々しく描かれています。
2000年前後が舞台で、当時私は大学生で東京に出てきて数年という時で、自分にとっても懐かしかったです。
僕はこの作品から作者の熱量をすごく感じました。
作者の気持ちが溢れ出ているような気がしたのです。
おすすめしたい作品です。
(matsu)