日本の絵本をアジアの子どもたちへ。「絵本を届ける運動」でボランティア活動
「リサーチで、世の中をもっと良くできる」。
こんな想いで社会貢献活動に取り組むマクロミルの「Goodmill」。ここで事務局を担当する横田が、マーケティングリサーチ会社が行う社会貢献活動について連載しています。今回は、公益社団法人シャンティ国際ボランティア会様が実施する「絵本を届ける運動」に参加した際の様子をお届けします。
日本の絵本をアジアの子どもたちへ
Goodmillでは主にリサーチのノウハウを活かした社会貢献活動を行っていますが、誰でも気軽に参加できるボランティア活動も行っています。その1つが、公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(以下、シャンティ)の「絵本を届ける運動」への参加です。
「絵本を届ける運動」は、アジアの厳しい環境下で暮らす子どもたちに、日本の絵本を翻訳して贈る活動です。子どもにとって、絵本に触れることはワクワクする体験であり、未知の世界を想像したり、知識を得たり、文字に触れるきっかけになります。皆さんの中にも、絵本を読み聞かせてもらったり、お気に入りの絵本を繰り返し読んだりしたという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
世界中には、紛争や自然災害の被害、貧困に苦しむ子どもたちが大勢います。教育を受ける機会がない人たちもいます。そんな地域に絵本を届けることで、少しでも子どもたちのより良い未来につながればと願い、私たちも活動に参加することにしました。
難民として暮らす子どもたちと絵本
シャンティの木下様から参加者へ向けて「絵本を届ける運動」の活動内容や、絵本を届ける地域の情勢、子どもたちの暮らしについてお話いただきました。
絵本を届ける先はアフガニスタンやミャンマー、ラオスといった東南アジアの国々です。ミャンマーとタイの国境沿いにある難民キャンプも対象となっています。難民キャンプの中には絵本が並ぶ図書館があります。私たちが利用するような施設とは大きく異なりますが、子どもたちにとってそこで過ごす時間は、日々の不安を忘れられる癒しの時間のようです。
現地の様子が分かる動画の中では、絵本を通じて「夢は叶うんだ」と知った少年や、読み聞かせで目を輝かせる子どもたちが登場します。中には、読み書きができない母親に、子どもが絵本を読んであげる姿も映し出されていました。母親は「子どもには自分とは違った人生を送ってほしい」と言います。
絵本は親が子どもに読むものと思っていましたが、それが当たり前ではないことを知り、教育の大切さや、教育を行きわたらせることが貧困を断ち切る一歩になることを学びました。「絵本を届ける運動」は、ただ絵本を翻訳して届けるだけではなく、こうした地域の実情を知り、何ができるかを考えるきっかけにもなる、とても貴重な体験です。
ビルマ語のシールを貼って絵本を翻訳
さて、いよいよ絵本の作業です。今回は5種類の絵本から好きな1冊を選んで、ビルマ語の翻訳シールを貼りました。日本語で書かれた箇所に、文字がかくれるように翻訳シールを貼っていきます。
ビルマ語は丸が組み合わさったような字形が特徴で、アルファベットとはまったく異なります。シールの台紙には、どの日本語が翻訳されたものかが書かれてあり、貼り間違えないように、切っては貼って、切っては貼ってを繰り返します。仕事ではパソコンに向かう時間が長く、こんなに手を動かす作業は久々、という声もありました。
今回はオンラインで、自宅から参加した社員もたくさんいました。中には小学生のお子さんと一緒にシール貼りを楽しむ姿も見られ、オンライン開催ならではのメリットが感じられます。
最後は50音の表を見ながら、ビルマ語で自分の名前を書きます。見慣れぬ字形ですが、50音を眺めていると「この6みたいなカタチが母音を表すのかな?」「『け』『て』は見分けがつきにくい」など、いろんな発見があります。
現地の子どもたちはこのサインを楽しみにしてくれているようです。併記する日本語の名前を見ながら、子どもたちも遠い国に暮らす私たちのことを想像してくれているのかもしれませんね。
さいごに
参加者の中には「5冊すべて読んでみたい!」と、ほかの作品を持ち帰って翻訳シール貼りをしてくれる社員もいました。絵本に触れてワクワクするのは子どもだけではないのかもしれません。
「絵本を届ける運動」を開催したのは今回が2回目です。昨年は残念ながら、新型コロナの影響により開催を見送りましたが、今年はオンラインも交えながら2年ぶりに参加することができました。今後も毎年継続できればと思っています。
「絵本を届ける運動」は個人でも申し込みできますので、みなさんもご興味あれば、ぜひ参加してみてください。
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