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未来のマーケターへ、グローバル・リサーチ実践講義!
マーケティングを学ぶ学生の皆さんにマーケティング・リサーチの基礎から実践まで学んでいただきたい。そんな想いから、リサーチ現場で活躍中のマクロミルのリサーチャーが大学で講義をする取り組みを行っています。
今回は、明治大学 経営学部「グローバル・マーケティング論B(古川裕康准教授)」での講義の様子についてご紹介します。
講師の熊谷をご紹介!
まず最初に、今回明治大学で講師を務めた社員のご紹介です。
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シニアグローバルプランナー・リサーチャー
熊谷信司(くまがい・しんじ)
熊谷は、こんなnoteの連載や、
マーケター向け専門メディアであるMarekZineのマンガ連載で、マーケティングリサーチの先生として登場しています。
物腰柔らか、とても温和な先生キャラですが、リサーチ現場では知見とスキルを活かした調査、考察、提案を行う、キレッキレのプロフェッショナルです!
今回の講義には、対面とオンラインを合わせて合計200名を超える学生さんが参加したそうですが、どのような講義をされてきたのか、熊谷に聞いてみました。
明治大学での講義内容
― 講義内容を具体的に教えてください。
熊谷:
学生の皆さんには、マーケティング・リサーチの基礎知識から、海外市場の把握や多国間比較などを伴うグローバル・マーケティング・リサーチ現場における実際のリサーチ実施方法、解釈の視点まで、幅広く学んでいただきました。当日の講義プログラムはこんな感じです。
▼グローバル・マーケティング・リサーチの講義内容
1. マーケティング・リサーチの業務紹介
2. グローバル・マーケティング・リサーチのご紹介
3. グローバル・マーケティング・リサーチの特質
4. グローバル・マーケティング・リサーチの流れとデータ
5. グローバル調査のプロセスと課題(1) 調査票設計編
6. グローバル調査のプロセスと課題(2) データ解釈編
7. グローバル調査の実例
国や地域の文化や価値観背景を踏まえたリサーチ
― グローバルで行う調査の基礎から、実際のリサーチのお仕事まで、かなり詳しく講義をされたのですね。ポイントや重要点として、どのようなお話されたのでしょうか?
熊谷:
グローバル調査は、日本国内における調査とは異なる視点が必要になります(詳しくは別のnoteで解説しています)が、そういった自明の価値観や前提を相対化する視点の重要性に気付いた学生も多いようでした。授業の後に学生から寄せられたコメントをご紹介します。
<学生さんのコメント>
●国ごとの文化や価値観も知ることができる点が魅力的だ。今まで知らなかった知識をたくさん知る機会になり、調査の面白さを学ぶことができた。
●『あたりまえ』になっている感覚を疑ったり、自分の『あたりまえ』が通じないことが多くあるのではないかと思った。
調査設計や結果の解釈の方法を解説し、ワークを実施
― 国内の価値観が当たり前になりがちですが、リサーチにおいてその国の文化や価値観を踏まえることは重要なポイントですね。他にも、ポイントとして解説したことはありますか?
熊谷:
調査票の作成や調査結果の解釈について、丁寧に解説しました。技術的な難しさはあるものの、それゆえの奥深さ・面白さも感じていただけたようですね。
<学生さんのコメント>
●国ごとの特徴や文化を配慮してデータを解釈することはとても難しいと思うが、データから答えを導き出す仕事には、大きな達成感があると思う。
●国によってアンケートの回答傾向が異なるため、比較のためにも事前の統計分析やアンケート作成前の工夫の必要があり、興味をひかれた。
また、講義の中で「ワーク」を取り入れました。
学生さん一人ひとりに、興味がある1つの国や地域を取り上げもらい、そこで行ってみたい調査テーマ(商材)とその理由、そして、後半の講義内容を踏まえて調査で注意すべき点なども書いてもらいました。自分事としてグローバル・マーケティング・リサーチを学び、有意義な時間にしていただけたようで嬉しかったです。
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<学生さんのコメント>
●ワークを通じて、グローバル調査ならではの難しさを知った。調査する国や地域の社会、文化的背景の違いを知ったうえで工夫する必要がある。
●自分が調査を行うとしたらどの国でどのようなテーマで、どのように行うのかについて考えることで、学んだ知識のアウトプットにもなり、非常に勉強になった。
●事例を踏まえてワークをすることで、調査を依頼する目線で考えられ、勉強になった。
卒論用の調査の参考や、マーケティング・リサーチ業界の理解にも
― 学生さんの中には、ゼミや卒論等に向けて、実際に調査やデータ分析を行う方もいらっしゃったそうですね。
熊谷:
はい、実際にゼミの授業で回収したアンケートデータを統計分析する作業を行ったという学生さんもいらっしゃいました。データの取り扱いに非常に苦労した経験から、事前に立てた仮説や目的からズレない調査姿勢を大切にしたいという学生さんや、今回の講義内容がグローバルだけでなく自国でも共通する注意点や方法もあったことから、今後の卒論でアンケートを実施する際には参考にしたいといった学生さんもいました。
また、マクロミルのような、データを用いたグローバル・マーケティング支援を行う業界・企業について知り、知っていた学生さんもさらなる理解や興味につながった方も多くいらっしゃったようでした。
実務経験を通した講義が、今後の調査業界の成長や、日本か海外で活躍するマーケターの卵である学生さんたちの将来に、何かしらつながればいいなと思います。
―熊谷さん、ありがとうございました!これからも、リサーチャーとして、そして「リサーチの先生」としての活動を楽しみにしています!
この記事を書いた人
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