そもそも品質工学 3年目を終えて ~著者あとがき~
前回はマンガ最終回の余韻を残すために、編集後記を残しませんでした
今日は3年間の「そもそも品質工学」「マンガで学ぶ品質管理と品質保証 ナナの空」の著者あとがきをしたいと思います
まず、どんな内容だったかを振り返ってみます
全部で152本+50本+αです。200本以上です
よくもまぁ、3年でこんなに書いたもんだ…(==;
これらを読めば、品質工学の基礎部分の理解、品質管理の概念部分などを知ることができます
始まりは学会発表でした
そこで、プラズマCVD成膜条件のパラメータ設計をマンガで紹介したのがきっかけ。初めて学会という堅い世界で、マンガというゆるい状態で発表する
ぶっ飛んでます(笑
非常識もいい所
ただ、まったくの無計画というわけではありませんでした
すでに、マンガで学ぶ○○なんてのが書店に多く並ぶ時代
だったら品質工学があってもいいだろうと
ただし、それれらは書籍であって、学会発表ではないのです
そこが大きく違う点
でも、受け入れてもらうことができました。本当に感謝です
そして、学会発表で使用したマンガ動画
このまま捨ててしまうのは惜しいと思い、YouTubeに公開
これが始まりです
そこから、先ほどのリストにあるものを週1本公開してきました
私は「YouTubeの広告収益で儲けたい!」なんてまったく考えていませんでした。計算すればわかることです
品質工学会の人数が、登録者数の最大値ぐらいだろうと
1200人ぐらい
その1割がリピーターになるだろうと
120回再生です
1回再生0.1円とすれば、1本の動画は0.1円×120回=12円
1回再生0.2円としても24円
それに対して、動画を1本作るのにかかる時間は10時間です
時給千円として、1万円のコストがかかっています
まったく回収できていません
近くのコンビニでアルバイトした方がよっぽどマシ
つまり、私のモチベーションは、お金ではないということ
ただ、自分が知りえた知識、情報をどこかに残しておきたい
事故にあって死ぬかもしれない
急病になって、何もできない体になるかもしれない
そうなったら、私しか持っていない情報、私自身の体験は闇に消えるわけです
「これに恐怖した」
そういうことです
恩師である田口玄一先生、矢野宏先生
この大先生たちの生の声をこの身に受けて、それを私なりに解釈した知識
大先生たちの本は素晴らしいです
様々な知的な情報が詰まっています
しかし、欠点があるのです。
「現代人にとって、とても難しい」
論文や書籍、新聞などを情報源として生きてきた人にとっては、この難しさは当然であり、あたりまえです
文章から行間を読む、著者の思考を再現するスキルをもっているのです
しかし、マンガ世代、動画世代、スマホから情報を得ている世代
彼らにとっては、あまりにもハードルが高すぎる
彼らは文章から読むのは得意ではなく、会話から読むのに慣れているのです
ならば、品質工学の世界でまだだれもやっていない、会話形式のマンガで紹介するということをやる
これは、大先生や大先輩の方々では、おそらくできない
この泥をかぶるのは私だ!
そして何よりマンガ世代の私が、
品質工学の解説マンガを読みたい!
私は著者であり、最大の読者なのです!
誰も見てくれなくても、私という熱心な読者がいる
それを動画作成の初期は心の支えとしてました
そして、3年間を経て、現在チャンネル登録者は1600人を超え
動画も1本200再生前後
本当に見てくれているあなたに対して、感謝しかありません
ただの、普通のサラリーマンが描いた、品質工学というニッチなジャンルの素人マンガです
これを長い間、応援していただいた
視聴いただくことで、支えていただいた
視聴者の皆さんは、「ただ見ているだけ」、「ただいいねを押すだけ」とか言いますが、それがそれだけ動画投稿の継続の力になったことか
重ね重ね、御礼申し上げます
そして、3年をめどに終わらせた理由
それは、見てくれているあなたがいるうちに、
最後を描き切っておきたかったから
他のYouTubeチャンネルをみていて思います
最後までやりきって終わるものがどれだけ少ないか
落ち目になって、そのまま動画投稿がピタっとなくなり
もう数か月投稿されていない
こういった終わり方をしたくなかったのです
つとむ君やクミちゃんは、この3年間で技術者として立派に成長した
私が教えることはほとんどありません
あとは、彼ら自身が体験して自ら学ぶことが残っているだけ
こういった段階に来たので、彼らのストーリーを描くのを終わりにしたのです
新作の「そもそも品質工学f(フォルテ)」では、つとむ君やクミちゃんの成長した姿をたまに見ることができますが、彼らは新作の主役ではありません
彼らは、教わる側から、教える側へ立場が変わったのです
あなた同様、このマンガにて品質工学を追体験したなら、知識レベルは、きっと教わる側から、教える側に変わっているはずです
誰かから「品質工学って何?」と聞かれたら、なんとなく答えられるはずです
このマンガにて成長したのは、
つとむ君、クミちゃん、作者である私
そして、あなた
新作では、ターゲット層を変えて描いています
ここまで成長したあなたには、つまらない内容だと思います
つまり、つとむ君、クミちゃん同様
あなたに残っているのは…
あなた自身がリアルで体験して自ら学ぶこと
その知識や経験を誰かに伝えて、後世に残すこと
そういうことなのですよ
最後に、3年間の応援、ご支援!
本当にありがとうございました!
Macro-K
最後に宣伝w
3年間の集大成!
第6巻まで続きます!(3か月に1冊ぐらいの感じになるかな?)
いただいたサポートは、有益な情報を提供し続けるための活動にあてていきたいと思います!