世界のパンドラの箱だった⁈イラン(ペルシャ帝国)
皆さん、こんにちは・こんばんは・おはようございます。「見たかな?観たよ!」の中の人、ひろ-macrobiworldです。
今回は前回でも少し触れたのですが、現在の世界情勢に関係してくるイランの歴史について、取り上げたいと思っています。
今回も長いですので、一気読みがキツイ方は目次を御活用の上、何回かに分けて読んでいただけたら幸いです。
イランは21世紀の今の日本にとっては余り馴染みのない国だと思いますから、まずは日本との繋がりから書いてみたいと思います。
シルクロードを通じて繋がっていた古代日本と古代ペルシャ
本文に入る前に前回も載せたこの表を掲げておきたいと思います。
古代ペルシャ・ティムール朝の時代、最大領土を誇っていた時代のペルシャ領だった国の範囲を、現代の国名で表したものです。
国名のリストを見て、何か思うこと、感じることはありませんか?
〜スタン系の国や世界の火薬庫と言うか、政情が不安定な国や地域が多いと思いませんか。
と同時に、今、日本でも問題になっているクルド人の居住地区になっている国が含まれていますね。
この表には含まれていませんが、紀元前には今のシリアに該当する地域もペルシャ帝国の支配下にありました。
中国から人権侵害を受けている「東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)」も、含まれています。
このことからも予想がつくと思いますが、唐の都長安が国際都市として栄華を誇っていた時代、長安ではペルシャ人が闊歩していたと言います。
その時代は日本では遣唐使の時代ですが、それ以前の隋の時代も含めて、日本にもペルシャ人が来ていたのではないか?とも言われていますね。
天狗や鬼は赤ら顔👺で鼻が高いですが、これは当時日本に来ていたかも知れないペルシャ人や古代ユダヤ人(つまりアラブ系)の人の容姿を表しているのでは無いか?と言う説があるのです。
そしてある時私は、現代において不幸な情勢に甘んじている国の多くが、かつて古代ペルシャの支配地域だったことを知り、今のこの世界情勢と何か関係があるのではないかと常々思っていたのですが、当時は調べてみても何も分からなかったのです。
情報が無かった…と言うよりも、予備知識が無くて気付け無かったのかも知れません。
ペルシャはサーサーン朝ペルシャがイスラム共同体に征服されると、国教だったゾロアスター教(拝火教=仏教における密教のルーツの一つとされる)が第二宗教にされ、半ば追い出されるかの様にゾロアスター教徒の一部はインドに逃れました。
このインドに逃れインドで暮らすゾロアスター教徒のことを「パールシー」と呼ぶそうですが、ロックバンド「クイーン」の今は亡き伝説的なヴォーカリスト「フレディ・マーキュリー」はこのパールシーの末裔なんだそうです。
それで彼はゾロアスター教徒だったのですね。
しかもクイーンがブレイクしたのは日本で人気が出た事がきっかけだったので、クイーンのメンバーも非常に親日的でした。
シーア派の成立
イスラム共同体に征服された661年〜750年までで、紀元前にはペルシャ領土だったシリアのウマイヤ朝がササーン朝を征服し「イスラム帝国(アラブ帝国)」を樹立、イスラム教徒であれば平等に支配される国家体制が成立したのでした。
しかしこのイスラム帝国のアッバース朝はムスリムの間での評判はあまり良く無いみたいですね。
それもそのはず、このイスラム帝国時代にそれまでひとつだったイスラム教が「カルバラーの悲劇」が起きて分裂し、シーア派が成立して出来た帝国だからでしょう。
「カルバラーの悲劇」とは
つまり跡目争いが原因で起きた内乱だったわけですが、結果はウマイヤ朝軍の完全勝利、フサイン軍の全滅とアリー家の勢力の崩壊、ウマイヤ朝に対するムスリムの非難拡大、シーア派の形成とあい成ったのでした。
ですのでスンニ派とシーアの違いは、このカリフの継承者の条件で、
・シーア派はアリー家の血をひく者(王位的考え)が正統な継承者であるべき。
・スンニ派は血筋に関係なく能力がある者(議会制民主主義的考え)が継承者になるべき。
と成っています。
つまりシーア派とは、この内乱で負けたアリー家&フサイン軍を支持していた勢力のことなのです。
フサイン軍はウマイヤ軍に徹底的に(やり過ぎなくらい)やられて殲滅させられた為、
この戦いの後に反発したフサイン軍支持派が挙兵し、アッバース朝がそれを利用して大乱を起こしウマイヤ朝を滅ぼす原因となったそうです。
ロンドンの東洋アフリカ研究センター(SOAS)で名誉教授を務めるG.R.ハウティングは、「The First Dynasty of Islam: The Umayyad Caliphate AD 661-750 (2nd ed.)」という著書の中で「苦しみと殉教」のシーア派モデルの例として、カルバラーの悲劇を説明しているそうです。
ここまで来て、これまでの過去の私の記事をずっと読んで頂いてきた方には、何やら感じるものがあったかも知れませんね。
イランとクルド人の関係
ところで日本との関わりという点からは、この話題も外せません。
昨今、埼玉県川口市や蕨市で問題行動が話題になっているクルド人難民の問題ですが、そもそもクルド人とは何者なのか。
クルド人が最も多く居住しているのはトルコですが、2番目に多く居住しているのがイランになります。
規模としてはイランのクルド人は、トルコのクルド人の4分の1〜6分の1程度の規模ですが、最も古いクルド人の居住地域(都市集落)の名前が出てくるのはイランの西アゼルバイジャン州にあるピランシャール郡という地域だそうです。
と言うことですから、元々は今のイラン領内に自分たちの国を持っていたことになります。
それがやがてローマ帝国の封建州扱いになり、それが384年まで続いています。
16世紀になると、クルド人居住区は長い戦いの後サファヴィー朝ペルシャとオスマン帝国に分割され、これが不幸な歴史の始まりとなります。
この時以降、第一次世界大戦までは9割のクルド人はオスマン帝国に居住していたと言われています。
オスマン帝国の解体後、第一次世界大戦の連合国は旧オスマン領のこの地域を分割し複数の国を作る合意と計画を行っていました。そしてあの悪名高きサイクス・ピコ協定を基本とした国際協定によりクルディスタンはいくつかの国に分割されてしまったわけです。
第二次大戦後にはイラン国内にソ連の支援を受けて独立国を作りますが、独立を認めないイラン政府の猛攻により瓦解しています。
形は違っても、ディアスポラで母国を失い世界中に散って行ったユダヤ人の様な状況が、クルド人にはあるわけですね。
ただし本格的な離散では無く、各国に自治区を持っていられるだけ、クルド人の方が恵まれていると言って良いのかも知れません。
要は分割されたクルディスタンをもう一度ひとつにまとめて独立した国家が作れれば、問題は無くなるということなのでしょうか?
それだけでは無く、やはり心の「教育」も必要なのでは無いか?と感じます。日本で騒ぎを起こしているクルド人も「倫理観を育てる様な教育を受けて来なかった」のでは無いか?と感じざるを得ません。
分断され、国を奪われ他国に従属することを余儀なくされた歴史が、精神性を捻じ曲げてしまったのでしょうか。
苦労し過ぎた人間は、性格的にもキツくて世知辛い人間になりがちで、その為に周囲から敬遠されて孤立し易くなる傾向がありますが、それと同じ様なところがある様に感じます。
(後述しますが、これは国家としてのイランにも言えることです。類は友を呼ぶ現象が起きていると思います。)
日本に来るクルド人にはトルコ在住の者だけで無くイラン在住の者もおり、いずれもクルディスタンの独立を認められていない為に、独立を求めて過激思想に走り、政治的影響力を欲してテロ組織に参加してしまった…そう言う一面もあるのでしょうか。
しかしながら自分たちのルーツの地域で、居住区域を国として独立させることが認められていないのに、縁もゆかりも無い土地に来てそれが叶うはずがないのに、その土地で我が物顔で振る舞い、他国の地を荒らすのは果たしてどうなのか。
そうした行為は自分たちの評判、ひいては自分たちの同胞の評判をも貶め、国家としてのクルディスタン再興は遠のくばかりだと思うのですが。
理知的なプロセスで独立の夢を追うのでは無く、武力に訴えれば、嫌がられるのはなおのこと当然だと思います。が、それが何故分からないのか。
ここで知っておくべきことは、日本に難民を装って不法移民せんとやって来るクルド人の殆どは、トルコのクルディスタン労働者党の党員か支持者が殆どらしいと言う情報です。
労働者党のネーミングからも分かる様に、彼らは共産主義者でマルクス主義者。つまり世の中を変えるには「暴力革命」を起こすしか無いと考えている様な人たちだ…と言うことです。
目的は違いますが、イスラム教も目的の為に暴力を使用することを肯定する様な側面があるので、彼らにとっては違和感が無いのかも知れませんね。
要らんことするイランに必要な癒しとは
いわゆるシーア派の最高指導者ホメイニ師が著したという「イスラム統治体制(法学者の統治論)」と言う本のさわりがWikipediaの英語版で紹介されているのですが、そこにはこう書いてあります。
また、こうも書かれています。
つまり今のこの欧米DS支配の歪んだ世界の現状を、ホメイニ師は、そしてイラン政府は分かっているのです。
で、それに反発して戦おうとして問題行動を起こすのですが、彼らは重大な間違いをひとつ侵しています。
それは前回までのシリーズでも触れていることですが、
「ネガティブな意識や刷り込みからは、ネガティブな未来しか作れない」と言う事実です。
イラン革命も、冒頭で紹介した「カルバラーの悲劇」に触発された面があるのだそうです。
イランのイスラム革命の間、ホメイニ師の支持者は、しばしば「カルバラ。すべての場所はカルバラです。」というフレーズを発し、これはスローガンとして使用されていたのだとか。
何となくお隣の国・韓国の「恨」の精神文化に通じるものがあるなあ…と感じるのは私だけでしょうか?
けれども恨みや怒りの感情は、そこに執着してしまったら何も生み出さないばかりか、逆に自他共に全てを壊して行くだけなのですが…。
何度も言いますが、「二元論」的な「対立工作」「分断工作」こそ戦争で儲ける為に欧米DS(共産主義者も含む)が長年仕組んできたこと(※1)であり、
そこから抜け出して、高い視点から全体をフラットに見なければ本当の問題点は見えて来ないはずなのに、イスラム教至上主義がそこに考えが至るのを邪魔してしまっている様に思います。
「世界にはイスラム教では解決出来ないことがある。」(※2)
それを認められないから、いつまで経っても問題が解決出来ないのでしょう。
日常生活に関わる法令ならコーランに頼ってもいいのかも知れませんが、(外交やビジネスなど)対外関係の高度な問題を扱う場合には、(イスラム教だけで無くユダヤ教やキリスト教もそうなのですが)アブラハムの宗教共通の「旧約聖書」と言う原点に戻ってお互い話し合う…そう言う姿勢が必要ではないでしょうか?
だって、共通の(或いは共有している)価値観と言うベースが無ければ、話し合おうにもそもそも話が噛み合わないじゃないですか。
これが出来たら「古事記」の内容は「旧約聖書」に似ていると言う指摘もありますから、日本とアラブ、日本と欧米の間に存在する問題についても議論し易くなるのでは?と思いますよ。
と同時に、チャールズ3世英国王が自国民から「本当はイスラム教徒なのではないか」揶揄されつつも、英国の大学にイスラム研究センターを作り、いかにイスラムを理解して和解への道筋を作ろうと尽力しているか?
イランについて調べて見て、やっと理解できた様な気がするのです。
ただその尽力の裏には、新世界秩序に向けての準備・露払いの意味もあるとは思うんですけどね。(チャールズ国王は「世界経済フォーラム(WEF)」のシュワブ会長と共にグレートリセット宣言を行なっていますから。)
これを言うとイランの指導者さん達は「それ見たことか!」とか言ってまた敵愾心剥き出しの批判とか言い出しそうだけど、「違う」でしょ?って話ですよね。
そう言う問題じゃ、無いですね。
(その一方で日本では、学校教育の場で「古事記」ー「日本書紀」でも良いけどーを学ぶ機会を作る必要がありますね。教育勅語じゃ無くて、ストレートに足元の「神道(神話)」についてちゃんと学ぶべきだと思います。変な新興宗教に騙されない様にする為にもね。
そもそも「神道」は「宗教」では無く「在り方」である…とする主張もある位ですしね。だから明治維新前までは天皇以下皇室・皇族も神道の祭祀を司る立場でありながら、仏教徒でもあったわけですし。=神仏習合
とりあえずそう言う勉強をした子達が成人して社会に出るまでは、政治家さんの研修や勉強会には「古事記の勉強、必修」にして欲しいですね。)
本音を言えば、ペルシャには「ゾロアスター教」と言う立派な国教があったのに、イスラムに征服されて以降、イスラムには反発せずにユダヤやキリスト教には反発して、自分たちを征服したイスラム教が自分たちのアイデンティティの如く振る舞うってどうなの?
と思う部分もあります。
あんなに英米(キリスト教)やユダヤにコントロールされるのを嫌がってるのにね。
イラン人はプライドが超高いと言う割には、その点に関しては矛盾してるなあ…と感じるんですよね。
これまでに何度も書いてきてるけど、行き着くのはやっぱりこれ!
基本的にちょっとさわりを読んだだけ(しかも英語版を機械翻訳で)なので、細かいニュアンスは汲み取れていないと思うし、ましてイスラム教徒では無いので彼らの感覚はそもそも分からないところがあります。
ただ心理学上の概念として、
「自分が否定したい相手は、自分の中にある自分が認めたくない負の部分を、その相手に投影して見ている」と言うものがあり、
例えば誰かが誰かを批判しているとき、側から見ると「それ、アンタのことじゃん!」
ってこと、よくありますよね。
この英語版「イスラム統治体制(法学者の統治論)」を読んだら、ユダヤ人を否定的に書いていますが、それ、アンタらもやってるよね⁈ってなるわけですよ。
そもそもイスラム教で「目には眼を、歯には歯を」と言う規範があるんだから。
日本人の感覚からしたら、「相手の土俵に乗っかって同じ様なことしてるんだから、相手のこと批判出来ないよね」になるわけなんですが…。
極め付けは日本のことわざにもある様に
「人を呪わば穴二つ」ですかね。
この穴と言うのは、棺を収める穴のことなんだそうです。
典型的な例が、現在の中韓(北も?)ですよ。
反日が国是の彼らは、戦中戦後から日本の自分達への批判は許さないのに、日本のことは散々批判し貶めてきました。(韓国本国の統一教会とかもそうですよね。)
で、結果的に彼らが望んだように今の日本はクソミソ状態になってる訳ですが、一説によると中国や朝鮮半島の方がもっとボロボロになっているらしい。
まさに「人を呪わば…」状態になっているわけです。
この中韓(北朝鮮を含む)と同じ様なこと(全ての行動の基準が、恨みや復讐心からきている様に見える)を、イランがユダヤ&英米(その他、非イスラム勢力)に対してやってると言うことは…イランも恐らく中韓と同じ道を辿っているんですよね。
イスラム世界に関しては知識は余り無いけれど、この「人を呪わば〜」は現世に於いて不変的な真理だと思うので、…だからその負のループから抜け出したいと思うなら、二元論的な思考と対立意識と言うか、二極に分断された世界の対立状態から抜け出さなきゃならない。
敵か味方かしか無い様な極端な思考では、世界の平和は望めないのです。
二元論的な対立思考から抜け出せないこと自体、実は目の前の敵ではなく、その背後に居て事態を操っている本当の敵の術中に自ら嵌っていることを自覚して、それを変えなきゃ行けないのにイスラムの教えだからと「目には眼を、歯には歯を」に拘るから…。
だけどそれを自覚して変えようとすることを、イラン革命で最高指導者になったホメイニ師は、イスラムへの攻撃と見做して批判しちゃってる段階で、(申し訳ないのだけれど)イランの将来に関しては救いが無い。
確かに「サタニスト(悪魔崇拝者)」と呼ばれる人たちの様に、堕落から破壊へ導こうとしている輩や集団もいるでしょう。
ですが科学技術は進歩し、技術の進歩に合わせて社会の価値観が変化してきている面もある。
その時代の変化に合わせることが出来ず、狂信的に古い在り方のイスラム法への従属を求められる国民は、本来得られるはずの正当な富さえ得る機会を失ってしまう。(世界はどんどん進歩しているから、その進歩から取り残され、ビジネスチャンスを失ってしまう。) (※3)
原理主義的になり過ぎるのは、色んな意味で危険なのです。
例えばキリスト教のアーミッシュの様に、小さなコミュニティで同じ志や価値観の者が集まってそれをやるのは勝手ですが、国家としてそれを国民に強いるのは支配層のエゴでは無いでしょうか?
勿論、今のイランの指導者はホメイニ師では無いですし、ホメイニ師の意向が今のイラン政府にどの程度影響を与えているかは分かりませんが、未だに変わらずなら、イランに未来は無いと思います。
ですが、国家の未来は人間の集合意識に左右されると思うので、イランの人たちがホメイニ師とは違う意識や感覚を持っているなら、イランには、まだそこに救いがあるでしょう。
実際イラン国内では、偏狭なイスラム原理主義に反発している世俗派の存在も有り、イランにある道徳警察(別名;服装警察)の警察署内で取り締まりを受けた女性が死亡した件で、警察の暴力的な行為が疑われ抗議行動が起きていると言います。
日本では殆ど知られていないと思いますが、米国は昨年この事件を機に、道徳警察幹部やエスマイル・ハティーブ(英語版)情報省長官らに対して米国内の資産凍結や米国人との取引を禁止する経済制裁を発表しています。
世界全体で観ればアブラハムの宗教(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)は、和解に向けて動き出しています。
その現れがサウジアラビアとイスラエルの和解に向けた動きで、これが実現すればその流れは拡大し、様々な面でムスリムにもユダヤ人にも恩恵が及ぶはずでした。
今回のハマスのイスラエル攻撃は、その流れに水を差すものでした。
(ただしハマスは反ユダヤではありますが反共産主義で、その点は反ユダヤでもマルクス主義のクルディスタン労働党とは違います。)
ハマスとイラン
ハマスはスンニ派のテロ組織で、イランが裏で支援していると言われています。
ハマス支援を公言、イランが主導する「イスラム圏結束」…今回の戦闘への「黒幕」疑惑残る(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース
ただし、フランスのシンクタンクの副所長で地政学者ブリュノ・テルトレは、この地域でイランが動かせるのはレバノンのヒズボラで、ハマスには支援はしているけれど、ハマスを動かせるほどの影響力は無いとのこと。(次の項目で、背景の説明。)
イランが北朝鮮と軍事的に手を握っているので、イラン経由で武器の横流しがあったのでは…なんて話もある様ですが、どうなんですかね。
報道では、イスラエルがハマスから押収した武器の中に北朝鮮製の物があったようですが。
それとは別に西側がウクライナに支援した軍備品や武器そのものを、ゼレンスキー政権が市場に放出して、ハマスがそれを手に入れたのでは…?なんて話も出てる。
いずれにしても、こうした過激派組織というのは、例えばアフガニスタンのタリバンなどもそうなのですが、イスラム教の教えを自分たちにとって都合の良い解釈をして、それを他者にも押し付ける…と言うサイコパスと言うかソシオパスと言うか、そう言う傾向がある様に思います。
それが彼らの環境遺伝によって引き起こされた「病(=後天的なもの)」なのか、それとも生まれつき持って生まれてしまった「障害(=先天的なもの)」なのか、どちらなのかはわかりませんが、思考が偏りそれを他者に押し付けて社会問題化している点では共通点がある様に思います。
ある一面においては、差別されたり抑圧されている人を助けたり解放する為に行動を起こしていることも事実ですが、例えイスラム教徒であろうとも彼らの論理が万人に当てはまるわけでは無いでしょう。
言い方を変えるならキリスト教のアーミッシュの様に、同じ価値観や志の者が集まって小さな村や町の様なコミュニティを作って、その中だけで実践する分には、その人達の価値観の問題だから、国際的に批判を浴びるような問題には発展しないわけです。
にも関わらず、過激派組織の連中は押し並べて、その偏狭な価値観や在り方を全世界に押し付けようとするから問題になるわけですよね。(※4)
イラン発のイスラム過激派・原理主義組織とエジプト発のイスラム過激派・原理主義組織
ですが、残念ながら彼らイスラムの過激派や原理主義者は
と言う信念を抱いていると言います。
全てのイスラム過激派組織に共通しているのは、反シオニズム(反ユダヤ)だと言う点です。
秘密結社と言うと「フリーメーソン」や「イルミナティ」など、ユダヤ教系やキリスト教系の秘密結社を思い浮かべる人が多いと思いますが、
日本に「八咫烏」と言う秘密結社があると言われるくらいですから、当然イスラム教にもあるわけですね。
そしてこの「ヒズブ・タフリール」は「ハマス」同様に「ムスリム同胞団」の分派として、パレスチナのスンナ派ムスリム組織として1953年に設立されたのだそうです。
「ムスリム同胞団」自体はエジプトで1928年に設立された中東地域に広がるスンナ派の代表的な社会運動・宗教運動組織で、ハマスとの関係からテロ組織指定する国が多い中、現在もムスリム同胞団を支援しているのはカタールとトルコなんだそうです。(※)
(報道によれば、エジプトやトルコはパレスチナ難民受け入れを拒否した様ですが、こうした下地があることから、難民を装ったハマスのメンバーの流入で、難しい立場に立たされることを警戒しているのでは無いかと思われます。)
同胞団自体は「非暴力」を掲げているものの、その中にいた過激派が離脱し、サウジアラビアに亡命した者の中には、イスラム大学の教授に就任し、同胞団の理論を講義した者もいるそうで、その影響を受けた者の中にはアルカーイダのウサマ・ビン・ラディンがいたとのこと。
ハマスもそうした過激派組織のひとつと言うことらしく、同胞団のパレスチナ支部で武装闘争組織として結成されたものが2017年に独立して出来た組織だそうです。
ホメイニ師は預言者ムハンマドの直系子孫で、第7代イマーム(シーア派指導者)ムーサーの聖裔として生まれ、イスラム法学を納めたのちに独裁的な西欧化政策に抵抗して活動を始め、自ら革命評議会を組織しています。
またヒズボラはそのホメイニ師から薫陶を受けているのです。
ですから、イランとヒズボラの関係は深いけれど、ムスリム同胞団とは基本的には関係が無い。全く別の系統の独立した動きだったわけです。
ただし同胞団はイラン国内にあるスンニ派の過激派組織に精神的影響は与えており、良好な関係を持っているとされますが、こちらも系統としては別の組織なのだそうです。
ドツボにハマってる人間との共通項
適材適所と言いますが、地球上には様々な特性の気候や自然環境があり、それぞれの国や地域の気候や地政学的特徴から、何千年の時をかけて、その国独特の文化や宗教が生まれ育ってきた事実が存在します。
そんな中で、確かに自分たちとは違う文化の国や地域に、単一の価値観の押し付けを始めたのはキリスト教社会(ないしはユダヤ教社会)だったのかも知れませんが、彼らも様々な経験を経て多様化を受け入れる様になっているのです。
アラブ社会もそれを甘んじて受け入れて、自らの発展の契機にすれば良いものを、偏狭なこだわりからそれを壊して、自分たちの同胞をも苦しめてしまう。貧困と恐怖の状態に押し留めてしまう。
そう言った広い視野や思考の柔軟性が欠如していることが、過激派組織の最大の難点であり、欠点でしょう。
黒か白かの二択しか無い世界で被害者意識に拘泥し続ける事が視野の狭さを生み、それが心理学やスピリチュアルで言うところのブロックの役割をして、国や国民が幸福になる道へ進むのを阻害してしまうのです。
ドツボにハマっちゃって苦しんでいる人と言うのは、大抵の場合視野が狭くなっており、目の前のことしか見えなくなっています。
こう言う場合「非日常」を敢えて経験すると言いますか、目の前の自分を苦しめている問題から意識を切り離す為に、強制的に旅行とか普段自分がしないことをすることで、視野が広がり、問題が解決してしまうことがあるのですが、イスラム主義者にはこれが出来ません。
イスラム主義や反ユダヤ思想から自分の思考を切り離すことが出来ないのです。何故なら彼らにとってイスラム法(シャリーア法)が「法律」になってしまっているから。
結果的に欧米・ユダヤから苦しめられている国や人の共感を呼び、一時的にその国の国民や地域の住人にとって良いことをして認められたとしたとしても、
結局はそうした視野の狭さから来る偏狭な側面が現れてくると、その偏狭さが支持を失う原因になってしまう…「ネガティブな刷り込みや意識からは、ネガティブな未来しか作れない」所以でもありますね。
救いはあるか
ただしこうした側面が後天的に作られたものであるならば、彼らの環境が変わることでその状態が変化する可能性は大いにあるとは思います。
ですがそれを可能にする環境を作るには、彼ら過激派や原理主義者を内包しているアラブ社会全体が、二元論による対立構造の意識から解放される必要があるでしょう。
スンニ派の盟主であるサウジアラビアはその方向に向かい始めているように見えますが、シーア派の盟主であるイランがホメイニ師の影響もあってか、なかなかそれが出来ないみたいですね。
(イランは国家そのものがイスラム原理主義であるとする考え方がある。)
けれどもアラブ社会がそれぞれの国家としては、彼ら過激派組織の在り方ややり方は容認しないこと、支援しないことが求められます。
そしてそれを彼らが批判したとしても、アラブ社会内は勿論のことアラブ以外の世界との融和と共存の達成から、共に発展する道を諦めずに進めること。
自国にいる一部の偏狭な集団よりも、大多数の国民の幸福と豊かさの追求をするべきなのです。
その間、イランやイランが支援する過激派組織は世界からの孤立感に悩まされるかも知れないですが、彼らにとっても彼らが問題視している物事から一旦距離を置いて、ひとり静かに内省する時間は必要でしょう。
そしてアラブ全体が本質的な豊かさを得た時に、初めて彼ら偏狭な過激派組織を癒し、国内で包摂するだけの余裕と力量を得ることになるでしょう。
その時にまだイランと言う国が存在しているのなら、その時にイラン自体も民族的トラウマから解放され、本当の意味での癒しを得るのかも知れませんね。
今回はこれで終わりです。
最後までお付き合い頂きました皆様には、大変ありがとうございました。
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次回はこうしたイスラム過激派を中心とした関係性から仄見えて来る「グレート・リセット」や「新世界秩序」との関連性について考察してみたいと思っています。
良かったら、また次回も会いにきて下さいね。
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【脚注】
※1;例えばロスチャイルド財閥は日露戦争で、日本とロシアの両方に資金提供(融資)していたと言われています。どちらが勝っても損をしない様に両建てで投資するのは国際金融資本の常であり、その投資で儲けられる様に争いの種を仕掛け、煽ってきたのが一般的にネオコンと言われる軍事産業関係者と言えます。
ただ当時の日本はお金がなかったですから、ロスチャイルドの支援なしではロシアと戦うことが出来なかったのも事実です。
第二次世界大戦時、日本はドイツと三国同盟を結んでいた為、派手なことはできなかったけれど、ナチスドイツからの度重なるユダヤ人虐殺要請を無視すると言う消極的な形で、ユダヤ人を保護して来ました。その裏に資金の融資をしてくれたユダヤ金融資本への感謝の念があったことは想像に難くありません。
杉浦千畝や樋口季一郎など派手な行動をした方が分かりやすいので、彼らばかり持ち上げられますが、当時の大日本帝国がした(消極的な形ではあったけど)保護策で多くのユダヤ人の命が助かっていること。これを米国に亡命して生き延びることが出来たユダヤ人に知って欲しいと、歴史講師のもぎせか先生こと茂木誠さんが仰っていました。
日本人は謙虚ですから、日本政府もそう言うことは敢えて声高にアピールせずに来たのでしょう。ですので、この事実は日本人ですら知らない人が多いのが現状ではあるのですが。
※2;スンニ派の雄で、やはり実質的にシャリーア法(イスラム法)を採用しているサウジアラビアが、産業構造の近代化を図る為、イスラムの縛りを緩めて現実的な対応を取り始めていることそのものが、何よりの答えでしょう。
※3;イスラム教の教えを厳密に守っていたらビジネスは出来ない。国民を食べさせていくのに必要な産業も育たないのです。
シャリーア法では現実社会に対応出来ないと言うのが実情…だと言うことだと思います。
※4;時代に合わなくなっている教えに関しては、クルアーンをそのまま実践しようとするのではなく、その教えが本質的に何の為に書かれたかを知り、現代社会でその教えが防ごうとしている問題に対処するにはどう言う形にするのがベストなのか?現代社会に合わせた創意工夫が必要になっている…と言うことだと思います。
(ホメイニ師は、そうした教えの“アップデート”が出来ずに、イラン憲法執筆中に“1400年前に戻りたく無い知識人”と衝突したわけです。)
※5;世界政府構想には
⚫️WEFが進める国家資本主義&全体主義の世界統一政府構想
⚫️それとは別に国連改革の延長で、国家の主権の一部を世界政府に移譲する世界(地球)連邦政府構想(英連邦or合衆国型)(→日本は事実上米国の植民地状態なので、後者であれば今と大して変わらないかも?)
の他に、
⚫️イスラム教で世界を統一し、イスラムによる世界政府を作る「世界イスラム帝国構想」
があります。基本的にイスラム過激派が最終的に目指し求め共有している理想形は、これと考えて良いでしょう。
欧米主導型の世界政府構想が利権に結びついていると言われているのとは対照的に、イスラムのそれは宗教による支配と統合が軸になっているのが特徴です。
【本文中リンク以外の参考資料】