最高に肺ってやつだァ!!-第1部-
こんにちは。
今回は入院編を望まれていなくても勝手に書く。この痛さを世に知らしめたい。そしてあわよくば褒められたい。そんな下心さえあれば筆はいくらでも進むのだ。
Day 1
突然入院が決まったので、何も用意をしていなかったが、とりあえず病室に案内され、病院着に着替えた。流石街中の大きい病院なので緊急入院の対応もお手のもので、あっという間に入院手続きが完了した。
入院案内や必要な書類の説明などを矢継ぎ早に受け、一息ついていたところに、病院では見慣れない黒衣の男性がやってきて一言。
「じゃあ、今から管通しますね」
今から!!!!??!?ここで!!??!!!?病室のベッドの上で!???!?!
こちらの意思などお構いなしにテキパキと準備が進んでいき、まずは管を指すところ(胸の側部、肋骨の間あたり)に目印のマーカーをつけられた。
そもそも管とはなんぞや、というと、肺気胸の治療法には大きく3つがあり、軽いものから順に
1.自然治癒
2.胸腔ドレナージ(今回のはコレ)
3.手術
となる。自然治癒と手術はその名の通りだが、胸腔ドレナージとは簡単に言うと、肺に直接管を入れ、外の吸引機と接続することで肺を徐々に膨らませる治療法。
そう、もう体にメスが入るのである。
目印を付けたら、その周りに麻酔を打ち込んでいく。これも筋肉注射のためかなり痛い。
あえなくして、医者が私の脇腹を触りながら
👨🏾⚕️「これどうです?なんか感じますか?」
🤔『え、今なんかしてます?何も感じません』
👨🏾⚕️「そうですか。実はもう切ってます。」
は?
仮に俺が麻酔にクソ強い体質だったらどうしてたんだよ。ただ、幸か不幸か(?)医者の思惑どおり何も感じない。鈍感なんだから…
数センチほどの穴を開け、管が入ってくるのがわかる。異物感だけがわかるため非常に気持ち悪い。そしてもっと気持ち悪いのが胸腔(肺の周りにある膜)内に管を入れる時。
👨🏾⚕️「ちょっと力入れるよ〜」グイー
🤮「グッ………ウ"ッ…」
感覚は非常に独特で例えづらい。端的に言えば内側から胸を押される感覚というものに尽きる。体の内部に響く感覚というのは、基本的に自然現象(腰を伸ばしたときにポキポキ鳴る感覚等)で体内で完結する感覚なのだが、外の人間からもたらされる刺激と内側で感じるそれが連動しているためとても気持ち悪い。明らかに人の手で内臓を触られているような感覚。
そして貫通。ブシュウと空気が出ていく音がする。
ここに至るまでの痛みは麻酔を打った時のそれのみだが、時間が経つにつれ体に違和感が訪れる。
そして、それは次第に痛みに変わる。
そして、それは次第に激痛になる。
ほんっっっっっっっっっっっっっとうに痛い。何をしても痛い。どの体制でも痛い。耐え難い激痛。痛みは大きく3種類あり、①管挿入部の痛みと、②胸腔入口(たぶん)部分の管が肺に当たる部分(たぶん)と、③背中の肩甲骨の凝りを伴うような鈍い痛み。
①は単に切り傷を負った時のようなジンジンとした痛みが恒常的に襲ってくるため、どう足掻いても痛い。
②は呼吸するたびに痛い。そしておそらく体制や管の位置によって痛みの強弱が変わるため、安置を見つけたと思っても1cmでも体を動かすと激痛が走る。
③は痛みというよりは居心地の悪さというか、肩をパキッと鳴らしたいような凝りが気持ち悪く、体制を変えて解消しようとすると、前述の痛みが走る。
マジで体が動かせない。
体を切っていることもあるが、肋間なんていう神経の溜まり場に異物をぶっ込んでいるのだから痛いに決まってる。もちろん痛み止めを飲んでいるがほぼ意味をなさない。注射しても1時間経てば再び痛みが襲ってくる。
もがき苦しみながら同胞者を探すと、Twitterでは「胸腔ドレーンが一番痛い」「二度とやりたくない」といった意見が、知恵袋では「助けてください」という悲痛な入院患者の叫びが垣間見える。
ちなみに、苦しんでいる同胞の知恵袋のベストアンサーの一つに以下のようなものがあった。同胞はどんな気持ちでベストアンサーを選んだのだろうか。私はこれを見て泣いたが、彼(女)はどう孤独な夜を過ごしたのだろうか。同胞を慮り、もう一度泣き、鎮痛剤で痛みが変わらない私はまた泣いた。
…5年前はこんなに痛くなかった。気がする。
何やら、執刀する人や入れる位置によって大幅に痛みが変わるらしい。またガチャがドブったのか…という絶望と怒りに苛まれながら、私は体制を変えても一定程度痛みを緩和できる体制(※ツタンカーメンのポーズ)を2時間かけて見つけたので、ようやく眠りにつくことができたのである。
余談だが、ドレーンは呼気に連動してるため、息をするたびに上下する(以下を参照)。穴が空いていると、この水がブクブクするのだ。入院中は暇すぎるためこれを眺めて暇を潰したりする。