カナヘビの飼育について
皆さん!「カナヘビ」って知ってますか?
多分誰もが一回は見たことがあると思います!
公園とかで日向ぼっこしてる可愛い奴らです!
そんなカナヘビを外でとってきて、
「飼ってみたい!けど、どうやって飼うんだろう?」
ってなる方、たくさんいらっしゃると思います。
そこで私から基本的な飼い方を説明していこうと思います!
ニホンカナヘビ
Takydromus tachydromoides
全長:180〜250mm(成体)
鱗はざらついていて体の2/3を占める長い尻尾が特徴です。
北海道北部にはコモチカナヘビという別種のカナヘビも分布しています。
コモチカナヘビは凄く特殊なカナヘビで、卵胎生と言って卵ではなく子供を産みます。それが名前の由来です。
また爬虫類の中で一番寒さに強い生き物でもあります。
ですが普通いかないような湿原などに生息しているため見かけることは少ないと思います。
日本では絶滅危惧種II類に指定されていて希少なので優しく見守るようにしましょう。
南の方の島には、他にもアムール、ミヤコ、サキシマ、アオカナヘビ等希少で美しいカナヘビが分布していますが、これらも捕まえたりしないで遠目で見るようにしましょう。
種類によっては捕獲すると罪に問われます。絶対にやめましょう。
また、よく見られるトカゲのニホントカゲとは鱗の質感や体型で区別することができます。
ニホントカゲ(広義)
※写真はヒガシニホントカゲ
鱗に艶があって、ずんぐりむっくりな体型なのがニホントカゲです。
ちなみに日本の本土には三種類のトカゲがいます。大きく言うと
東日本には「ヒガシニホントカゲ」
西日本には「ニホントカゲ」
伊豆半島には「オカダトカゲ」
が分布しています。
↑ニホントカゲの若い個体は非常に綺麗なブルーの尻尾を持っています。
捕まえ方
日が完全に上がった正午の時間帯には、カナヘビ達はフルスピードで逃げることができます。そうなると捕まえるのは難しいので、9時くらいから探すとまだ温まっていないカナヘビが見つかるはずです。
基本的には岩やコンクリート塀の上で日光浴をしています。カナヘビの死角の方から忍び寄って、腰を落として、倒れ込むように手で素早く後ろ足のあたりを軽く押さえつけてとると、尻尾を切らずに捕まえられます。
写真中央のブロックの上にニホンカナヘビがいます。
ここは採取するのには最悪な場所で死角もなく、奥にすぐ逃げられてしまいます。
自分なりに採りやすいポイントを探してみましょう。
ただ、むやみやたらと捕まえてしまうとそこの環境を壊してしまうので、
絶対に乱獲のような真似はしないでください。
飼い方
※私が思うに、ニホンカナヘビは飼育が比較的難しい生き物だと思います。餌の用意さえ出来ればヘビを飼う方が簡単ですし、前述のニホントカゲの方が飼いやすい印象があります。
なぜかと言うと、カナヘビは体がとても小さくまた細いため、微妙な環境の変化やストレスが体調の変化に大きく影響するからです。
なので、「日本の生き物だから飼うのは簡単だ!」と思って粗雑な飼育をするようなことだけはしないでください。
その上でまず、一番重要なのは、
いかに「元いた場所」を再現するか。
です。
外にいた生き物にとって、外の環境はベストなわけです。
カナヘビだけではなくてその周辺の環境ごと「切り取って」皆さんなりに考えて水槽に再現してください。
これから書くのはあくまで一例で、私個人が絶対に必要だと思ったものです。
人によっては「足りない」と言う人もいるとは思います。
皆さんが「これがあったらいいんじゃないかな?」と思ったものは試してみるといいと思います。(コメントいただけると幸いです)
それでは。
必要なもの
・水槽
・床材
・シェルター
・水入れ
・日光浴用の岩
・ライト
・サプリメント
・餌
それぞれ説明していきます。
水槽
広いものの方がいいですが、最低限の目安としては、45cm水槽にオスメス一匹ずつです。
カナヘビは木登りが得意なので、水槽の中に枝流木やインテリアグリーンを入れるといいと思いますが、その時は蓋のある水槽をお勧めします。
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床材
比較的乾燥したところにいるイメージがあるので、私は赤玉土を使っています。
もちろん元々いたところの土を使うのもいいですが、ダニや細菌等を殺すために一度電子レンジでチンすることをお勧めします。
ニホンカナヘビにはタネガタマダニの幼虫がついてあることがあります。注意して観察してから飼育をはじめましょう。
→1日に何度か霧吹きで湿らせてみるのもいいかもしれません。雨的な感覚です。やりすぎないようにしてください。※もしダニがついていると一気に増えます。気をつけてください。
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シェルター
隠れ家です。カナヘビは何か物陰に隠れているところよりも落ち葉や、枯れたイネ科植物の葉の下にいるのを見るので、落ち葉を使っています。1つ注意なのは、外の落ち葉を使うのはいいのですがダニなどが紛れているので、陽に当ててから使うことをお勧めします。電子レンジでもいいです。
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水入れ
これには特にこだわりはないですが、爬虫類用に作られたものもありますのでそれを使うのもいいと思います。いわゆるタッパーを使うこともあります。
水入れから水を飲まない個体もいますので、そういう時には水槽の壁面に霧吹きで水を吹きかけてあげると飲むことがあります。※これもダニに注意!
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日光浴用の岩
これも特にこだわりはないです。自然石の方が見た目がいいかもしれませんが、コンクリートブロックの上にいた個体ならコンクリートブロックを使うという手もあります。レンガも使えると思います。
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ライト
一口にライトといっても普通の蛍光灯やLEDなどではなくて、爬虫類用の保温球と呼ばれるものです。カナヘビは変温動物なので自分で体温調節ができません。体温が低いと活性が落ちますし、食べたものをうまく消化できないので日光浴をして温まります。しかし、家の中では日光浴ができないので、ライトで温めます。もちろん本物の太陽光には到底及ばないのでできるなら外に水槽を置きたいですが、カラスなどにおそわれるので見てられる時だけにしましょう。タイマーで時間をセットしておくと規則的に点灯させられます。
また鱗や骨を形成するカルシウムを摂取するために必要なビタミンDは紫外線を浴びることによって体の中で作りだすことができますが、サプリメントで補給することができるので、特に気にしなくてもいいです。ビタミンDは少なくても多くても病気になりますが、過剰な投与による症例を見たことがないので普通に世話をしていれば特に気にする必要はありません。
もちろん紫外線が出るライトを使うのも手です。
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サプリメント
カルシウムとビタミンD、ビタミンAが配合されたものを使いましょう。カルシウムや上のビタミン2つは爬虫類にとって大事な骨や鱗をしっかりと作るのに大切な栄養素です。自然の中では様々な種類のものを食べることができますが、飼育下で入手できるえさは限られていて栄養に偏りが出ます。なのでケチらないでください。
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餌
基本的には餌用のコオロギやゴキブリ、ミルワーム、ワラジムシなどにサプリメントをまぶして与えます。人工飼料もあるにはありますが、食べるかどうかは個体によって差が出ます。触れないという人は乾燥したコオロギを売ってたりしますが、それも食べるかどうか、差が出ます。
メインでコオロギを与えて、時々ワラジムシやゴキブリを与える、というようなサイクルでいいでしょう。たまに拒食と言って餌を食べなくなることがありますが、その時には、色々な餌を試してみましょう。
餌のストック用の餌にも気を使いましょう。匂いは強くなりますが、亀の餌を少しふやかしたものもいいと思います。爬虫類ショップに行くと専用の餌が売ってることが多いのでそれを使うといいでしょう。
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まとめ
どうでしたでしょうか?
爬虫類はなんとも言えない魅力を持っていますが、その反面感情がわからず体調の変化もわかりにくいです。そのためいつの間にか体調を崩し、そのまま亡くなってしまうこともあります。
私たちが爬虫類を飼育するにあたって、外で観察をして彼らのことを良く知ること無しには絶対にいい飼育は出来ません。
命を適当な飼育で落とさせてしまわないように、できることは最大限行い、誠心誠意向き合って飼育をしましょう!