きのう見た夢
夢を見た✨
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食事を終えて店を出た後、私は雨の中を傘をさし、自宅に向かって歩き出した。
ちょうど背後の交差点の信号が点滅し始めた時、正面から自転車に乗った小学校高学年位の少年が疾走してきた。青いレインコートのフードを目が隠れるまで深く被り、雨を避けるうに頭を下げながら立ちこぎでスピードを上げて横断歩道に入って行った。
息子だった。
『気をつけて行ってらっしゃい。』
私はすれ違いざまに声をかけたが、反応はなかった。
通行者にぶつからずに渡ったのを確かめた私は、横断歩道を背にしてまた家路へと歩き出した。何となく重い気分…
しばらくして『ママ!』と叫ぶ声がした。
ハッとして振り返ると、息子が横断歩道の向こうから私のところまで駆け寄ってきた。
『どうしたの?』と私が聞くと、
『なおに『じゅんは今、心に出来た裂け目を埋めようとしてるんだよ』って言われたんだ。だからもう一度言って?』
その目は真っ直ぐ私を見ていた。
雨の中、ずぶ濡れで引き返してきた息子に対し、強い後悔の念と愛おしさを感じながら、もう一度、今度はしっかりと息子の目を見て『気をつけて行ってらっしゃい』と言った。
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ここで目が覚めた。
どうやらこの直前に、私が息子を強い口調で一方的に叱りつけてしまい、息子は怒って先に家に帰ったようだった。傷ついて帰ってきた息子を姉が慰めていた。
子供は子供たちなりの表現方法で親を気遣い、思いやってくれている。心に余裕がないとそんなことも理解できなくなり、平気で傷つけるようなことを言ってしまい、後で反省することがよくあったことを思い出した。
今は2人とも社会人。
娘は今年結婚して家を出たが、時々週末には夫婦で食事をしに帰ってくる。食卓に息子が一人増えた。
昨夜、大学時代の同級生との忘年会の席で、息子の為にも絶対に一人暮らしさせた方がいい、と説教された。いつまでも母親と一緒にいるとメンタルの弱い人間になるらしい。『実家が近くにあるのにわざわざ一人暮らししなくても良い』『メンタルが弱いのと母親との同居は関係ない』と言う反対派に同調しながら、まぁ一理あるかもとも思いつつ…。実は私に説教した彼も同じ境遇の長男を案じていたのだった。
妻と息子には直接言えないことを私に説教していた、という笑い噺。
そんなことがあった夜に見た夢だった。