ボート界5月の重大ニュース
23歳の定松勇樹がSG初優出で初優勝
多摩川オールスターは23歳0か月の定松勇樹が予選トップからの王道優勝を果たし、歴代では表1通り4位となる年少SG制覇を成し遂げた。
登録5千番台の選手としては初、平成生まれの選手としては3人目、さらに21世紀生まれの選手としても初の快挙。また、デビューから4年6か月での優勝も1965年以降では3位となるスピード優勝(表2)になった。
定松は福岡出身ながら峰竜太への弟子入りを志願して佐賀支部に所属。念願かなって峰の弟子になった。養成所時代の勝率は7・81でトップ。リーグ戦は6優出5優勝とぶっちぎりの強さを誇り修了記念レースでも優勝した。デビュー節の4走目にFを切った影響か、デビュー期は4着2本で3着以上なしの勝率1・32と大苦戦を強いられたが、2期目に2勝、3期目には5・75の勝率で早々とA2級に昇格。6期目からはA1級をキープし続けており、勝率は5期連続で自己ベストを更新中。ルーキーシリーズが主戦場だった昨年はルーキーシリーズだけで5回、一般戦を2回の合計7回優勝して3月の戸田クラシックにも出場していた。
GⅠは9節出場で優出なし、GⅡでは1回だけ優出があったが、まだ3回目の出場だったSGで初優出初優勝の快挙。師匠・峰との相乗効果もあり、どこまで強くなるのか非常に楽しみなニューヒーロー誕生となった。
日高逸子が2500勝
5月22日の鳴門一般戦初日5Rで、日高逸子が史上44人目、女子では山川美由紀に続く2人目となるデビュー通算2500勝を達成した。
内訳はSG27勝、GⅠ129勝、GⅡ52勝、GⅢ831勝、一般戦1460勝。福岡支部では岡本義則、田頭実、今村暢孝に続く4人目、56期では初の快挙(2位は熊谷直樹の2302勝)。
ボート界のグレートマザーがまたしても金字塔を打ち立てた。御年62歳で女子最年長レーサーとして、勝つたびに記録を更新しているわけ。改めて通算成績を紹介しておくと、5月23日現在で出走回数9166走、勝率6・71、2連対率は50・9%。優出379回、優勝76回(どちらも女子2位)。生涯獲得賞金は約11億2221万円。女子特別競走は89年多摩川と05年大村で女子王座を制覇。14年には住之江クイーンズクライマックスを制して3冠。ちなみに2着は2163回でこちらは女子1位。3着の1626回は渡辺千草に続く女子2位となっている。
池田浩二、白水勝也が2000勝
4月27日の蒲郡一般戦3日目12Rで池田浩二がインから逃げ、史上179人目となるデビュー通算2000勝を達成した。
内訳はSG275勝、GⅠ572勝、GⅡ45勝、GⅢ76勝、一般戦1032勝。愛知支部では16人目、81期では佐々木康幸に続く2人目。
5月11日の蒲郡一般戦4日目準優9Rでは白水勝也がインから抜きで勝ち、史上180人目となるデビュー通算2000勝を達成した。
内訳はSG40勝、GⅠ168勝、GⅡ6勝、GⅢ116勝、一般戦1670勝。福岡支部では20人目、70期では木村光宏、濱野谷憲吾らに続く9人目。
三角哲男が全国24場全場制覇
5月23日の芦屋一般戦で三角哲男が4カドからまくって優勝し、史上37人目となる全国24場全場制覇を達成した。58期では初、東京支部では彦坂郁雄、濱野谷憲吾に続く3人目の快挙。
三角の23場目は18年9月の下関。王手をかけて5年8か月、4回目の芦屋挑戦での達成。準優1号艇ながら2着と敗れ4号艇になっていたが、前走地の蒲郡から2節連続で4カドまくりでの優勝だった。
三角は93年に追加参戦で走った多摩川周年を予選18位の6コースから優勝してクラシックの出場権を手にし、そこで優出してグラチャンに出場してSG初制覇。当時は奇跡のシンデレラボーイと呼ばれていた。SG出場は44回で5優出1優勝。GⅠは20優出3優勝。通算では96回の優勝と勝負強く、生涯獲得賞金も13億円を超えている。
守屋美穂がSG準優でF
今月はF関連のニュースがかつてないほどある。記念戦線では4月の鳴門マスターズチャンピオンから4節連続で準優Fが発生している異常事態だ。
一番の衝撃は多摩川オールスター準優10Rでの守屋美穂のF。守屋は4月の児島周年準優12Rで桐生順平、松尾拓とともにFを切ったばかり。2か月連続で罰則規定ありのFを切ってしまい、その代償はあまりにも大きい。SG準優のFは1年間のSG出場停止。すでに出場が決まっていた尼崎グラチャンの出場も取り消しとなり、来年のオールスターまでは出場できない。グラチャンはもちろん、オーシャンカップの出場も事実上不可能なので、SG復帰は早くとも来年のメモリアル。現実的にはダービーになるだろうか。
また、SG準優Fは半年間のGⅠGⅡ出場停止もあるので、児島周年準優Fの6か月間に加えて6か月が加算されるので、来年の7月30日までGⅠ・GⅡには出場できない。記念戦線への復帰はまだ開催地さえ決まっていない来年8月のレディースチャンピオンになりそうだ。
宮島、平和島GⅡ準優でもF
5月11日の宮島レディースオールスター準優11Rでは戸敷晃美、香川素子、米丸乃絵、土屋南の4人による集団Fが発生した。
GⅡ準優Fなので罰則期間はF休み明けからの半年間のGⅠ・GⅡ出場停止。すなわちこの4人は年内の女子特別競走には一切出場できず、復帰は早くとも来年2月に浜名湖で開催されるスピードクイーンメモリアルからになる。戸敷以外の3人は8月福岡のレディースチャンピオンは出場圏内だったが、このFで棒に振ってしまった。
そのわずか1週間後、5月18日の平和島MB大賞準優12Rでは予選トップだった地元の栗城匠が前づけに動いて2コースだった片橋幸貴とともにFを切った。
栗城は21年5月の平和島周年でGⅠ初制覇。3年ぶり2度目の記念制覇は目前だったが、強烈な前付けを食らって2人して深い起こしになり、その分だけ踏み込んでしまったと思われる。
2人とも罰則規定が明けて記念戦線に戻れるのは来年の2月下旬以降になる。
なお、5月17日鳴門ヴィーナス準優11Rでは初優出がかかっていた来田衣織が4コースからFを切った。来田はF休み明けから3か月間、女子レースには出場できない。
濱野谷憲吾、石本裕武がF2
前期も多数のF2選手が誕生してしまったが、期末には石本裕武、濱野谷憲吾も2本目のFを切ってしまった。
石本は4月28日の地元住之江一般戦2日目11Rでインからコンマ09の非常識なF。A1級初昇格へ勝負駆けという状況で焦りもあったのだろうか。結局は6・19の勝率でA1級には届かず、2本分のF休み合計90日が今期に持ち越されるので、今期も出走回数90走クリアは事実上不可能。A1級昇格は早くとも1年後ということになってしまう。
濱野谷は3月の戸田クラシックで1本目を切り、その休み消化前の4月29日に2本目のF。多摩川オールスターを走って8月24日まで90日のF休みなので、グラチャンとオーシャンカップの出場はアウト。F休み明けは丸亀メモリアルになる可能性が高そうだが、石本と同じく90走クリアは絶望的。来年は1月から6月までA2級降格が濃厚になってしまった。
なお、多摩川オールスターでは5月22日の2日目3Rで篠崎仁志と原田幸哉がFを切った。篠崎はグラチャンが終わってF休みに入り、オーシャンカップ予備3位の権利を失った。原田は地元大村のオーシャンカップを走って休みに入るので、丸亀メモリアルがF休みにかかってしまう。長崎支部の2枠は誰になるのだろうか?
大村ミッドで優勝戦を11Rで実施
大村は5、6月に開催されるミッドナイトボートレースの優勝戦を試験的に11Rで実施すると発表した。5月は19日、6月は23日の優勝戦が対象。最終12Rは予選敗退者のうち、得点率上位6選手(19位〜24位)による「発祥地ナイター選抜戦」となる。
中央競馬などではメインレースを当たり前のように11Rで実施しているが、ボート界でも1980年代には一部レース場(主に関東地区や近畿地区)で優勝戦を普通に11R(10R制時代は9R)で実施していたこともあった。96年以降では05年12月11日の住之江で唯一、11Rで優勝戦が行われている。当時は場内にあふれんばかりのファンが入場していたので、レース後のファンの帰宅を考慮して優勝戦を11Rで実施していたと考えられるが、ミッドナイトは無観客なので売り上げアップを計算しての実施かもしれない。
その5月19日の11R優勝戦は西村拓也がイン逃げで優勝し、売り上げは約2億5911万円。12Rの発祥地選抜戦の売り上げは約1億5421万円で、その差は1億円以上だった。
今村暢孝が周回誤認疑い
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